日本の刑罰について

日本の刑罰で一番重いのは死刑です。先進国で死刑があるのは日本国とアメリカの一部の州だけかな？その次に重い刑は、無期懲役刑です。その無期懲役が問題だと思います。無期懲役と言っても一生刑務所から出られないわけではありません。

１５年以下で仮出所する受刑者も少なくないのです。それは無期懲役の制度的な問題があります。無期懲役になっても、刑法の規定で改悛の情、一定の条件さえ満たせば、釈放されるのです。

その条件とは、社会復帰の意欲があって再犯の恐れがないこと、出獄後の受け入れ環境がととのっていることなどです。手続きは、服務期間が１０年を過ぎると服役の刑務所長が仮出獄を申請します。

仮出獄下は保護観察下におかれますが、仮出獄中に罰金刑以上の刑を受けると、仮出獄は取り消されてしまいます。死刑廃止が叫ばれていても、なかなか実行されないのは、この無期懲役制度が死刑の次に位置されるにもかかわらず、死刑とは天国と地獄ほどの差があることが理由でしょう。

死刑制度がなくなると、凶悪事件を起こしてもいずれは社会に復帰できる事になり、被害者遺族の反発が大きいです。そこで考えられるのは「終身刑制度」です。終身刑制度とは、仮出獄を一切みとめず、一生服役させる制度であり、死刑と無期懲役の間に位置します。

死刑廃止が世界的な傾向の中、終身刑をおくことで犯罪を抑止することを目的とした制度です。だがこの構想もなかなか進んでいません。それは、与党でも、死刑制度を残しておきたい自民党と、前面廃止を主張する、保守党がからみ足並みが揃わないのが現状です。

また、「終身刑は死刑よりも罪は重い」と考える人たちもいるし、終身刑だと、刑務所自体も増やさなければならないだろうし、国民の税金で３食の飯も食わせなければなりません。世界の風潮にのることはむずかしそうです。