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2022年01月06日05:23

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食物連鎖の王者は


人類は、今日まで激烈な戦いの末に、天敵である疫病に勝利を収めてきました。しかし、精根尽き果てるほどの戦いで、多くの犠牲者を出してきてもいます。しかし、2019年に発生して我々を苦しめている新型コロナウイルスの実力は、過去の天敵とは比べ物にならないほど強力です。それにしても、ウイルスはなぜ人類を狙うのでしょうか。

ウイルスにとって、人類は餌であり、弱肉強食の掟を強いるための相手にしようとしているからに違いありません。かつて人類は、火と鉄を手に入れて、食物連鎖の王者の地位を保ち続けてきました。しかし、今や、完全にその王者の座は、ウイルスに取って代わられようとしています。これからどれほどの歳月、この戦いを強いられるのでしょうか。

それはわかりませんが、勝利するまでの忍耐力と新薬開発の歴史は、インフルエンザとの戦いに学ぶべきものが多いと思われます。インフルエンザワクチンの完成までに、治験と犠牲が繰り返された20世紀の人類がウイルスと戦った記録として歴史に残る最大の事件はスペイン風邪です。スペイン風邪は1918年からパンデミックを引き起こしました。

丁度、第一次世界大戦が始まったころから、インフルエンザA型ウイルスの大流行が始まり、その感染者数は全世界で6億人、死亡者の数は4千万人にのぼりました。パンデミックは約2年以上続き、その感染者の症状は凄まじく、第一次世界大戦の終息は、インフルエンザのおかげだとさえささやかれたほどでした。

わが国でも、約2300万人が感染し、約38万人が死亡したという記録が残っています。まさに、人類の存亡の危機だったのです。このインフルエンザA型のワクチンの研究は、その後多くの学者によって試みられました。しかし、ようやくワクチン第一号が登場したのは、パンデミックから15年も経ってからのことでした。

しかも、ワクチンの副作用は強く、接種者の10〜20%に、発赤、痛み、発熱、倦怠感などが現れました。さらに末梢神経が冒され、痛みやしびれ、あるいは脱力感が強くなるギラン・バレー症候群、喘息発作、脳症、紫斑病で悩まされる人も多かったといいます。

また、アナフィラキシーショックも起こり、今と同じように、当時の人も接種するかしないかと非常に悩み、苦しんだようです。その後、ワクチンには改良がくり返され、やがて画期的な副作用対策が発見されました。エーテル処理によって、ワクチンの脂肪成分の除去に成功したのです。

その結果、ワクチンの安全性は高まり、実用価値がぐんと上がりました。このように、安心してワクチンを打つことができるようになるまでには、スペイン風邪の流行時からなんと50年もかかったのです。コロナワクチン3回目打ちますか。医者の私が接種しない理由。医学博士・志賀貢/幻冬舎、参考。

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