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2021年09月03日23:44

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憲さん随筆アーカイブス 『お言葉』の威力、恐るべし! 白井聡著『国体論  菊と星条旗』を読んで「国体」について考える

フォト


※画像はくだんの記事

※この随筆は2018年5月26日に書いたものに加筆訂正しました。

皆さん白井聡っていう政治学者を知っていますか?

参考

【白井聡】https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E4%BA%95%E8%81%A1

最近『国体論 菊と星条旗』って新書を出した学者です。

参考(書評)

『国体論 菊と星条旗』
https://allreviews.jp/review/2460

憲さんは東京新聞の文芸コラム「大波小波」にも何回か紹介されていたから名前と新刊本は知っていたけど、中身までは読んでないし、既刊本も読んだことないから知らなかったんだけど、最近話題みたいだ。

憲さんそうとうの年配の学者かと思ってたらまだ40才だって!

『永続敗戦論』とかデビュー作は『未完のレーニン』とかで、マルクスやレーニンの思想を高く評価しているそうだ。

参考

白井聡著『未完のレーニン』
https://booklog.jp/item/1/4062583879

その人の記事が19日(2018年5月19日)の東京新聞夕刊に出たから興味深く読んだよ。

彼は『国体論』の中で戦後の「国体」という病根は日本に特殊な対米従属構造だと言っているみたいだが、どう思う?

ちなみに、憲さんは学生時代は対米従属論には否定的でしたが、いまやバリバリの対米従属論者だからね。

(´艸`)くすくす

参考

【対米従属論】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%BE%E7%B1%B3%E5%BE%93%E5%B1%9E%E8%AB%96#:~:text=1961%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%85%B1%E7%94%A3%E5%85%9A,%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E9%9D%A9%E5%91%BD%E3%80%8D%E3%82%92%E6%8E%B2%E3%81%92%E3%81%9F%E3%80%82

でも、そもそも「国体」って何よ?

「国民体育大会」じゃないことは確かだね。

(´艸`)くすくす

以前憲さん随筆で、「国体」について、中島岳志先生の解説を引用したけど、それが以下ね。

「『国体』とは、日本という国を『万世一系の天皇』によって支えられてきた特殊な国柄と捉えるもので、戦前期には他国に対する優越的なナショナリズムの表現として使用された。」って、事でしょ?

参考

「憲さん随筆アーカイブス 貴乃花さん!『恭儉(きょうけん)己レヲ持シ』てますか? 相撲とナショナリズムを考える」
https://hatakensan.cocolog-nifty.com/blog/2021/05/post-7e49d4.html

じゃ、「戦後の『国体』」っていう表現は矛盾では?

ただ、記事の中のこの白井先生の主張は一つ一つが首肯できる内容だ。

曰く

「『思いやり予算』『トモダチ作戦』・・・。やたらと情緒的な言葉が多用され、類いまれな友情に結ばれた国だという美しい物語が語られる。その特殊性こそ問題だと考える。」

「冷戦終結以降、アメリカは日本を収奪の対象としてしか見ていない。にもかかわらず、支配の構造を否認する日本人の特殊な心理構造が支配を長引かせ、今日の閉塞状態を作り出している」

だと。

なるほどね、と思わない?

まー、「日本人の特殊な心理構造」だけだとは思わないけどね。

でも、本当に「日本人の特殊な心理構造」ってあるのか?

それがまさに安倍の対米政策、歴代自民党政権の対米政策をとらせてるってことか?

でも、それは日本人全てではないだろう?

今の沖縄県民なんかいい例だし・・・。

ただ、こうも書いているぞ。

曰く

「アメリカを頂点とする『戦後の国体』は、天皇中心の『戦前の国体』が再編されたものだというのが『国体論』の見立てだ。」

だと。

簡単にいうと、君臨するのが天皇からアメリカにかわり「国体」が「フルモデルチェンジ」したんだと。

こういうと、この学者の「国体」という概念そのものがよくわからんな。

以前も引用したが、そもそも「国体」とは・・・

以下、ウィキペディアの引用
(注!執筆当時。何故か今は書き換えられている! おそらく八木氏の定義が与太話過ぎて消されたのであろう・・・。)

参考

【国体】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E4%BD%93

「国体とは、八木秀次によれば“ある国の基礎的な政治の原則”。(←ほんとかよ?じゃ、アメリカは共和制の「国体」って表現するのかよ?八木秀次も相変わらず○○だな。)事実上、日本の事象に特化した政治思想用語であり、特に『天皇を中心とした秩序(政体)』を意味する語とされている。」

とあるから、その君臨すべき対象が天皇からアメリカに変わったらもはや、「国体」という概念は成立しないのではないかと思うのだが・・・。

彼は一般的に八木式解釈の「ある国の基礎的な政治の原則」という意味で「国体」という言葉を使っているのか?

まさかね・・・。

でも、もしそうだとしたら水戸学以降の「日本とは天皇を中心とした一つの道徳的実残の運動体(国体)」という概念とは変容しているのかと考えざるを得ないな。

で、記事には続けてこうある。

「冷戦終結で日本は(米国の)属国である合理的な理由を失った。にもかかわらず、どうやって自立して生きていいのか検討がつかないまま、対米従属の構造がつよまってしまった」だと。

Σ( ̄□ ̄;)ハッ!

なるほど!これはポスト冷戦の「国体」論なのね。
確かに憲さんの思考は対米従属を考えるにも敗戦〜米軍の占領〜サンフランシスコ講話条約〜日米安保締結〜冷戦期の思考で止まってるわな。

たしかに「冷戦終結で日本は(米国の)属国である合理的な理由を失った。」よな。

しかし、なぜ日本の政治も外交も冷戦後対米従属一辺倒を続けたのだ?

政治や外交の劣化か?

それはあるだろう。

今の日本の外交は目も当てられないからな。

北朝鮮のほうがよっぽど外交上手だしな。

政治の劣化は言を待たないだろう。

それとも、「日本人の特殊な心理構造」なのか?

先生続けて曰く・・・
「その結果日本人はアイデンティティーを失い、欧米へのコンプレックスとアジアへの蔑視が残された。ヘイトスピーチのような形で排外主義が表面化したのが象徴的です。」というが、これもポスト冷戦の構造なのか?

なんか頷けるような、眉唾なような・・・。

まだまだ、示唆に富んだ話が続くが、それはおいといて、最後に思いきり話がわかんなくなっちゃうのよ。

白井先生こういうの。

「厳しい現状認識を示しながら、『転換点を示唆する』と見るのが、天皇陛下が退位の意向をにじませた『お言葉』だ」って。

で、この先生、この「お言葉」を聞いて「アメリカを事実上の天皇と仰いでいて国民の統合が保たれるのか−そんな問いをつきつける、踏み込んだメッセージだと思った。」だと!

ほんとかよ!

この言葉だろ?

「象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば」
http://www.kunaicho.go.jp/page/okotoba/detail/12

憲さんこの言葉をどこをどう読んでも

「朕は疲れた。もう辞めたい。」

としか読めないんだけど、こんな深読みが出来るのね。

さすが学者って凄いね〜!

さらにこう続けてるよ。

「現代が『国難』の時代だと告げる、『お言葉』の尋常でない危機感を読み取ろうとする言説がない」って先生怒ってるけど、この天皇の言葉、凡夫が読んだらそんな危機感読み取れないよ。

この「お言葉」からは。

それに「国難」て、安倍も言ってるでしょ?
その流れで天皇が「国難」なんて言ったらそれこそ憲法違反でしょうに。

Σ( ̄□ ̄;)ハッ!

これが、ポスト冷戦の日本が目指すべき「国体」なのか?

まさかね〜。

でも、この天皇の「お言葉」すごい威力だな。

内田樹な先生んかもコロっとやられちゃって「天皇主義者」に転向しちゃったからな。

参考(個人ブログ)

「私がけっして天皇主義者にならないわけ」
http://article9.jp/wordpress/?p=8569

(憲さんは↑このブログを書いた弁護士の意見に賛成だな。)

ちなみに、東京新聞文芸コラム「大波小波」で『「国体論」評価と疑問』のコラムを書いた「皐月」氏もこう書いている

「一点大きな疑問がある。今上天皇の『お言葉』についてである。お言葉は『アメリカを事実上の天皇と仰ぐ国体において、日本人は霊的一体性を保つことができるのか』と問いかけているという。が、天皇が日本という共同体の霊的中心であるという言説には賛同しがたい。」とあるけど、同感だね。

近現代でいえば霊的中心となったのは、「明治維新」から敗戦までのわずかな期間でしょ?

江戸時代の江戸っ子なんぞ、天皇の「て」の字も知らない人が大多数よ。自分が知らない人?(神?)を「霊的中心」とは考えられないでしょう。

(この主張については、この随筆を加筆訂正している2021年9月現在、憲さんの考えは少し変化している。これについては機会があったら述べたいと思う。)

憲さんから言わせれば、「アメリカを事実上の天皇」とも仰がないし、「天皇を霊的中心」とも思わないね。

でも、白井さんもあの「お言葉」でコロっとやられちゃったのね。

インテリになればなるほどやられちゃう率が高いんじゃないの?

(´艸`)くすくす

この記事は最後にこう締め括っている。

「歴史の進路を決める主体はつねに民衆です。」

はい、そこまでは頷けますな。

しかし、最後にこうあるのよ。

「『お言葉』は世の中を変えるきっかけとなる強度を有している」と。

ほんとかよ?

この天皇の愚痴がそんな意味合いがあるなんて普通の民衆は読み取れないよ。先生の解説をつけてもらっても!

ビックリたまげた。

それにしてもこの先生面白いこと書くな。

調べてみると、元早大総長の息子みたいだ。

ところでこの先生といい中島先生といい、最近自分よりも10才以上も若い大学の先生にいろいろ教えてもらうと、憲さんも年をとったな〜と、思うと同時に、憲さんも勉強して大学の先生になれば良かったと思う今日この頃です。

(´艸`)くすくす

どーよっ!

どーなのよっ?

※この随筆を憲さんが書いた時点では、この白井聡先生に少し懐疑的でしたが、現在は憲さん彼を高く評価しています。

( ̄ー ̄)ムフフ
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