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2021年11月11日16:19

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憲さん随筆アーカイブス 憲さんサイエンスシリーズ! 旧暦2033年問題をご存知ですか?

フォト


※画像は本著

「今日は旧暦でいう『大暑』です。さすがに暑かったですね。」

以上の日本語のフレーズに間違いがあるのをお分かりだろうか?

これは、よくテレビのアナウンサーや気象予報士なども使うフレーズなのだが、間違っているのだ。

それは、二十四節気を旧暦、すなわち太陰太陽暦だと思い込んでいることである。

確かに「大暑」や「立春」など、二十四節気は旧暦に採用されている指標ではあるが、二十四節季は太陽暦そのものなのである。

参考

【太陽暦】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E6%9A%A6#:~:text=%E5%A4%AA%E9%99%BD%E6%9A%A6%EF%BC%88%E3%81%9F%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%86%E3%82%8C%E3%81%8D%E3%80%81%E8%8B%B1%3A,%E3%81%8C%E3%81%93%E3%82%8C%E3%81%A8%E3%81%AF%E7%95%B0%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%80%82

どういうことか?

純粋な月の朔望を基準とした太陰暦だと、一年で11日太陽との周期がずれていくために、正確に季節が把握できない。

参考

【太陰暦】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%B0%E6%9A%A6

よって、太陽の軌道(黄道)15度ごとに、設定された指標が二十四節気である。

参考

【二十四節気】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E5%9B%9B%E7%AF%80%E6%B0%97

そして、この二十四節気を基に陰暦の月を決めたり、閏月をいれたりして作成するのが太陰太陽暦である。

参考

【太陰太陽暦】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%AA%E9%99%B0%E5%A4%AA%E9%99%BD%E6%9A%A6

よって、二十四節気の概念そのものは太陽暦なのだ。

なので、厳密にいうのであれば、二十四節気とは太陽太陰暦で用いられた太陽暦的概念なのである。

それが証拠に現在の太陽暦において、二十四節気の日付はほぼ一定なのだ。(閏年の関係で1〜2日ずれる場合はあるが)

くどいようだが、それは太陽の軌道上の位置で決まるのだ。

だから大暑は当然暑いし、春分と秋分は日と夜の長さが同じだし、夏至は日が一年で一番長いのである。

極めつけはこの記述である。

それはNHKの気象予報士半井小絵(なからいさえ)さん(憲さんこの人好きなんだな〜ハート)が著した『お天気彩時記』にある。

参考

【半井小絵】
https://www.nhk-p.co.jp/kikaku/kouen/ba10.html

『半井小絵のお天気彩時記』
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784167801106

「冬ごもりをしていた虫たちが穴から出てくるころ、それが啓蟄です。(中略)実際虫が活動するのは4月の声を聞いてから、(中略)旧暦ならドンピシャリ。現在の暦では、本当の啓蟄(3月6日の※憲さん注)は1ヶ月ほど先なのです。」

参考

【啓蟄】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%95%93%E8%9F%84

あの、気象予報士の試験を合格した麗しの半井さんですら、こんなとんでもない間違いをしでかし、活字にしてそれが校正されずに出版されてしまうのです。

啓蟄というのは太陽の黄経345度にあたる3月6日に当たり、それは1ヶ月も先には動かしようもないのである。

おそらく、彼女は現在の冬至を起点とする新暦と、立春を起点とする旧暦には、そのスタートが1ヶ月余り差があることと勘違いして、こう著述してしまったのだろう。

くどいが、もう一度いう。

旧暦の指標である二十四節季はあくまでも太陽暦を基にしているので、現行の新暦でもほぼ固定された日にちを示すのである。

しかし、このような間違いは、相当な見識のあるキャスターや識者でも誤認している場合がよくあるのだ。

憲さん、実は暦マニアハート

というのも、以前にも書いたと思うが、句作したり、歴史を学ぶ上で暦、さらには旧暦に対する知識は必要不可欠だからである。

しかし、私たちはその教育において、旧暦の知識はおろか、新暦に対する知識も体系的に学んではこなかった。

よって、暦と密接に関わる気象予報士ですら、旧暦についてあのような勘違いをしてしまうのだ。

そこで、憲さん以前から「暦」についての本を図書館で借りては読んではみるのですが、それは大体が暦学や天文学の先生が書く本なので、内容が天文学的で大変複雑で途中でわからなくなるのがオチでした。

そして、先日私の要求にピッタリ合致する本を図書館で見つけたのです!

その名も!

『文科系のための暦読本!』

参考
『文科系のための暦読本―古今東西の暦の「謎」を読む』
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784779110436

これを書いた上田雄(たけし)先生、実は中学、高校の社会の先生で歴史が専門らしい。

参考

【上田雄】
https://d.hatena.ne.jp/keyword/%E4%B8%8A%E7%94%B0%E9%9B%84

そして、この本を著した理由がこうである。

「旧暦の知識が必要な歴史分野や国語(古文)に携わる研究者、学校の先生方、学生が現行暦と旧暦との差異についての正確な知識を全く持ち合わせていない。」

Σ( ̄□ ̄;)ハッ!

まったく、憲さんの問題意識と同じではありませんか!

わたしも、旧暦に対する、いや暦に対する知識はほとんどなく、それにより歴史を深く理解するのを妨げられていると感じていたのです。

さらに、この著者は旧暦の盲目的礼賛には、それが非科学的であると警鐘を鳴らしている。

その例が朝日新聞で掲載された以下の文・・・

「閏月が入る年は、春、夏、秋、冬のどこに閏月があるかで、その季節が長くなる」という解説である。

これが、どれだけ非科学的なのかは是非本書を読んでいただきたい。

著者はこれについては、「非科学的を通り越して、漫才のネタ」であるとまで言っている。

朝日新聞って・・・

(´艸`)くすくす

というように、この本は私の現在における「暦」に対する疑問や興味にほとんど答えてくれるものであり、座右に置くべきものと認定しました。

今度ぜひ購入したいです。

長くなるので、最後に私が特に興味深く読んだ章の目次だけでも紹介します。

・グレゴリオ暦の制定

・ユリウス暦の残骸−露暦の源

・旧暦時代の暦はどうして作られたのか

・宣明暦の時代−日本での太陽太陰暦の歴史

・天保暦もどきの旧暦の行き詰まり

・旧暦の命運は2032年で尽きる(旧暦2033年問題)

・暦は政治の産物であり、道具である

・元号が生きている唯一の国、日本

・暦は国家なり−他国の暦は使えない。

特に旧暦の2033年問題はそういう事実はあると知っていましたが、よくわかりました。

参考

【旧暦2033年問題】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A7%E6%9A%A62033%E5%B9%B4%E5%95%8F%E9%A1%8C

これについても、本書を是非読んでください。

大変興味深いです。

さすが、歴史の先生が書かれた価値ある科学書。

大変参考になりました。

上田先生に感謝!

どーよっ!

どーなのよっ?
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