※画像は大河ドラマ『獅子の時代』で翻る「自由自治元年」ののぼり旗
※この随筆は2017年12月21日に執筆したものに加筆訂正しました。
再来年の4月に今の明仁天皇は息子の浩宮に皇位を譲り、退位して「平成」も31年で終焉するらしい。
月曜日東京新聞夕刊の「社会時評」に吉見俊哉教授が「改元で過去を『ご破算』?」というタイトルで面白いことを書いている。
参考
↓
【吉見俊哉】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E8%A6%8B%E4%BF%8A%E5%93%89
曰く
「一人の人生が、その社会の歴史の大きなまとまりと一致することなどめったにない。」
(中略)
「まして現代社会では、(中略)象徴的な個人の人生が歴史の変化と対応していると考える国民はまれである。おそらく、日本人を除いては−。」
と、日本の元号の特異性、異常性を指摘している。
で、この時評で「目から鱗」な論述が以下にある。
「元号は、新しい君主の即位や象徴的な儀式により過去の歴史がご破算になり、新しい歴史が始まると考える点で(干支のような)循環方式に近い。つまり、ここでの要点は過去が『ご破算になる』発想にある」だと!
Σ( ̄□ ̄;)ハッ!
天皇の譲位も、「平成」という暗い陰鬱とした時代を「ご破算」しようとする、国家権力の陰謀か!
憲さん、そこまで読みきってはいなかった!
不覚っ!
吉見先生も時評の最後にこう指摘する。
「『平成』は、その語感とは逆に失敗が連続する時代だった。だからこそ『平成の終わり』を前に必要なのは、この時代を過去にくくるのではなく、バブル崩壊も震災も原発事故も社会の分断も、失敗を現在として問い続ける作業のはずである。」
至極金言。さすが大学の先生である。
立派なことをいう。
だよな〜。
平成って失敗だったよな〜。
その集大成が安倍自公劣化政権だもんな〜。
私たちも「改元」に目眩ましされず、肝に命ずるべきであろう。
「過去の失敗を現在も問い続けること」を。
で、私がここでいいたいのは、これだけではない。
この時評にはこう書いてある。
「日本人が西暦を受け入れつつなお元号で歴史をとらえることをこだわるのは、この『過去をご破算にする』魅力が理由かもしれない。『明治』と『大正』、『昭和』と『平成』。いずれの切断にもかつて『御一新』という言葉で『江戸』を葬った仕方に通じるものがある。歴史が本当にゼロに戻るなら、天皇の代替わりと改元は、実に便利な歴史の刷新技術なのだ。」と。
「改元は、実に便利な歴史の刷新技術」か〜。重ねがさね、目から鱗である。
日本が「近代国家」となった明治以降、歴代の為政者はこの方法で過去を「ご破算」にしてきたのだ。
「明治」とは先生も言う通り「『御一新』という言葉で『江戸』を葬った」歴史上最大の「ご破算」だったのかもしれない。
で、もし明治天皇がまだ生きていて、平成の天皇のように譲位をしなかったら、今年は和暦では「明治150年」であり、来年は「明治151年」である。
来年は「明治維新」150年の年にあたる。
(憲さんから言わせれば、戊辰会津戦争敗戦150周年である。)
月曜日(2017年12月18日)の東京新聞朝刊に「明治維新150年」の特集記事が載った。
そこで、憲さんが少し感心した記述があった。
先日の憲さんの日々随筆で、「歴史教育の見直しが必要だ」と書いたが、遅々とではあるが、少しづつ見直しが行われているようである。
参考
↓
「憲さん随筆アーカイブス 歴史の偽造 スクープ!『大政奉還図』の大嘘!」
https://hatakensan.cocolog-nifty.com/blog/2021/02/post-58caa0.html
「明治維新150年」特集の「教科書では」という記事にこうある。
「明治維新を『日本の夜明け』と捉える見方は、戦前はもとより戦後も続いた。50年前の『詳説日本史』は江戸時代の『鎖国』体制について『自由の精神が発達をおさえられ、世界の進運からとりのこされた』と説明。曲亭馬琴や葛飾北斎らが活躍した江戸後期の文化(化政文化)を『躍動的な精神を失っていた』と酷評し、身分制度をはじめとする新政府の改革や文明開化の流れを高く評価している。」
50年前と言えば憲さんが生まれた年である
戦後20年以上が経過して民主教育が普及していたとはいえ、歴史教育では薩長史観満展開だ。
当時の教科書執筆者は北斎の何をもって、「躍動的な精神を失っていた」と感じたのだろうか?
眼が腐ってるのか?
こいつは。
落語聴いたことないのか?
江戸の民衆がどれだけ戦争や内戦のない時代を自由な精神で生き生きといきてきたか知らないのか?
(´Д`)=*ハァ〜
しかし、最近の教科書は違うようである。
記事には続けてこうある。
「これに対して現在の教科書は江戸時代に長崎、対馬、薩摩、松前の四つの窓口を通した東アジアでの外交があったことを説明。」
「鎖国」政策など嘘八百である。
細々と、それも幕府や各藩の権力者独占ではあるが、外交の窓口はあったし、出島限定ではあるが、オランダを通してヨーロッパと交易はあり、幕府は当然ながらペリー艦隊の来航もオランダからの情報で事前に察知していた。
さらには先日世界記憶遺産に選定された朝鮮通信使の交流があり、その来訪時には民間人との交流があったにもかかわらず、なんで「国を鎖ざしていた」なんて嘘を教え続けてきたのだろうか?
参考
↓
「江戸幕府が『鎖国』していたという大きなウソ」
https://toyokeizai.net/articles/amp/129161?display=b&_event=read-body
文部省の知的水準が疑われる。
(´Д`)=*ハァ〜
記事はこう続ける。
「かつてと比べると江戸時代への評価が高まり、新政府の改革についても功罪や限界を指摘する記述が増えた。」
やっとかよ!
遅きに失してるだろうが!
でも、まーいいや。
そりゃそうだよ。
1637年の島原の乱以降、天災などによる飢饉などはあったものの、230年以上も対外戦争、内戦のない平和な社会を築き上げてきたんだよ!
ご公方様は!
江戸の文化も華々しくも生き生きとしたものでしょ!
で、何よ?
明治政府は?
政権とったらすぐに、(1874年・明治7年)台湾出兵の対外侵略戦争に手を染め、
参考
↓
【台湾出兵】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E5%87%BA%E5%85%B5
1884年(明治17年)には、国内における農民蜂起「秩父蜂起」を軍隊を出動させ武力鎮圧した。まさに暗黒の時代への突入でしょ?
参考
↓
【秩父事件】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%A9%E7%88%B6%E4%BA%8B%E4%BB%B6
何をもって「日本の夜明け」なのよ?
「日本の暗黒」の始まりでしょ?
「明治維新」とは。
その暗黒の開始の合図が戊辰戦争の銃声なのよ。
これを認識しないと。
この暗黒に薄日が射すまで日本人は1945年8月15日の終戦を待つしかなかったのよ。
それも夜明けじゃなく薄日ね!薄日!
できいてよ!
これからがこの記事の圧巻ね!
曰く
「明治維新の評価をめぐっては近年、さらに踏み込んで薩長両藩や新政府を手厳しく批判する本の刊行が相次いでいる。」
と書いて、憲さんの座右の本を紹介している。
「このなか、作家原田伊織さんの『明治維新という過ち』(講談社文庫)は新政府について『吉田松陰の主張した対外政策に忠実に従って大陸侵略に乗り出した』と述べ、維新と侵略戦争との結び付きを指摘。教育勅語の教材使用を『否定されることではない』とした政府の閣議決定を批判し、『「明治維新」という無条件の正義が崩壊しない限り、この社会に真っ当な倫理と論理が価値を持つ時代が再び訪れることはない』と断じた。」
だってよ!
参考
↓
原田伊織著『明治維新という過ち』
https://dot.asahi.com/ent/publication/reviews/2015062500097.html
原田さん、よくぞ言ってくれた!
それだよ!
それ!
それこそが憲さんが声を大にして言いたかったことだよ!
繰り返すが、
「明治維新」という無条件の「正義」が崩壊しない限り、この社会に真っ当な倫理と論理が価値を持つ時代が再び訪れることはない。
のよ。
憲さんの仕事はこの無条件の「正義」を崩壊させることなのよ。
だからこうしてみんなに宣伝してるのよ。
(´Д`)=*ハァ〜
記事はさらに「現代の視点」という見出しで、日本近現代史が専門の日本女子大、成田龍一教授の話を載せている。
参考
↓
【成田龍一】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%88%90%E7%94%B0%E9%BE%8D%E4%B8%80
先生曰く
「明治維新で人々が近代の価値によって解放されたという歴史観はもう耐用年数が来ている」
そうでしょ!
先生!
やっとわかってくれたのね!
さらに、記事を読むと
「成田教授は半世紀前と今とを比較し、社会的な感心の差を指摘する。」
(中略)
「当時は司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』が発表され、広く読まれた時期に当たる。『政争を横目に自分の生きる道を経済に見いだしたのが司馬の描いた竜馬。時代にぴったりだった』」
(´Д`)=*ハァ〜
司馬遼太郎も罪深いよな。
この司馬史観の流布が害悪極まりない「薩長史観」の見直しを半世紀近く遅らせたのだから。
司馬の書く小説なんぞは「史観」などという代物ではなく、ただのエンターテイメントだろ。
それは司馬の大学の後輩である原田さんも嘆いていたよ。
で、この教授つづけて来年の大河ドラマのモデルに西郷隆盛が選ばれたことに注目したうえでこう言ってる。
曰く
「アジアとの外交や保守主義の思潮を考えるきっかけにできる。西郷を捉え直すことで維新の実像に迫り、明治150年を意味あるものにできるのではないか」と。
先生!
甘い!
大甘。
甘すぎるよっ!
NHKの宣伝文句読んだの?
「明治維新の立役者・西郷隆盛を勇気と実行力で時代を切り開いた『愛に溢れたリーダー』として描く」だよ。
なにが、「愛に溢れたリーダー」だよ。
あの火付け盗賊の親玉を!
参考
↓
【江戸薩摩藩邸の焼討事件】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%88%B8%E8%96%A9%E6%91%A9%E8%97%A9%E9%82%B8%E3%81%AE%E7%84%BC%E8%A8%8E%E4%BA%8B%E4%BB%B6
さらにその、火付け盗賊の走狗としてさんざん使った相楽総三率いる赤報隊を「年貢半減」のスローガンを掲げたからやばいよ!やばいよ!とか言って結局見限って「偽官軍」として諏訪で処刑したのも西郷だろ?
参考
↓
【赤報隊】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E5%A0%B1%E9%9A%8A
何が「敬天愛人」だよ!
きいて呆れるわ!
西郷なんか、ただの金玉巨大デブ中年テロリストおやじだろ?
参考
↓
「西郷隆盛の知られざる史実 陰嚢肥大に最後まで苦しめられた」
https://www.news-postseven.com/archives/20180401_662954.html?DETAIL
どこがヒーローなんだよ?
それも「せごどん」、原作林真理子でしょ?
参考
↓
【西郷どん (NHK大河ドラマ)】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E9%83%B7%E3%81%A9%E3%82%93_(NHK%E5%A4%A7%E6%B2%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E)
期待できないね。
教授がいうように、「西郷を捉え直すことで維新の実像に迫り」たいなら、原田さんのこの本を原作にしなさいよ!
原田伊織著『大西郷という虚像』
https://bookmeter.com/books/11031241
じゃなきゃ、イケメンの俳優起用して、また同じ西郷美談の繰り返しでしょ?
(´Д`)=*ハァ〜
来年の大河ドラマなんか観たって「アジアとの外交や保守主義の思潮を考えるきっかけにできる。」わーけないでしょ!
まったく!
(´Д`)=*ハァ〜
憲さん、若いときもっと勉強して歴史の先生になってればよかったよ。
で、林修先生みたいにテレビにでて、池上彰さんみたいに歴史について解説するのね。
そしたら、少しは変わっていたんじゃないの?
(´艸`)くすくす
話をもどすけど、明治から続くこの「暗黒」な社会を「ご破算」にするには、もう天皇の代替わりや改元なんかじゃどうにもならないでしょ。
「ご破算」したけりゃ、1984年、秩父の農民が起こしたような「革命」という荒治療しかないんじゃないの?
そうだっ!
まずは、全国の中学生の修学旅行先を秩父にして「秩父蜂起」の聖地を巡礼するってどうよ?
そしたら、その中から将来の社会革命のリーダーが育っていくかもしれないね。
※ちなみに、秩父蜂起でも掲げられた「新政厚徳」というスローガンは明治の顕官だった、西郷隆盛が掲げた「新政厚徳(新たな時代の政治を行う者は、まず個人として徳に厚くなければならない)」という言葉からとっており、憲さんそれは気にくわない。
さらにトリビアとして、今もある清酒『新政』(あらまさ)の名前もそこからとっているんだって!
参考
↓
【新政酒造】
http://umasake.top/?p=176
「明治維新」から150年、戦後70年以上たつが、日本ではいまだ暗黒の時代である。
いつになったら「自由自治元年」の改元は行われるのであろうか?
参考
↓
【自由自治】
https://wiki.suikawiki.org/n/%E8%87%AA%E7%94%B1%E8%87%AA%E6%B2%BB
どーよっ!
どーなのよっ?
※昔の大河ドラマはよかったな〜
参考
↓
【獅子の時代】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%8D%85%E5%AD%90%E3%81%AE%E6%99%82%E4%BB%A3
必見!
↓
『獅子の時代、最終回 エンディング』
https://youtu.be/e_NIlKZDrBw
今はなき文太さん憲さんに泣けた!
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