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2022年04月09日20:36

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『鎌倉殿の13人』第13回「幼なじみの絆」

 前回、大江広元がなにか言いかけて終わったのに、それが今回のどこにもつながらなかったじゃないかなどということなどがすべて吹き飛ぶぐらい驚いたのは、義時と八重のエピソードがふつうにラブロマンスとしてまとまったことだった。
 頼朝との間に産んだ子は溺死させられ、その後に嫁がされた男との関係は仕方ないとはいえ冷え切っていたし、存在そのものが鎌倉幕府成立に関わる暗部みたいな八重が当たり前に主人公と生活をともにする人間になるとは思ってなかったので、不意打ちをくらったようなものである。
 考えてみれば、クレジットが2番目なのだから、主人公のパートナーなのが当然ともいえるわけだけど、まるで生活感のある人に見えていなかったので、実に驚愕であった。しかし、ちょっと前まで頼朝に未練たらたらだったし、その頼朝には父と兄を殺されているのである。「千鶴丸の仇をとってくれた」と言っていたけど、頼朝が父と兄の仇になってしまってもいるわけで、関係がこじれすぎである。
 あと、八重が嫁入りした顔のおもろいおっちゃんは、あんな仕打ちを受けていたのに、自分が善児に刺されながらもその足にかじりついて八重に「逃げろ!」と叫んでいた。彼の方がよほどヒロインっぽいような気もする。

 でもって、第1回の感じからすると、伊東家にまつわるもろもろがやがて曽我兄弟の仇討ちエピソードにつながって、その余波であの人がああなってしまうわけで、この先もそれひど能天気にラブラブな雰囲気にはならないだろうと思うのだった。どう描かれるのだろうか、義時の家庭生活。

 全般的な情勢についていえば、源平という枠組みの手前に平氏への挑戦権を賭けた源氏同士の勝ち抜き戦の様相を呈している。そこで相変わらず胡散くさい武田信義が頼朝と義仲を離反させようと画策してきて、義時に「あの方の言葉にまことはございません」と釘を刺されたりで平常運転なのだった。

 ここでようやく木曾義仲がちゃんと登場してきた。いかにも垢ぬけない感じだけど、粗野ではなくて荒々しくも一本気で頼りがいがあるように見える。一緒にいる巴御前は、八重や政子やりくとは明らかに違うタイプで、野生児だけどとにかく義仲に一途な様子を秋元才加が好演していた。ちなみに、『義経』で巴御前だった小池栄子は兜でなくてティアラをつけていた。
 どう考えても疫病神としか思えない行家でなく、嫡子の義高を人質に差し出すにあたって「源氏同士が争わないかぎりは」というフレーズがいちいち強調され、彼の運命が暗示されてもいる。

 そうはいっても、御家人たちは「源氏と戦うなんて聞いてないぞ」とまるで頼朝に従う気配はない。御家人とはいっても、この時点ではさほど頼朝に忠実な存在ではないことがわかる。そして、梶原景時が三浦家に集まった人間のリストを頼朝に提出していて、三浦が鎌倉政権における野党の党首のような存在になりつつあることも見てとれる。

 次回はもう義仲が京に上ってしまうそうな。倶利伽羅峠はどう描かれるのだろう。でもって、京都でさんざんイケずな扱いをされるのだろうなあ。

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