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2021年11月27日09:37

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『殺人の追憶』

 ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』について、そんなに分量はないのだけど、ネタバレを含むので、つぶやきではなく日記に書くことにします。

 とりあえず、脈絡もなく沢尻エリカの『ほろよい』のポスターの画像なんかを挟んでおきましょう。

フォト


 以前、たしかSTARCHANNELの無料放送で見た時に、最後の容疑者をトンネルの前で追い詰め、「おまえが殺したんだろ」という追及への返事が「ああ、そうだ」だったと記憶している。それを見て、「認めたんだ」と思ったのだった。
 ところが、先日のBS12での放送では当該の台詞の字幕は「俺がやったと言わせたいのか」だった。微妙なようだけれど、たしかに違う。韓国語ではどう言っているのか、それがどういうニュアンスなのか、気になるところではあるけれど、限りなく黒に近い容疑者にようやくたどりついたのに、決定的な証拠が挙げられず取り逃がした、と思っていたけど、やっぱり、最後の最後にまったく別の真犯人の存在が暗示されて主人公も視聴者も、「えっ」と虚を突かれたまま映画は唐突に終わるという流れからすれば、いずれの解釈もありうるという感じはする(長い文章になってしまって申し訳ないけれど、どこで切ればいいのか、自分で書いているのにさっぱりわからない)。
 このあたりの突き放し方が、いかにもポン・ジュノ作品で、まったく腑に落ちるところのないまま放り投げられて終わる。

 1990年前後の実際の事件をもとに製作された2003年の映画で、そのずっと後、2019年にDNA鑑定と自白で真犯人が特定されたが、すでに時効を迎えていたため、起訴はできなかった。その犯人は、1994年に義理の妹への強姦殺人で収監されているので(無茶苦茶である)、映画を見ていないはずであるけれど、とにかく異様な事件であって、それに相応しい変な感触の映画といえる。

 ついでに少しだけ、同じポン・ジュノ監督の『母なる証明』にも触れておく。ちょっと前にこの作品について胸糞映画という評があるのを知って、なんだか意外だった。冒頭の親バカぶりからしても、あの判断はむしろ、当然すぎて個人的には拍子抜けな気がしたくらいではあった。たしかに今は法令順守がやかましく言われるご時世ではあって、コンプライアンス違反はネットで袋叩きにされる。もちろん、法律を犯して堂々としているのも問題だけど、そういう時代なんですなと思った。
 それでも、息子のしでかしたことの大きさと、やっぱり、見なかったことにすることへの呵責をどうにか飲みこんで針を打つことに、ラストのシーンでは焦点が当てられているように見えた。

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