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2022年04月07日15:24

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映画 ODDTAXI イン・ザ・ウッズ

“映画 ODDTAXI イン・ザ・ウッズ”を観ました。
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ODDTAXI(オッドタクシー)というのは、昨年4月からテレ東深夜で放送されていた深夜アニメ。登場人物は動物(動物擬人化)で、一見可愛らしい絵なのに、内容は、サスペンスミステリという、もう、その時点で何かミスリードされているような作品(笑)。
粗筋は、無口で偏屈なタクシー運転手の小戸川。彼は様々な客を乗せるが、徐々にそれが練馬の女子高生失踪事件に繋がって行く…という話。

脚本が此元和津也氏で、彼は漫画家でもあるのですが、私、彼の描いた漫画の『セトウツミ』が大好きでして。最初、高校生男子2人の面白会話劇漫画だと思って「面白いー。この人、漫才好きなのかなぁ〜。」等と思いながらケラケラ笑って観ていたら、終盤吃驚な展開をみせ「え?!内海君が河原にいた理由って。え?え??えええーーー!!!!」となる漫画だった。読み終わるともう1度最初から読み直したくなる。オッドタクシーも同じような仕掛けが随所にあり、もう1度見返すと「ああ、この台詞の意味は、こういうコトか。」と分かったりする。思考実験アニメのようでもありました。
此元氏って、PICSのマネージメント部門(というの?)に所属したのですね。それ、知りませんでした。

今回は、そのアニメの劇場版。TVアニメ版の総集編+αという形で作られてました。
面白い再構成の仕方の総集編で、「こんなに意味のある総集編初めて観た。」とも思いました。それに+して、TVアニメのその後もちょっと描かれる。
このアニメ、音楽も良いので、個人的に、映画館の良い音響で、『付け焼刃のカポエイラ(白川さんがカポエイラする時にかかる曲)』が聴けたのがとても嬉しかった。あの音楽大好き。

この後、ちょっと映画のネタバレっぽくなります。内容がミステリの為、映画の感想を書くと何を書いてもネタバレになるんだ。その点をご留意の上お読み下さい。ネタバレが嫌な方は読まない方が良いと思う。

総集編部分は、小戸川の事件を調査してる3人がいて、2人はTV版ではキャバ嬢(よね?)、1人は田中の同級生佐藤で現在探偵をやってるらしい。キャバ嬢の1人もどうやら本業は探偵らしいので、何某かの内偵をキャバでやってたかな?彼らは画面にはほぼ映らず、映るのは事件に関わった人物…というか動物達。彼らから話を訊くというテイで進む。
これって、おそらく、観客側も探偵という意味だと思うんだ。「これ観て皆も推理をどうぞ。」ね。
調査してるのは12月24日らしいと、樺沢の発言で分かる。ああ!なるほど!ってTV版を観てる人は分かる。

TV版のあの時のキャラクターの心情はどうだったのか?何故あんな行動を起こしたのか?等が判明する部分もある。

白川さんが調査員に「久しぶり」と言っていたが、白川さん、ドブに言われてキャバ嬢をやってたのかな?と思った。借金のカタというか、そういうやつな。

山本が何故に、あの時、事務所にいたのかも分かる。三矢が呼んだのか。ツイッターには、山本サイコパスで怖いとあったが、私は結構彼の行動原理は分かる。彼にとっては二階堂が全てなんだろうね。なのに、二階堂の向上心故か、彼女の「私はやってない。」は完全には信じてくれない。彼女も信じてくれてないコトは理解してた。彼女を信じて警察に届ければ、こんなコトにならなかったものを。ただ、ダメなら殺そう…と二階堂も考えていたので、完全に信じられなかった山本の気持ちも分からんでもない。

大門弟のインタビューで、「兄ちゃんのところだけ嘘で、あとは本当かも知れないと思った。」という台詞が泣ける。弟はどうしても兄ちゃんを信じたかったんだな。これって、山本と二階堂の『信じる・信じない』と双璧をなしていると思う。対比だね。
本当なのに信じたくない大門弟。本当なのに信じてもらえない二階堂。

そして、やっぱり亜生氏上手い。亜生さんの声と分かっててもそう聴こえない。舞台のように声張ってないからだとは思うけど。馬場役の津田さんにも思う。津田さんだと分かって聴いても、津田さんに思えない。

タエ子さんや長嶋…オーディオドラマだと「あの2人どうなった?!」ってなるが、どうやら2人は無事なコトも確認出来る。
EDのカットで、その後が出てくるのだが(タエ子さんや長嶋の無事もここで判明)、柿花が警察で表彰されてたが、あれはどういうコト!?小戸川を助けたのが柿花なの?
この部分を映画でやって欲しかったという意見も見たが、私は、それは蛇足になりそうで、形としてはこれで良いと思う。諸々想像出来た方が楽しい。

あと、散乱した車内のカット。ひょっとしてあれは、少年小戸川が乗っていた車なんじゃないかな?と思ったのだが、三矢の件で使った山本かヤノの車なのかも知れない。スパナあったし。小戸川さんのタクシー…ではないよね…??

最後の最後の実写。あれは、『動物が実は人間』の再びの上塗りで、「いや、アナタ達からの目線の世界はこうですよ。」なのかな?と思った。だって、あの映画、我々観客も探偵役だったよね?それなら私達側の世界の描写もないとオカシイわけで。
気になったのは、報告書作ってた人。
私はてっきり、あの3人はタエ子ママが雇った(頼んだ)人で(タエ子さんは、あの3人が調査してるの知ってたよね?)、実写もあの3人のうちの誰かだと思ったんだが、ひょっとして違うのか?実はあの3人を動かし指令を出してた人がいて、最後のはその人物?てか、実写なら、それは我々観客ってコトになるんだろうか?何コレ、実存主義?存在とは何か?哲学か!!(笑)
頼んだのは呑楽かな?とも思ったんだけど。娘失踪して何もしなかったとも思えなかったので。

そんな謎も残しつつのイン・ザ・ウッズ(藪の中)でした。
良いミステリは最後に若干の謎を残す。この物語もそうなのかも。

この映画、1番切なかったのは、呑楽がコメンテーターに戻っていたコト。あんなコトがあっても容赦なく日常はやってくる。周りはきっと腫物に触るように彼に接するだろうし、ネットでは「娘死んでるのに、他人の事件にコメントしてる場合かwww」等ときっと書かれる(それ以前の彼もネット上でよく炎上してたし)。それでも、仕事である限り、日常がくる限りやらねばならない。その辛さや残酷さな。
私は観ていて、そこが1番辛かった。ところで、やっぱり呑楽師匠って、志らく氏がモデルじゃないのかなぁ?コメンテーターもしてる落語家で、N-1(M-1)の審査員もしてて、ネットのコメントで炎上して。志らく氏にも娘さんはいるし、年齢も同じよね。楽って字が付いてるし。

上手く再構成した総集編とは思うけど、それでも、映画だけ観た人には、名シーンの水ポチャの柿花の指輪や(映画だと指輪を捨てるシーンはない)、最後の小戸川家の猫の意味等が分かりにくかったんじゃないかなぁ?とは思う。まぁ、気になった人はTVアニメ版観てねってコトかも知れないけど。

映画、面白かったので、パンフレットとグッズを購入。
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グッズは大門兄弟の缶バッチと、トレーディングアクキーにした。アクキーはドブが当たりました。反社と警官セットだ(笑)。
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