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2022年05月20日01:00

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日本人が料理の出汁にここまでこだわるようになったのは 1

 バリエーション豊富で視覚面も大事にされる和食ですが、目に見えないところにも、その魅力を支える要素があります。それは、「出汁(だし)」と呼ばれる一見シンプルな要素です。出汁は煮物などの和食の基本ともいえるスープで、見えない形で多くの日本料理を支える要素です。
 出汁が西洋料理のスープとは根本的に異なります。西洋のブイヨンのようにシンプルな材料を長時間かけて煮込むのではなく、素材そのものが時間をかけて熟成させた材料を厳選して使い、水に浸すだけ、あるいは、短時間火にかけるだけで、素材が持つ風味のエッセンスそのものを抽出するのです。
 出汁には昆布とかつお節を組み合わせて使うのが、もっとも一般的です。だし作りに使われる材料には、他に椎茸や煮干しがあります。出汁づくりは長い年月を経て進化してきました。煮るという調理法は、日本では縄文時代(紀元前13000年〜300年頃)から利用されていたことが分かっています。貝や魚の骨から取ったスープを、他の料理の味付けに使っていたようです。
 7世紀頃には、昆布とかつお節を使った出汁が登場しました。これがさらに改良され、日本になくてはならない調理用スープとなっていったのです。一般的に、一番だしと二番だしという二つの形で使われています。 料亭では味噌汁などの椀ものには二番だしを使います。出汁は陰で支える役割でありながら、和食の中心的な存在といえます。出汁自体の味が特別なのではなく、他の材料の味を引き立て、調和させる力に優れているからです。和食の秘密は、味を引き立てつつ調和させるこの技術にあります。
 出汁の種類は大きく分けて8種類あります。かつお出汁、こんぶ出汁、かつおとこんぶの合わせ出汁、煮干し出汁、しいたけ出汁、あご出汁(トビウオ)、野菜出汁(野菜の切れ端)、精進出汁(干し椎茸、昆布、干瓢、大豆など)。このうち野菜出汁は長ネギだけでも可です。また、これらの他に、たとえば蕎麦屋さんではかつを節のほかにまぐろ節・サバ節・むろアジ・うるめ鰯など複数の魚からなる出汁もあります。
 現在では簡単に出汁が用意できるように、出汁パック、だしの素、めんつゆ、白だし(八方だし)などが商品化されています。これらを利用すれば簡単に料亭の味に近いものが再現できるようになりました。
 海外にも出汁と言われるものがあります。よく耳にするものにはフランスのフォン・ド・ヴォーや中国の湯(タン)が代表的なものです。
 では気が向いたら続きを投稿いたします。
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