※画像は本著
こう見えても、憲さんがデジタル化したのは結構早い段階である。
憲さん、ご存知の通り文章を書くのが好きで1980年代半ばに大学に入学すると同時に今の若い人はその存在すら知らないかもしれないが、ワープロ(ワードプロセッサ)を利用していた。
参考
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【ワードプロセッサ】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%83%E3%82%B5
憲さんの愛機はシャープの『書院』であった。結構当時としては高級機種である。
参考
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【書院 (ワープロ)】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%9B%B8%E9%99%A2_(%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%AD)
この書院、結構いろいろな機能がついており、大変重宝した。
その中でも特筆すべき機能が「パソコン(ワープロ)通信」であった。
参考
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【パソコン通信】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%82%BD%E3%82%B3%E3%83%B3%E9%80%9A%E4%BF%A1
書院にはパソコン通信に接続するためのソフトが内蔵され、モデムは別売だったような記憶がある。
このサービスを受けるために憲さんはニフティサーブ(現在の@nifty)の会員になって今現在も続いている。
参考
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【ニフティサーブ】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%95%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%96
この、パソコン通信を利用することにより憲さんは初めて「メール」という機能を使用した。
この「メール」、居ながらにして電話回線を利用していつでも、どこにでも「メール」を送ることができ、当時アメリカに転勤していた友人とメール交換できた時には正直感動したのを覚えている。
あれから幾星霜が過ぎた・・・。
今やスマホの時代である。
そのメール機能は当然ながら、胸ポケットに入る小さな端末から世界中の情報にアクセス出来るのである。
これは10年くらい前であっただろうか?
スマホを手にした仕事仲間が、「憲さん!スマホにしたほうがいいよ!スマホに!この小さな端末で家にあるパソコンと同等、いや、それ以上の機能を持っているのだから!」と興奮気味に話していた。
当時の憲さんは「何を大袈裟な!」と聞き流していたが、ガラケーからスマホに変えて2年が経ち、その話があながちオーバーではなかったことを実感している。
インターネットが普及し始めたころは当然ながらパソコンでしかその内容を閲覧出来なかった。
当時、温泉巡りに夢中になっていた憲さんはパソコンで温泉の情報を収集していたのだがさすがにそれを出先で見るのは困難であった。
しかし、今ではスマホさえ持っていれば出先でもあらゆる情報にアクセスでき、またその場所の現在の天気や気温、温泉が営業しているか否か、その道順さえもスマホが教えてくれるのである。
まさに隔世の感である。
それと、憲さんがスマホの機能で感動したのは東京新聞をその紙面の姿のままで閲覧出来る「新聞電子版」の機能と、もうひとつは海外の新聞社のニュース(電子版)を日本語で読めることであった。
例えば・・・『朝鮮日報日本語電子版』など。
これである。
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http://www.chosunonline.com/m/index.html
これは、スマホの機能もさることながら、インターネットが普及したことにより読者を世界的に拡大する一貫として各紙いろいろな言語の版を作成していることもその恩恵に浴することの出来る要因であろう。
そして、何よりもスマホはこの随筆の執筆ツールと欠くことはできない存在である。
このように、憲さんにとって“スマホ”とは今となってはなくてはならない存在である。
この、憲さんも含めてスマホに多くを依存する現代の世界の人々に警鐘を鳴らす著作が本著である。
アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』
この、著者は1974年生まれのスウェーデンの精神科医である。
前作の『一流の頭脳』がスウェーデンで大ベストセラーとなり、本著作も教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーである。
参考
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『一流の頭脳』
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784763136732
『新潮新書 スマホ脳』
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784106108822
新聞の書評や宣伝で話題でなっていたので、憲さんも図書館で予約したが結局半年以上待たされて今順番が回ってきた。
この著作、簡単に言うとスマホ使用の弊害を説いた本であるが、本書の警告が特別に新しい訳ではない。
なので憲さんにとってはそれは全体的に概括すると特段驚きに満ちた内容ではなかった。
ことにスウェーデンや欧米でのデータが多用されていて、人口規模が日本の13分の1のスウェーデンのデータなので正直ピンとこない部分もあった。
この、概括的な書評は今さら憲さんが書いても何なのでプロの評論家に任すことにする。
参考
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『スマホ脳』アンデシュ・ハンセン
●今回の書評担当者●丸善お茶の水店 沢田史郎
https://www.webdoku.jp/cafe/sawada/20210107092012.html
「スマホ脳」 脆弱な心を守れ、対策を提言
https://book.asahi.com/article/14134165
そこで、この本の中身で憲さんに引き付けて印象に残ったところを紹介する。
最近友人がある小説に大変感銘を受けたので、電子書籍で読めるので読んでみろと言われて初めて電子書籍をダウンロードした。
しかし、初めの数ページを読んだだけで大変違和感を覚え憲さん読むのを断念してしまった。
同じ活字なのに何故なのか?
するとこの著作にこう書いてあった。
第7章 バカになっていく子供たち の「学校でスマホ−敵かみかたか?」の一節である。
以下、引用。
勉強するときに紙を使うこと自体にもメリットがあるのだろう。ノルウェーの研究者が小学校高学年のグループの半数に紙の書籍で短編小説を読ませ、残りの半分にはタブレット端末で読ませた。その結果、紙の書籍で読んだグループの方が内容をよく覚えていた。同じ小説を読んだのにだ。特によく覚えていたのは、話の中でどういう順番で出来事が起こったかだった。
以上、引用おわり。
憲さんが電子書籍に違和感を覚えたのはまさにこの実験結果をなぞったからだろうと推測できる。
そして、それは「書く」ことにも当てはまるそうである。
第4章 集中力こそ現代社会の貴重品 の「手書きのメモはPCに勝る」の節にはこうも書いてある。
以下、引用。
米国の研究では、学生にTEDトークを視聴させ、一部の学生には紙とペン、残りの学生にはパソコンでノートを取らせた。すると、紙に書いた学生の方が講義の内容をよく理解していた。必ずしも詳細を多数覚えていた わけではないが、トークの趣旨をよりよく理解できていた。この研究結果には、「ペンはキーボードよりも強し―パソコンより手書きでノートを取る利点」という雄弁なタイトルがついた。
以上、引用おわり。
憲さんは圧倒的にスマホで文書を書いている。
手書きで文章を書くなど仕事以外はしない。
しかし、その内容を「よく理解していた」かは甚だ疑問かもしれない。
確かに手書きで書いたほうが頭に入るかもしれない。
もうひとつこの本で印象に残ったのが「グーグル効果」という単語である。
グーグルは憲さんも随筆を執筆するのになくてはならないツールであり多用する。
これが、著者に言わせると「情報が記憶に入らない」元凶だそうである。
これも第4章 集中力こそ現代社会の貴重品 中「グーグル効果−情報が記憶に入らない」の節にある。
以下、引用。
グーグル効果とかデジタル性健忘と呼ばれるのは、別の場所に保存されているからと、脳が自分では覚えようとしない現象だ。脳は情報そのものよりも、その情報がどこにあるのかを優先して記憶する。だが、情報を思い出せなくなるだけではない。ある実験では、被験者のグループに美術館を訪問させ、何点かだけ作品を写真撮影し、それ以外は観るだけにするよう指示した。翌日、何枚も絵画の写真を見せたが、その中には美術館にはなかった絵画も混ざっていた。課題は、写真が美術館で観た絵画と同じかどうかを思い出すことだ。
判明したのは、写真を撮っていない作品はよく覚えていたが、写真を撮った作品はそれほど記憶に残っていなかったことだ。パソコンに保存される文章を覚えようとしないのと同じで、写真に撮ったものは記憶に残そうとしないのだ。脳は近道を選ぶ「写真で見られるんだから、記憶には残さなくていいじゃないか」
(中略)
人間の知識というのは、暗記した事実をずらずらと読み上げることではない。
(中略)
本当の意味で何かを深く学ぶためには、集中と熟考の両方が求められる。素早いクリックに溢れた世界では、それが忘れ去られている危険性が高い。ウェブページを次から次へと移動している人は、脳に情報を消化するための時間を与えていないのだ。
以上、引用おわり。
これは、ちょっと本旨と違うかも知れないが思い当たる節がある。
憲さん、購入した本を読んでもあまり脳ミソに入っていかないのである。
これは、憲さんの脳が「近道を選んで」「買った本はいつも読めるのだから、記憶に残さなくていいじゃないか」と判断している可能性がある。
これも「グーグル効果」とよく似ている気がする。
だから憲さん、書籍はあまり買わずに図書館で借りることにしている。
(´艸`)くすくす
というより、お金がないから買えないのが本当のところであるが・・・。
さらに、この本は憲さんが随筆を書く上での実践的なアドバイスも与えてくれた。
それがこの部分である。
第4章の「リンクがあるだけで気が散る」の節である。
これも引用する。
コンピューター上で普通のワード形式の文章を読んだ後、単語いくつかにクリックできるリンクが貼ってある文章も読んでもらった。その後、今読んだばかりの文章について質問すると、リンクを貼った文章の方が内容を覚えていなかった。リンクをクリックしたわけでもないのに。おそらく脳が常に「リンクを押すべきか否か」という決定を下し続けたせいだ。その小さな決定の度に知能の容量を使い、限りのある集中力と作業記憶の両方が削られたのだ。
以上、引用おわり。
Σ( ̄□ ̄;)ハッ!
これは、文章にリンクが貼ってあると読んだ人の頭にはその内容が入りずらいということではないか!
憲さんの随筆(ブログ)もリンクを貼りまくっているが、しかし読むときにこのリンクなど憲さん自身も含めてほとんど飛んで読むことはない。
だからリンクが無いほうが圧倒的に読みやすいのである。
しかし、悲しい性。リンクは「念のため」に貼ってしまう。
これについてはこれから検討することにしよう。
と、この本は半年近く待たされた割にはたいした中身ではなかったが、これからスマホと賢く付き合っていくために科学的、客観的データに基づいてアドバイスを指摘してくれているので、読んで損はないと思う。
すなわち教訓!
「スマホに使われるな!スマホを上手に使え!」である。
是非、話のネタに皆さんも読んでみてはいかがでしょうか?
しかし、やはりスマホはやめられませんな〜!
憲さん、先月の3月などは60ギガ目一杯使いきってしまいましたよ!
( ̄ー ̄)ムフフ
どーよっ!
どーなのよっ?
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