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2021年05月30日14:18

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憲さん随筆アーカイブス 造反有理! 日本における『文化大革命』とは?

フォト


※画像は1969年当時のどこかの党派の機関紙か?(拾い)

※この随筆は2020年6月24日に書いたものを加筆修正しました。

もう、時効なので白状しよう。

あれは、1987〜8年くらいだったろうか?

私の通っていた大学のキャンパスで、私は授業にもでずに大学で毎日立て看板作りに精をだしていた。

あれは晩秋ごろの夕方、立て看板作りが手こずり陽もずいぶんと暮れてきた頃、大学のメインストリートの食堂前の広場にはほとんど人通りがなくなっていた。

私と相棒はその時、顔を見合わせて、二人で決行することを確認した。

おもむろに、立て看板用の黄色のペンキ(いや、ポスターカラーだったかもしれない)を用意すると、大学の一番人通りがある食堂前の広場の地べたに敷き詰められているレンガにおもむろに

「千葉大解放区」

と広場いっぱいに大書した。

いまから考えると何であんなことをしたのだろうか?

大学生活での鬱屈した感情を爆発させたのであろうか?

今ならば、そんなことをする輩を見つけたら怒鳴り付けるに違いないであろうが…。

その時は書き終えて、相棒と二人で悦に入っていたのを今も覚えている。

その落書きは一週間くらいは、放置されていたが、その後清掃員の方がブラシで一生懸命こすって消していた。

大変悪いことをしたと、今は反省している。

1969年、東大闘争が燃え上がっているその時、東大の正門前に毛沢東の肖像画が掲げられ、「帝大解体」「造反有理」の落書きが大書された。

いい時代であった。

「造反有利」とは、中国語で「造反に理有り」(謀反にこそ正しい道理がある)の意で、「革命無罪」と並び中華人民共和国の文化大革命で紅衛兵が掲げたスローガンである。

その出どこは、1939年中国革命の根拠地、延安で開かれたスターリン生誕60年祝賀大会で毛沢東が語った言葉「マルクス主義の道理は入り組んでいるが、つまるところ一言に尽きる。造反有理だ」に由来する。

参考

【造反有理】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A0%E5%8F%8D%E6%9C%89%E7%90%86#:~:text=%E9%80%A0%E5%8F%8D%E6%9C%89%E7%90%86%EF%BC%88%E3%81%9E%E3%81%86%E3%81%AF%E3%82%93,%E6%8E%B2%E3%81%92%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%81%A7%E3%81%82%E3%82%8B%E3%80%82

いま、アメリカでこの「造反有理」をスローガンとした「文化大革命」が起こっているともっぱらの噂である。

前回の憲さん随筆でも言及したが、アメリカの警察官の黒人虐殺に端を発した抗議行動をはじめとした、黒人差別に対する反対運動の広がりがそれである。

参考

「いま、理解しておくべき『ブラック・ライブズ・マタ』の背景」
https://shiruto.jp/global/2296/

そう報じたのは、中国共産党の英字紙「グローバル・タイムズ」電子版である。と今日(23日)の東京新聞のコラム「(木村)太郎の国際通信」に書かれている。

「米デモは『文革』なのか」という表題のコラムで、こう紹介している。

電子版には、「米国の抗議行動は新しい段階に入った。それは米国版文化大革命と呼ぶべき広がりをみている。」とあり、その根拠として、アメリカ大陸発見のコロンブスの像が倒されたり、映画『風と共にさりぬ』が配信中止されたことなどを挙げ、中国では「文化大革命が米国で続いていた」とか、「米国はわれわれ(中国人)が1960〜70年代に経験したようなことをやっている」という声が上がっているそうである。

これを受けて、木村太郎氏も「今回の米国の抗議行動は『人種差別撤廃』を訴えて始まったが、それが国の成り立ちまでを否定する動きになり、(中略)独立宣言の起草者の一人トーマス・ジェファソン第三代大統領も奴隷を使っていたと批判され銅像が各地で引き倒されている。」と紹介した上で、「中国の『文化大革命』でも、紅衛兵たちが『四旧(旧思想、旧文化、旧風俗、旧習慣)打破』を叫んで中国最古の仏教寺院を破壊したり、孔子の教えを否定し、国民に人気のあった物語『水滸伝』を反革命的と批判して発行禁止にしたが、今の米国と共通点があると言える。」と指摘している。

Σ( ̄□ ̄;)ハッ!

これを読むと、では、日本にも「文革」ってあったじゃん!と気がついた。

御一新「明治維新」時の「廃仏毀釈」や「日本語廃止論」がそうである。

参考

【廃仏毀釈】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E5%BB%83%E4%BB%8F%E6%AF%80%E9%87%88

「志賀直哉の日本語廃止論をめぐって」
https://nakaii.hatenablog.com/entry/20101129/1291017366

あれも、日本に荒れ狂った「文化大『革命』」に他なるまい。

中国の「文革」も日本の「廃仏毀釈」も私から言わせれば、正気の沙汰とは到底思えない。

「文革」は毛沢東個人の権力闘争に大衆を巻き込んだ運動に他ならず、また「廃仏毀釈」は明治政府が天皇制の権威付けのため無知蒙昧なる「国家神道」を称揚し、外来宗教とは言え、日本に根付いた仏教を廃毀するという、尋常ならざる文化破壊行為に他なるまい。

しかし、今回の米国の「差別主義者」の銅像を引き倒す運動や、『風と共にさりぬ』を「差別的」だとして配信を停止することが、その同一線上にあるとは私は感覚的に思えない。

前回も書いたが、今回の米国の運動は私には極めて健全に見えるのはなぜであろうか?

コラムで木村氏は「『黒人の命も大切だ』と叫んでシアトル市の一角を占拠し解放区としている米国のデモ隊は、『造反有理』と実権派に反逆した中国の紅衛兵をほうふつさせる。」と書いている。

Σ( ̄□ ̄;)ハッ!

解放区!?

やっぱり大衆が不正義に対し立ち上がり、コンミューンを形成し町を「解放区」とし、解放する運動はまさに、真の意味で「造反有理」であり正しいのであろう。

憲さんが若い頃、大学を「解放区」としたのもあながち間違っていたとは言えまい。

( ̄ー ̄)ムフフ

しかし、アメリカのそれをもって私は「紅衛兵」を「彷彿」するようなことは全くない。

なぜだろう?

そのヒントがこのコラムには書いてあった。

こうある。

「米国内でも、FOXニュースのキャスターのタッカー・カールソン氏らが抗議行動を『米国の文化大革命』と捉えているが、米国の超保守派の論客と中国共産党のメディアの見解がはからずも一致することになった。」とある。

タッカー・カールソンと言えば、言わずと知れた極右派でトランプ大統領を支持する人物であり、「移民がアメリカを貧しく、汚くする」と公言して憚らない人種差別主義者に他なるまい。

参考

「タッカー・カールソン」のニュース
https://newsphere.jp/national/20181225-1/

また、経済政策的には憲さんが批判する新自由主義と似通ったリバタリアン経済学を支持しているようだ。

参考

【リバタリアニズム】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0

かたや、中国共産党は言わずと知れた世界革命を裏切った一国社会主義。

かたや帝国主義者、かたやスターリン主義が「見解がはからずも一致」したのである。

これに対し、憲さんは身に染み付いた「反帝・反スタ」的感覚で、このアメリカにおける反人種差別運動を、中国における「文化大革命」とは「似て非なるものだ!」と喝破したのである。

では、いまだ世界最大の帝国主義国家アメリカにおける反人種差別運動が、「反帝・反スタ世界革命」へと発展していくのであろうか?

そういう淡い期待を胸に秘め、憲さんも心の中でこの運動に断固連体していきたいと思う今日この頃であった。

どーよっ!

どーなのよっ!?

※参考

「太郎の国際通信 2020・6・23 米デモは『文革』なのか」(全文)

2020.06.23 4面 

 米国でいま起きているのは「文化大革命」だという。

 そう分析したのは、他ならぬ中国共産党の英字紙「グローバル・タイムズ」で、十一日の電子版に米国で警察官の黒人殺害に抗議行動が広がっている問題を巡って論評記事を掲載したが、記事はこう始まる。

 「米国の抗議行動は新しい段階に入った。それは米国版文化大革命と呼ぶべき広がりを見せている。しかし、不幸にも抗議する者も民主党も長年の人種問題に対する現実的な解決策を打ち出せず、国民の怒りを政治的に利用しようとしているだけだ」

 その根拠として、いま米国では米大陸発見のクリストファー・コロンブスの銅像が(人種差別主義者だったとして)倒されたり、映画「風と共に去りぬ」も(同様の理由で)配信が中止されたことなどを挙げ、中国のSNS上では「文化大革命が米国で続いていた」とか「米国はわれわれが一九六〇年、七〇年代に経験したようなことをやっている」という声が上がっていると記事は伝えている。

 また挿絵には「風と共に去りぬ」の本から「人種差別」と書かれたページが破れて窓の外へ飛んでゆく戯画が使われている。

 今回の米国の抗議行動は「人種差別撤廃」を訴えて始まったが、それが国の成り立ちまでを否定する動きになり、旧南部の旗や指導者像の撤去にとどまらず、独立宣言の起草者の一人トマス・ジェファソン第三代大統領も奴隷を使っていたと批判され銅像が各地で引き倒されている。

 中国の「文化大革命」でも、紅衛兵たちが「四旧(旧思想、旧文化、旧風俗、旧習慣)打破」を叫んで中国最古の仏教寺院を破壊したり、孔子の教えを否定し、国民に人気のあった物語「水滸伝」を反革命的と批判して発行禁止にしたが、今の米国と共通点があると言える。

 「黒人の命も大切だ」と叫んでシアトル市の一角を占拠し解放区としている米国のデモ隊は、「造反有理」と実権派に反逆した中国の紅衛兵をほうふつさせる。

 米国内でも、FOXニュースのキャスターのタッカー・カールソン氏らが抗議行動を「米国の文化大革命」と捉えているが、米国の超保守派の論客と中国共産党のメディアの見解がはからずも一致することになった。

 関心があったのは、その「グローバル・タイムズ」が米国版文化大革命の行方をどう見るかという点だったが、「米国の政治の仕組みが破綻しているために救いようがない」とするだけで、本家として解決のための助言はなかった。

 その中国の文化大革命は毛沢東の死で終わったわけだが、米国の文化大革命はどう収束するのだろうか?

 (木村太郎、ジャーナリスト)
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