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2021年11月11日08:21

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憲さん随筆アーカイブス 『復刻!憲さん温泉漫遊記』 幻の温泉探検記 草津常布の滝下温泉の巻!

フォト


※画像は常布の滝

※この随筆は2008年9月28日に執筆したものに加筆訂正しました。

※この随筆は憲さんが2008年9月27日(土)〜28日(日)に草津温泉ホテルおおるり(草津)に友人と宿泊したときに単独で行った秘湯探検記です。

野湯(のゆ)。

温泉マニアにはたまらない響きである。

それは温泉が自然に自噴しており、その源泉を利用した商業施設が存在しない湯船を指す。

宿の露天風呂とは全然違う。

憲さん、これまでいろいろな野湯に入ってきた。

参考

【野湯】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%87%8E%E6%B9%AF

川原を掘ると温泉の湧く川湯温泉や切明温泉。

参考

【川湯温泉】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E6%B9%AF%E6%B8%A9%E6%B3%89_(%E5%92%8C%E6%AD%8C%E5%B1%B1%E7%9C%8C)

【切明温泉】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%88%87%E6%98%8E%E6%B8%A9%E6%B3%89

川そのものが温泉の尻焼温泉

参考

【尻焼温泉】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%BB%E7%84%BC%E6%B8%A9%E6%B3%89

滝壺が温泉の川原毛大湯滝

参考

【川原毛大湯滝】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B7%9D%E5%8E%9F%E6%AF%9B%E5%A4%A7%E6%B9%AF%E6%BB%9D

海に温泉が湧く地鉈温泉

参考

【地鉈温泉】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%B0%E9%89%88%E6%B8%A9%E6%B3%89

等々。

日本は温泉大国だけあっていまだにこのような野湯が各地に多数存在している・・・。

2008年9月27日昼の12時半、定時に送迎バスは草津の宿、ホテルおおるり(草津)に到着した。

参考

ホテルおおるり(草津)
https://www.ohruri.com/hotel/768.html

チェックインを済ませ、憲さんたちは宿に荷を解く。
秘湯探検に興味のないゴロゴロ組の二人を残して憲さん、秘湯に向け宿を一人で出発したのが13時。タイムリミットは日没18時まで。残り5時間である。

憲さんが今回目指すのは草津町と六合村(くにむら)の境、廃湯香草温泉の下流に位置し、人里離れた山深い場所にひっそりと存在する常布の滝下温泉である!

参考

【香草温泉】
https://tori-kara.hatenablog.com/entry/miracle

【常布の滝下温泉】
https://www.b-gunma.com/jouhunotaki.php
(これは、最近2021年の記録)

ここは温泉マニアなら避けて通れない草津山奥の野湯である。 ガイドブックでは常布の滝展望台まで草津温泉街から往路1時間50分、復路1時間25分、計3時間15分である。入湯の時間をいれても余裕がある。

よし!行くか!

宿を出て西の河原を突っ切り暫くは舗装された車道を歩く。

参考

【西の河原公園】
https://tabi-mag.jp/gu0062/

谷沢川を渡ると山道を左に入る。雑木林の中のなだらかな快適な勾配の山道を登る。痩せ尾根を過ぎると舗装された廃道に出るがそれもすぐにダートに変わると常布の滝展望台に着く。

参考

幻の常布の滝 展望台より望む
https://youtu.be/4531akfirpY

ここまで1時間、ガイドブックより早いまずまずのペースだ。 展望台から見渡すと遥か谷を隔てた先に日本百名瀑の一つ常布の滝が霞んで見える。

参考

【日本百名瀑】
https://loconavi.jp/lists/98

【常布の滝】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%B8%E5%B8%83%E3%81%AE%E6%BB%9D

ガイドブックをみる。

なになに〜?

常布の滝下温泉はその名の通り、滝壷の下流に位置している。よって、少なくとも滝に近づき、滝壷までは行かなければならない。

しか〜しっ! 

滝は遥か谷の向こう、それも断崖に張り付いている。どうやって行けばいいのだろう?不安がよぎる。

展望台はそこで行き止まりでそこから谷に下る道はない。ならば本道に戻りさらに進むしかない。

すると、程なく常布の滝への分岐が現れた!

が、しかし!そこには「ここから先、急峻な山道で上級者向け、充分な装備が必要」と看板に書かれている。

大丈夫だろうか? 不安が頭をよぎる。

しかし、ここで引き返しては温泉マニアの名がすたる!道程が片道30分とあるのに背中を押され、「え〜い!ままよ!」と突き進んだ。

確かに急な道である。谷の斜面を巻きながら下る。ちなみに今までの道程で人に会ったのが本道で一人。これが最初で最後に見掛けた人であった。すなわち、この常布の滝に向かう道においては、日曜日ではあるが、午後にこの急峻な行き止まり山道を通る酔狂な御仁は私一人だけなのである。

岩と崖が行く手に現れ、倒木が道を遮る。そんな中を悪戦苦闘しながらもどうにか滝までたどり着いた。

人里離れた山中に見上げる滝は不気味である。 下から見ると崖の中腹の穴から勢いよく水が吹き出しているようにも見える。

しかし、そんなに滝ばかり構ってはいられない! 早く温泉を探さねば! 到着が14時45分、せめて15時半にはここを出たい。

さっそく滝壷に近づいて温泉を探す。物の本によるとその温泉、本滝から少し下った小さな滝の脇に祠状の横穴があり、そこにコンコンと湧いているのだそうだ。

よって本滝の滝壺にはそれらしきものは見当たらない。少し下流に目を向けると確かに小さな細い滝がある。

「はは〜ん!この滝だな!」

そう思い近づいて滝壺周辺を目で追うが件の祠らしき横穴が見当たらない!

うんにゃ??? どこだ?

時間は刻一刻と過ぎていく。下手に時間が過ぎると日没が迫り遭難の危険が高まる。

焦る!

手掛かりは我が温泉の師匠、郡司勇氏の『一湯入魂温泉』だけであるが、その位置については極めてアバウトな説明しかない。

参考

『一湯入魂温泉』
https://bookmeter.com/books/917228

【郡司勇】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%83%A1%E5%8F%B8%E5%8B%87

もう少し下流か? 危険をおかして沢を降りてみる。

無い!無い!

どこを探してもそれらしき祠、洞窟、温泉がない!

ついに小さな崖の上部までたどり着いたが、それから先は進めない。

腕時計を見ると15時半。タイムアップ!時間切れである。

(´Д`)=*ハァ〜

敗退。

完全な敗北である。

一気に疲労感が襲う。

うちひしがれ涙がこみあげる。

そこからどう帰ったか覚えていない。夕暮れ迫る山道をただうなだれて歩いていた。

今回の敗北は明らかに事前の調査不足。それに詳細な地図も用意していなかった。

野湯を甘くみていたのかもしれない。それと時間不足。もっと余裕をもっての野湯行にしなければなるまい。

今回の敗北を一つの糧として、この幻の温泉には是非再チャレンジをしてみたいと思う。

そう考えながら今、草津から東京の家路に着いている。

温泉万歳!

そして、ネバーギブアップ!

憲さんの温泉に対するあくなき挑戦はこれからも続く。

終わり。

どーよっ!

どーなのよっ?

※2021年現在、でネットで調べたら、この野湯は常布の滝から沢沿いに約30分下ったところにある小さな滝の裏にあるようです。
いわゆる「裏見の滝温泉」のようです。
(前出サイト参照)

※今回記事で取り上げた「常布の滝下温泉」へのルートは現在閉鎖されているようです。展望台からは相当深い藪こぎになるようです。
また、熊も出没するようです。
もし行かれる場合は自己責任で。
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