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2021年07月11日08:52

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失言史に伝説を刻む問題発言

 話題にはなっていたけど、「またいつもの失言か」ぐらいに思っていた。いちいち気にしてイライラするのも馬鹿らしいので、スルーを決めこむつもりでいたけど、実はかなりハイブローな案件だった。失言史に伝説を刻む問題発言だと思う。

 飲食店がもう言うことを聞かないから、今度は卸元や融資元に手をまわして従わせようとしているのである。いかにも国士気取りがネットでイキってそうな内容だけど、現に経済担当の大臣がこれをドヤ顔で語ってしまうというあたりに衰退国家の面目躍如たるものがある。貧すれば鈍するというやつである。

 自分は矢面に立たず、他をけしかけて手柄だけはちゃっかりアピールしようとする、昨今の政治的トレンドが末期的症状を呈した弥縫策ともいえる。問題の根本と向き合わず、とりあえず任期を無難にやりすごすため、ことが露見することを先延ばしにするための小賢しい悪あがきでもある。

 卸元や金融機関にしても、慈善事業で卸したり融資したりしているわけではない。これを絞って店が潰れた時の損失は自分でかぶるしかないわけで、要するに、今はもっぱら飲食店に背負わせているものを、一蓮托生で関連業界にもなすりつけていこうとしているだけなのである。当然、当該の業界がそんなものを負いたがるはずはないのだから、そこからだけでも猛烈な反発があるの予想できそうなものだろうに、なぜそんなこともわからないのか。

 さらに言えば、そういった業界の垣根をできるだけ取り払って、人や物やサービスをスムーズに行き来させることで、経済を活発化させることが行政の役割のはずなのに、そこへわざわざ対立の種を仕込んで煽る神経も訳が分からない。

 とりあえず、飲食店の営業を抑えこむといういう目先の目標(この設定もすでに目的と手段を取り違えている気配が濃厚)を達成するための方策だとしても、長期的視点に立てばこうしたやり方は国民の間に分断と対立を生み、一体感を損なうことにしかなるまい。結果として数字で捕捉できる統計上の細目で基準を達成できても、そのためにより深刻な毀損が進行することになりかねない。その先にあるのが、対マフィアのために編成した特殊部隊がまるごとマフィアに寝返るような国家でない保証はない。ここに至る道程は実はそんなに長くない気がする。

 もっとも、大臣のこの発言などは、国民をなだめすかして騙して脅して言うことをきかせる対象としてしか見ていないゆえだろうから、その分断もすでにかなりの段階まで進んでいることは確かなようである。

■識者、独禁法抵触の恐れ指摘 自民若手は悲鳴 西村発言
(朝日新聞デジタル - 07月09日 21:52)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6586030
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