ファーウェイ、難路の世界展開 中国依存度は7割に上昇
2021年8月12日 2:04
西アフリカのセネガルで6月、約7000万ユーロ(約90億円)を投じた大型データセンターが稼働した。「今後は各州のデータを全てここに集約する」。地元メディアによると、サル大統領は稼働式典でこう語った。この施設は中国政府からの融資を受けて建設され、通信インフラを中国通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)が担う。
米政府はファーウェイの通信機器について、安全保障上の懸念があるとの理由から高速通信規格「5G」の通信網などから排除するよう各国に呼びかけている。それでもアフリカ、中東など新興国はなおファーウェイの牙城だ。スウェーデンのエリクソンやフィンランドのノキアなど欧州企業と比べて2〜3割は安いとされる低価格などを武器に受注を広げてきた。
足元では5Gなどの通信機器だけでなく、関連するシステムもセットで売り込む手法が目立つ。注力分野の一つがスマートシティーだ。2020年末時点で、40カ国の700以上の都市で関連事業を手掛けるという。
中東のドバイでは5Gインフラの構築に参画しつつ、監視カメラや気温などを測るセンサーを組み合わせた「スマート街灯」を提供。ケニアでは4Gの基地局と監視カメラを組み合わせたシステムを納入し、犯罪発生率の低下につなげた。監視カメラは個人情報を政府に握られる懸念はあるが、犯罪抑止につながるとして需要が大きい。
ファーウェイの攻勢の背景には中国の巨大経済圏構想「一帯一路」もちらつく。ファーウェイは中国政府とは関係なく事業を展開しているとするが、一帯一路の沿線に含まれるアフリカや中東などで進むスマートシティーなどのプロジェクトは、中国政府系の融資が供与され、ファーウェイも参画するケースが多い。
ただ、アフリカなど新興国では対中債務が膨らんでおり、一部で返済に行き詰まるケースも出ている。米欧などは「債務のワナ」と呼んで批判しており、中国への警戒が強まればファーウェイの受注活動にも響く可能性がある。
先進国では米国の圧力の影響がじわりと出ている。5Gでは日本やオーストラリア、英国がすでにファーウェイ製品の排除を決めた。フランスやドイツは明言はしていないものの、参入を事実上厳しくする。20年までは好調だった通信機器の販売も、足元ではシェアを少しずつライバルに侵食されている。
こうした影響はファーウェイの経営指標にも表れつつある。10年代前半には売上高の国外比率が7割に迫ったが、徐々に低下。20年12月期は34%まで下がる一方、中国依存度は約7割まで高まった。19年以降の米政府による規制の影響に加え、スマートフォンや成長が続く5Gで中国市場への依存が加速している面がある。
台湾の証券会社、群益国際控股の李天凡研究員は「中国の売上高比率は今後も上がるだろう。国外事業は米中関係や国際情勢の影響を受けざるを得ない」と指摘する。
ただ、ファーウェイの成長を支えたのは1997年以降の積極的な国外展開だった。創業から30年超で世界の170を超える国・地域で20万人近くの従業員を抱えるまで巨大化したファーウェイ。成長力の源泉だったグローバル化の勢いを再び取り戻せるかが今後の課題の一つとなる。
ポスト任CEO、求心力に課題
ファーウェイの創業者、任正非(レン・ジェンフェイ)最高経営責任者(CEO)は、中国で著名なカリスマ経営者として知られる。会社の日々の経営は3人の「輪番会長」が多くを担っている。それでも会議などでの任氏の重要発言は全従業員に配信され、会社の求心力を保つ上で大きな存在感を持つ。
任氏はもとは中国人民解放軍の工兵だったが軍縮で人員削減の対象に。その後、国営企業に就職するものの仕事で失敗し職を追われるなど苦労を重ねた末にファーウェイを起業した。2019年の米メディアのインタビューでは「会社の生き残りと発展の問題を解決するまでは頑張りたい」と説明し、当面は続投する考えを示している。
ただ任氏は76歳と高齢だ。後継候補との見方もあった実子の孟晩舟副会長兼最高財務責任者(CFO)は米中対立のあおりでカナダ当局に勾留されており、米国への身柄引き渡しの是非を巡る裁判が続く。3人の輪番会長の中にも抜きんでた実力者はおらず、ポスト任氏の先行きは見えない。
広州支局の川上尚志、比奈田悠佑が担当しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM04EV00U1A800C2000000/
中共製品や資本を国内から排除する事に成功している先進国ですが、世界中から中共製品を締め出すのは無理な様です。
米ソ冷戦時代みたいに、アフリカや中東は第3世界として、米中の陣取り合戦に巻き込まれて疲弊するかもです^^;
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