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2021年11月11日22:48

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徒然読書日記21-42《緑衣の女/アーナルデュル・インドリダソン》




《緑衣の女/アーナルデュル・インドリダソン》
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シリーズ第2弾。
舞台は世界最北の首都アイスランドのレイキャビクです。
幼児がおしゃぶりしていたものが実は人骨だったという、
衝撃的な始まりで物語は幕を開けます。
骨は郊外の造成地に埋まっていたものなのですが、
数十年前のものと思われ、
事件性があるものなのかどうかもわかりません。
その後の捜査は淡々と進んでいきます。

物語は第二次大戦のころの出来事と、
現在の場面とが交互に描かれ、
次第に真相が明らかになっていきますが、
そこに描かれているのはやりきれなさを覚えるものでした。
同じようなことはいまも世の片隅で繰り返されています。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。
この物語では
戦争が暗い影を落としていることは否めませんが、
かといって戦争がなければ
この事件は起こらなかったとは思えません。
人間はだれしも、どこかに暴力性を秘めていて、
その性に逆らえないのかもしれませんね。

捜査官も含め、
登場人物の多くは重荷を背負って生きている人たちです。
誰もが生きているかぎり、
多かれ少なかれ荷を背負うことになります。
年齢を重ねるごとに荷が軽くなる人もなかにはいるでしょうが、
多くの場合は荷が増え、重さが増していくことになります。

読んでいて辛くなるほど悲惨な物語ではあるのですが、
本作は英国推理作家協会が主宰するCWAゴールドダガー賞と、
国際推理作家協会北欧支部のスカンジナヴィア推理作家協会が
北欧5ヶ国の最も優れた推理小説に贈る文学賞である
ガラスの鍵賞を受賞しただけあって、
ストーリーは二転三転、予想を裏切る展開をみせ、
ついつい惹き込まれてしまいます。



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