先日受検した人間ドッグの結果で、肝臓と腎臓に不審な点があると指摘された。
腹部をCTやMRIやエコーやらで調べてみると、なんかわけのわからない影が映っているのだという。
診断結果で精密検査を促されていたので、素直にその謎を解明すべく再度、病院を訪れた。
精密検査をしてもらう日に、人間ドックの結果について、内科医の先生から軽く全般的な診断を受ける。
「血圧が高めではありますが、まだ治療が必要といった範囲ではないでしょう。
脳や肺や腸などにも異常はありません。
あとは肝臓の影がちょっとデカくて心配ですねぇ。
詳細は本日の検査結果をもとに、後日、専門の担当医が説明してくれるでしょう」
わぁぁぁぁぁ、心配とか言うなよ、ドキドキしてくるじゃんか。
嘘だと言ってよ内科医ィ。
後日、専門の担当医の話を伺いに再び病院を訪れた。
「どうも、当医院の副医院長です」
えっ、担当医じゃないの、私の診断結果ってそんなに深刻なの。
「造影剤を使ったMRI撮影の結果、肝臓に非常に大きな腫瘤があります」
真剣な顔してる。
「このような腫瘤はよくあるのですが、12センチほどの大きさというのは非常に珍しいです」
で、結局それはどうなんですか。
「北海道に‟マリモ”ってありますよね、あれって根っこが絡まって丸い塊になっているんですけれど、この腫瘤も同じように、血管が絡まって塊になっているんです」
んで、どうなんですってば。
「全く問題ありません」
多分、私の肝臓には昔からその塊があったものと思われる。
生活に支障をきたす何かでは無いので、今回、検診で腹部の内部を撮影して初めて発覚したという訳だ。
生まれながらに鼻の高い人、足の長い人がいるように、私の身体的個性の一つみたいなもんか。
へー。
もう一つ、腎臓にも個性があった。
右の腎臓にイボみたいな出っ張りがあって、その中には部屋が二つに区切られた体液だまりがあり、更にその中に石が入ってる。
体液だまりは一般的らしいが、その中が壁で区切られてたり、中に石が入っていたりするのは珍しく、しかも私のイボはそれが合わせ技になってる。
人は外見だけでもかなり違いがある。
それに性格が加われば、もう全く別人として多様性を持つ。
今まで気づかなかったけれども、目に見えない内臓にも人それぞれの特徴があるんだな。
そう、私は体内にマリモを持つ男。
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