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2021年07月30日17:47

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痴愚

 オリンピックが開幕して概ね一週間、柔道の快進撃をスゴイと思っているところで、他の競技についても一喜一憂しているところである。
 開催までに紆余曲折があり、未だに何とかして国や政府を攻撃したい人達の誹謗は止むところがないというのもまた感想であろうか。
 ちなみに開会式について、ゲームサウンドについては個人的な事情で歓迎に如く無し、といった処だったが、多く批判されているトコロの、地味であったり意図が充分にくみ取れない、という声についてだが、実は私も近しい意見を持っている。
 報道でも様々な指摘がなされており、真相は藪の中に近しく判然たり得ない事には敢えて評する事はしないのだが、前後脈絡を無視した上で、どれだけ金をかけたとか、どういった環境で構成したか……一切合切無視した上で、コロナ禍という状態のみを勘案しても個々の演出が唐突であり、また地味で雑多の印象は拭えなかった。
 関係者の努力と調整が開催を実現させた事は、良しに付け悪しきにつけ評価するべきであり、開会式もその一端であることは認めている。
 その上の批判の積もりである。


 それでぼちぼちの読書感想文である。

  「二・二六事件を読み直す」 堀真清・著
 ダイナミックな題名、まったく未知の著者で、主に早稲田、ケンブリッジやオクスフォードで研究員等を歴任した教授で、国際政治がご専門とのこと。
 著書はデモクラシーに関連したモノが多く、西田税が対象に入っているのは興味深くもあった。
 それで感想だが、20年前の新刊であるならば面白く読めたが、この令和に改めて読み直したという割には最新の研究成果や様々な意見をまったく取り入れていないのではないかとすら思えた。
 早い話しが、大先生が20年前の知識で、20年遅れの意見発表をしたという印象。
 この人の主題のひとつが、皇道派と青年将校は別枠という意見を紹介、解説することで、更に真崎は黒幕に非ず……とのこと、そんなもの昭和40年頃の大谷敬二郎の本でも読めば大体わかりそうなモノで、90年代辺り、あとこれは筆者も指摘しているが、高橋正衛の226事件が真崎黒幕説を押している影響を考慮しているのだろうが、今更、古典レベルの、しかもジャーナリストの本だけで226事件を語る人もおるまいて。
 また永田が官僚と結んでいた辺りについても、本人の政治的野心を満足させるため、だけであり、その目標は軍事独裁である、という一昔前までならスタンダードだった(新聞やテレビに出てくる左派知識人レベルは、未だにコレ以下だけど)知識で当時の軍事官僚を断罪している辺り、新しい知識を吸収する努力はしていないのだろうかと感じた次第。
 また226事件に関する裁判で、裁判官が一般兵に極端な質問を浴びせているのを、無知の至りと断罪しているが、僕にはコレは意味があると感じている。
 上官が貴様の父親は悪党だから殺せ、というような事を命令して、それに従うのか……という主旨の質問で、多くの兵士はこれに答えられなかったようだ。
 この質問に意味もナニも無い、法務官が馬鹿だという判断をこの著者はしており、このトコロをさして、検察官、法務官の愚かさを浮き彫りにできた、とまで云っている。
 そうだろうか? この質問に対して、淀みなく答える兵士がいた場合、それは何をも意味しないのであろうか? 本当に士官に対して心酔して、同様の意識を持った同志であればその返答は自ずから洗練されたモノになるのではないか??
 兵士達も同志であったと主張する士官と切り離すためにも、この質問を投げかけることが無意味で愚かな行為であったとは私は思えないのである。
 いずれにせよ、全内容に見る価値がなかったとか、筆者の愚かさが浮き彫りにされた、等とは謂わないが、令和の御代に平成3年にでも出せそうな内容とすれば、自ずからガッカリした、と評さざるを得ないのである。

 実はもう一冊読んでいたのだが、会社に置きっ放しにしていたので、また気が向いたら……ちなみに、片山杜秀さんの著書で所謂若書きの類い。
 個人的には最近、高く評価している先生で、多分、興味の方向が近いのであろうか、疑問に感じた事に対するアプローチの仕方が非常に共感しやすい。
 今回の本も中々に楽しめた、微かに見出せるシニカルな態度もまた悪しからず、であろうか。
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