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2021年10月15日17:24

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ミス・マルクス(Miss Marx)

 19世紀を代表する哲学者、経済学者カール・マルクスの末娘で、女性や子ども、労働者の権利向上に生涯を捧げた活動家エリノア・マルクスの激動の半生を、パンクロックに乗せて描いた伝記ドラマ。1883年、イギリス。最愛の父カールを亡くしたエリノアは、社会主義者の劇作家エドワード・エイヴリングと出会い恋に落ちる。しかし、不実なエイヴリングヘの献身的な愛は、次第に彼女の心を蝕んでいく。エリノアは時代に先駆けた女性活動家として活躍しながら、苦悩に満ちた愛と政治的信念の間で引き裂かれていく。「エンジェル」のロモーラ・ガライが主演を務め、「戦火の馬」のパトリック・ケネディがエイヴリングを演じた。2020年・第77回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に出品され、FEDIC賞とベストサウンドトラックSTARS賞を受賞。(映画.comより)







<2021年10月11日 劇場鑑賞>

 歴史で習うカール・マルクスに、伝説の娘たち(3姉妹)がいるのを知らなかった。この映画では、特に目立った活動家だった末娘を主人公に据えています。言葉で説明されるだけですが、一人の姉は子供3人を失い、もう一人の姉はどうやら精神を病んでいる感じでした。10代から父親の秘書を務めた気丈で聡明な末娘だけが、生涯を社会運動にささげたようです。あの時代に、児童の労働に反対し、女性の権利を主張した彼女は、父親の七光りで守られることも多かったようですが(なにより経済的に恵まれていたことが大きいと思う)、「子供は貴重な労働力じゃないか」と真っ向から男性に詰め寄られるシーンも描かれます。やはり、女性でありながら教養を授けられたエリノアは、恵まれていたのでしょうね。もちろん、本人も聡明だったからこそですが。

 しかしながら、これほど聡明な女性でありながら、人間って難しいですね、だめんずに尽くしきるのです、生涯。財産も全部喰われつくされ、女遊びも絶えず、自分は結婚してもらえないのに、同棲しながら違う女と結婚されたりする。元々既婚だったのですが、奥さんが亡くなった後、知らない間にすごく若い子と再婚していたのです。劇作家としてのペンネームで。もちろん、ペンネームでは正式な書類にはなりえません。要するにその若い女性も騙されていたわけですが、ことほど左様に、女にもお金にもだらしないわけです。真の友人は「彼と一緒にいてはダメ」と忠告してくれるのですが、「愛しているの」。そう、愛していたのですね。いや、ひょっとして”愛している、と信じたかった”のかもしれません。私だって人を愛せるのだ、と。

 バックにパンクロックが流れていることは、私はあんまり気になりませんでした。それほど、ロモーラ・ガライの存在感は強く、ミス・マルクスの主張はいちいちもっともだったからです。

 しかし、こういう類の映画を見ると、いつも思うのです。先進国では、児童の労働こそなくなりましたが、女性・男性を取り巻く環境や生きづらさって、改善されてはいるんだろうけれど、あんまり変わってないよな、って。一生懸命活動したミス・マルクスには申し訳ないですけど。


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