※画像は憲さん邸近くの新田公園のベンチ。ほぼ全てのベンチにこのように仕切りがある。
「しっかりと自分のものになり切った強い精神の動きが、本当の意味で思想と呼ぶべきものだと考える。」
小林秀雄
参考
↓
【小林秀雄】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E7%A7%80%E9%9B%84_(%E6%89%B9%E8%A9%95%E5%AE%B6)
憲さん先日、仕事が暇な時期を利用して区の胃ガン検診に行った。
江戸川区は50才以上になると、胃ガン(バリウムか胃カメラ)、大腸ガン(検便)、肺ガン(エックス線、検痰)、口腔ガン(視診)が無料(胃カメラは各年)、あと定期的に前立腺ガンの検診も無料である。
さすが江戸川区!
みなさんも50才過ぎたら自治体の無料検診にいったほうがいいよ!
そして、先日はバリウムを20年以上ぶりに飲んだけれど相変わらず不味いよな〜。
さらに、機械に乗せられジェットコースターみたいに身体逆さまにされたりして大変だったよ。
その上翌日は真っ白な
が出たけどすごく固くて出すのが大変だった。
(´Д`)=*ハァ〜
結果は一ヶ月後だって!
何でもなければいいのだが・・・。
ところで、その検診の帰り西葛西で検診終了記念で昼から一杯やろうと店を探してたらばったりと、やはり仕事が薄くて休みになった同僚のSくんに会った。
そこで一緒に昼飯を食べようってことになって、焼肉屋入った。
で、一通り昼食を食べ終えてS君が帰った後も憲さん一人で焼肉屋で飲んでいたのだけれど、そしたら若いアンちゃんのバイトにホールが変わって、そいつがすごい横柄なのよ。
で、憲さんがトイレにいった間に食べかけの肉を片付けてしまったから頭にきて、何で片付けるんだってことになってバチバチなの。
それから憲さんも酔ってたこともあって口論になって大騒ぎよ。
(´Д`)=*ハァ〜
それから自宅まで帰ろうとしたのだけど迷子になってどう帰ったか覚えてないのよ。
そしてその途中、迷子になったから酔い醒ましにベンチで横になろうとしたんだけどするとベンチの真ん中に出っ張り(仕切り)があって寝られないのよ!
Σ( ̄□ ̄;)ハッ!
何よ!これ!
・・・と、これからが今日の本題ね!
憲さん、ムシャクシャしてることもあって「文句言ってやる!」と区役所に電話したら「水とみどりの課」というところに繋がって若い男性職員Aが出たから、「誰の許可とってこの出っ張りつけてるんだ?これじゃ横になれないだろ!この出っ張りとれ!」って電話で怒鳴っていたようだ。
翌日起きてうっすら記憶がある。
(´Д`)=*ハァ〜
と、翌日も休みで部屋でゴロゴロしていると電話が鳴って出てみると江戸川区の「水とみどりの課」の年配の係長Bからであった。
昨日、酔っ払って電話したことの文句を言われると恐る恐る話を聞いてみると、昨日のベンチの仕切りの件で電話をかけたとのことである。
憲さん、にわかに昨日の記憶が甦りメラメラと闘志がわいてきた。
電話でひとしきり話をしたが平行線なのでその日会って話をすることにした。
当日、葛西区民館で待ち合わせする。
時間通り係長のBと係員のAが連れ立って本庁から来ていた。
挨拶もそこそこ、区民館前の長島一号公園に行く。ここにはベンチか多数あるがことごとく真ん中に仕切りがつけられている。
このベンチを前にして憲さんが問題にしたのは酔った当日係員Aの言ったこの発言である。
再録しよう。
憲さん「何でこんな仕切りがベンチの真ん中にあるんだ!これじゃ邪魔で横になれないだろう!」
係員A「それは浮浪者対策です・・・」
これが全てである。
公園のベンチから所謂(いわゆる)ホームレスを排除するためにこのベンチの仕切りはわざわざこの分の予算もつけて設置されているのである!
係長Bに尋ねるとこれは昭和の時代、公園利用者の多数の要望とさらに全国的なそのような動きに乗り、区でもほぼ全てのベンチに仕切りを設置することになったのだそうだ。
ちなみにそれは当然予算を伴う(仕切り付のほうがそれがないベンチより高価である)がそれを区議会で議論したことはない。
以下、憲さんの立論である
・「浮浪者対策」というが、ではホームレスは公園のベンチを利用してはならないのか?
・「浮浪者等が横になり独占するのを物理的に防止する」と言うが例えば夜間誰も利用する者がいなければそのような利用も認められるべきだ。
・また、ホームレスでなくても天気のいい休日等、区民が他の利用者に配慮しながらベンチで横になって読書するなどの利用も想定するべきだ。
・また緊急時、例えば急病人や怪我人等が発生した場合、ベンチで横にするということも考えられるがこれではそれもできない。(憲さんの場合がこれに当たる!)地べたに寝かせろというのか?
・鉄道等、私有地で私設のベンチであれば使わせてもらっている人がとやかく言う問題ではないが、公園のベンチはこと公有財産である。ならば予算の発生する仕切りの設置も議会を通して決めるべきである。「民主的手続き」を踏んで決まったなら仕方がないということも考えられる。
・そもそも「浮浪者対策」というが葛西にそのようなホームレスの人たちが現在存在しているのか?ほとんど見かけない。
・それに、その「浮浪者排除」という考えも「昭和の思想」であり現在は人権意識も高まっている。
そもそも、ホームレスの人を行政は排除するのではなく適切に保護し生活支援するのが筋ではないか?
・去年の11月に幡ヶ谷のバス停で寝泊まりする女性が殺害された事件も、その背景には「浮浪者排除」の冷酷な差別思想がある。これも同根の問題だ。
参考
↓
「幡ヶ谷のバス停で寝泊まりする女性を襲った悲劇 周囲が気にかける中で・・・東京・渋谷の暴行死事件」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/72648
・この仕切りを見るとその差別思想が滲み出ていて耐えきれない。
あれがあると江戸川区の人間は「差別意識を持った人たちなんだ」という目で見られそうだ。
江戸川区全ての公園のベンチの仕切りを撤去してほしい。
少なくとも自分の住む近くの公園からはなくしてもらいたい。
・予算的に無理と言うのなら私がボランティアで撤去する。それを認めろ!
結論
・ベンチの仕切りは弱者排除の差別思想そのものである。
江戸川区全ての公園から撤去せよ!
以上!
これを聞いていた若い係員のAは大きく頷いてくれた。
憲さんの迫力と正しさに「この人はただの酔っぱらいではないな!」と感じ入っていたようである。
さすが憲さん!
結論として以上を確認した。
・現在新しいベンチは仕切りのないものにしている。
・全部のベンチの仕切りの撤去は予算や人員の問題ですぐには出来ない。
・ボランティアがそれをすると言うのも安全性から認めるわけにはいかない。
・しかし、今回の意見を参考に仕切り撤去を前向きに考えていきたい。
以上、約束してくれたので憲さんも納得して別れた。
公園のベンチを初冬の夕日が暖かく照らしていた・・・。
冒頭の著名な批評家、小林秀雄の言葉
「しっかりと自分のものになり切った強い精神の動きが、本当の意味で思想と呼ぶべきものだと考える。」
小林秀雄の評価は別として、憲さんのしっかりと自分のものになり切った強い精神は、酒に酔っていても激しく自身を突き動かし、本当の意味での血肉化された「思想」となっていることを改めて確認出来た一日であった。
憲さんの闘いはこれからもまだまだ続く・・・。
どーよっ!
どーなのよっ?
追伸・本日12月14日にこの件を投稿した憲さんの投書が東京新聞の発言欄に「人に優しいベンチ望む」という題で掲載されました。(末尾画像参照)
以下は東京新聞に投書した文章の推敲前の原案
先日、私の住む町を歩いていたら突然気分が悪くなり、ちょうど公園があったのでベンチで休もうと思いました。
座っているだけでも苦痛なので横になろうとすると、横長の全てのベンチの真ん中に高さ15センチくらいの仕切りがしてあって結局横になれませんでした。
幸いその日はすぐに治ったので帰宅できました。後日、区役所に仕切りの理由を尋ねたら「浮浪者対策」とのことでした。
しかし、そもそも私の町でそのような人たちは見かけませんし、いたとしてもベンチに仕切りをしてまで排除すべきなのでしょうか?
担当の人は「昭和の時代にそのような住民の要望があり、全国的にそのような対策をとっている」と言っていました。
しかし、これでは私のような緊急の場合には横になれず何とも人に優しくありません。それにホームレスの人たちに対する行政のするべき対策はベンチに仕切りをつけることではないのではないでしょうか?
私はこれからは全ての人に優しいベンチが町に増えるのを希望します。
以上
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