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2021年09月11日10:55

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(´Д`)=*ハァ〜 そうですか。読書備忘録 片山杜秀著『尊皇攘夷―水戸学の四百年』

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※画像は本著

片山杜秀著『尊皇攘夷 水戸学の四百年』読了。

450ページを越す大部。

東京新聞の書評欄に掲載されていたので図書館で借りる。

一回では読み切れず2回借りる。

参考

尊皇攘夷 水戸学の四百年 片山杜秀(もりひで)著
◆「美しい理想」へ先鋭化
[評]長山靖生(文芸評論家)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/112902

「尊皇攘夷」書評 今また勢いを増す 正義の思想
評者: 石飛徳樹 / 朝⽇新聞掲載
https://book.asahi.com/article/14386090

幕末から現代までの政治思想を読み解くため、特に「国体論」を理解するために「水戸学」の知識は必須と考え、この間水戸学についての文献を読んでいる。

以前、憲さんは憲さん随筆で水戸学についての触れている。

参考

「日本を破壊した「水戸学」の源流 会沢正志斎の民衆蔑視」
https://hatakensan.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-6e94b7.html

ここで、憲さんは当然ながら水戸学に対して批判的な視点で随筆を展開している。

特に水戸学の基礎を作り出した会沢正志斎についてこう書いている。

以下、憲さん随筆引用。

国家統合のための民衆教化の手段として、神道の力に依存しようという会沢の発想の根元には、西洋社会の誤った分析と共に、民衆への絶望的な不信感があったのである。神道を前面に押し立てなければ民衆など統治できまいと思い上がった会沢の思想そのものが、以降の日本の民衆を塗炭の苦るしみに追いやった元凶なのである。

この会沢の思想はまさに明治政府が強行した「王政復古」という前近代的な古代国家への回帰志向であり、日本の近代化の形を大きく歪める結果にしかならなかったのである。

以降の日本の歴史の不幸はこの会沢正志斎という一人の男の「狂気」と「策謀」から始まったと言っても過言ではないのだ!

そういう意味では、前回憲さん随筆で述べた「松平忠固」とは正反対の意味で歴史の俎上にのせ、断固として断罪せねばならないのである。

この、会沢正志斎の思想が水戸藩主「烈公」こと徳川斉昭の狂気と共鳴することにより、その後の日本の歴史の歯車は民衆にとって、坂道を転がる、否、崖から転落する方向へと転じていくのである。

この会沢から連なる藤田東湖→天狗党→桜田門外の変→吉田松陰→幕末の薩長のテロリスト→大日本帝国陸軍皇道派の「国体思想」はこれからも折に触れ憲さん、徹底的に批判していかなくてはならないと考えている。

それこそが、歴史から学び同じ過ちを繰り返さない現代を生きる者の使命ではないだろうか?

憲さんはそう考え使命に燃えている!

以上、引用終わり。

今回のこの『尊皇攘夷』の読書もこの使命感からのチョイスであった。

結論から言うと、この本憲さんにとってはつまらなかった。

その根本的要因はこの著者がこの著作の最後に「そして、本書をもう約20年住んでいる常陸の国に捧げます。」と書いているように少なからず旧水戸藩の所領に対する思い入れがあるからだろうか?

水戸学と水戸藩に対して同情的かつ好意的に書いていることから来ているのであろうか?

あの、元「傾奇(かぶき)者」水戸藩二代藩主の徳川光圀のことも「天下の副将軍」との呼称で呼んでいることからもわかる。

確かに、書評にも以下のようにある。

以下、書評引用。

片山さんの博学ぶりは本書でも全開している。北畠親房の「神皇正統記」などは当然のこと、メルビルの「白鯨」や近松門左衛門の「国性爺合戦」、小津安二郎の「秋刀魚の味」までが動員される。文体が時折講談調になったりして全く飽きるところがない。
 
以上、引用終わり。

確かに、巻末の参考文献を見るとその量は膨大である。

しかし、憲さんはこの本を読んでいて全くもって「飽きてしまった。」

「(´Д`)=*ハァ〜 そうですか。それはいろいろ調べて、よく知っていますな。」といったところ。

何故か?

この著作には「水戸学」についての歴史的価値判断の視座がないからではないからか?

憲さんは「水戸学」に対しては日本の近現代史における「犯罪的役回り」に対する怒りと怨念がある。

あの荒唐無稽な水戸学の「呪術」により現在の腐敗した日本があるのだと言う確信がある。

しかし、この著者は水戸学に肯定的でも否定的でもよいのだが、その視座が抜け落ちている感じをいなめないのだ。

水戸学にまつわる「トリビア」を披瀝して、自己満足に浸っているといった感じであろうか?

憲さんからはこの著作は「学者様の遠大なる余戯(よぎ)」に見えてしまった。

ということで、この著作について私は多くを語る言葉を持たない。

なので、ここに「書評」を掲載することで、憲さんにとっての「読書備忘録」にかえたい。

参考(版元書評)

「尊皇攘夷―水戸学の四百年―
片山杜秀/著」
東野英治郎「黄門さま」の遺伝子の突然変異
平山周吉
https://www.shinchosha.co.jp/book/603868/

水戸学について、徹底的に批判的に考察した文献を読んでみたいものだ。

どーよっ!

どーなのよっ?
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