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2021年05月28日10:40

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憲さん随筆アーカイブス 今こそ伝家の宝刀を抜くときだ! コロナ禍における医療崩壊を目の当たりにして

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※画像はサザエさんの4コママンガ、昭和46年、医師会が再度抜本的な医療制度改革を要求して、1ヶ月にわたる保険医総辞退を行ったときのものである。

※この随筆は2020年7月19日(コロナ禍初期)に書いたものに加筆修正しました。

医者と坊主が暇なのは、平和な証拠である。

こう語ったのはかの偉大な思想家、憲さんである。

なんちゃって表情(いー)

1961年(昭和36年)、憲さんが生まれるずっと前である。

かの悪名高き「武見天皇」と呼ばれた日本医師会のドン武見太郎(武見敬三現参議院議員の父親)が指導した、日本の医師全体で闘った医療闘争「一斉休診と保険医辞退」が闘われた。

参考

【武見太郎】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A6%E8%A6%8B%E5%A4%AA%E9%83%8E

この年の4月に国民皆保険が開始されることがすでに決定し、日本の医師全員が新しい保険医療体制に組み込まれることになっていた。明治以来、自由診療を基本としていた開業医は、この新しい保険診療体制を前に最低条件を勝ち取ろうしていた。

日本医師会は政府に4項目の要望書を提示し、その回答を求めていた。政府に要望した4項目は、診療報酬の値上げ、制限診療の撤廃、事務の簡素化、地域格差の改善であった。ところが日本医師会が求めた4項目について、政府はことごとく拒否してきたので、そのため日本医師会は実力行使に出たのだった。

4項目のひとつである「制限診療の撤廃」について説明を加える。医師の立場からすれば、患者に最良の治療を行いたいと思うが、医療費を払う国は、最良の治療は医療費を増大させ、保険財政そのものを破綻させると捉えていた。そのため政府は最高の医療ではなく、「最低レベルで、画一的な医療」を求めていた。制限医療とは疾患によって薬剤の使用基準、治療方針が決められ、医師はその範囲内の治療しかできないというものであった。例えば肺炎で抗生物質が使えるのは5日まで、虫垂炎の入院は5日までという制限をつけるものであった。

この制限診療への医師の不満、反発は大きかった。「制限診療は国家統制のもとで、医療の国営化をつくるもの」と医師たちは憤慨し、日本医師会は「あれもするな、これもするなの保険医療を改めよう」をスローガンに掲げた。日本医師会は自分たちの利得のためではなく、医師としての独立性を求め、患者の治療を最優先する人道的な立場から反発した。政府への抗議行動は、日本医師会会員だけでなく、勤務医、大学に所属する医師を含め、日本の医師のほとんどが行動をともにした。

国民皆保険が始まると自由な診療ができなくなり、医師としての医療行為が脅かされる不安が強かった。また収入減につながる不安も重なり医師の団結は強かった。医師たちの抗議に対しても政府は態度を変えなかったため、日本医師会は理事会を開き、「医療危機突破闘争本部」を設置し、全国一斉の休診を申し合わせた。

日本医師会長・武見太郎と日本歯科医師会長・河村弘は本格的な抗議として、2月19日の日曜日に全国一斉の休診に踏み切ることを決定。同日、全国一斉休診が実行された。この一斉休診には日本のほとんどの開業医が参加し、各地で開かれた集会には開業医の4割、約2万人が参加した。

全国一斉休診という無謀にちかい抗議であったが、その日は日曜日で、急病患者に備え指定病院や待機する医師を事前に決めていたので大きな混乱は起きなかった。一方、この一斉休診が国民や政治家に与えた影響は大きかった。病気になった場合の不安が、心理的な圧迫をもたらした。

日本医師会は診療費の引き上げを要求、さらなる闘争に入った。全国一斉の休診に加え、3月1日には全国で保険医の総辞退を決定。また4月1日から始まる国民皆保険に一切協力しないことを表明し、全国の8割の医師が地区医師会に保険医の辞退願いを提出、その対応を地区医師会に一任した。日本医師会の号令があれば、いつでも保険医の総辞退が可能になった。

自民党三役はこの日本医師会の強硬な事態に驚き、事態収集のため日本医師会へ会談を求めてきた。この会談の結果、2月28日、自民党は制限医療の撤廃を認めることになった。さらに3月3日には、日本医師会長・武見太郎と日本歯科医師会長・河村弘は、自民党政調会長・福田赳夫と会談し、自民党が示した医療費値上げ案を承諾。この妥協案により日本医師会が予定していた保険医総辞退は回避された。

昭和36年のこの一連の医療闘争は、厚生行政をめぐる日本医師会と政治家との戦いであった。日本医師会は一斉休診と保険医辞退という戦略によって完全に勝利した。制限医療反対の旗を掲げ、診療報酬の値上げを勝ち取ったのである。武見太郎が指導したこの闘争により、日本医師会は巨大な政治力を示すことになる。

参考

【一斉休診と保険医辞退 昭和36年(1961年)】
https://www.cool-susan.com/2015/10/22/%E4%B8%80%E6%96%89%E4%BC%91%E8%A8%BA%E3%81%A8%E4%BF%9D%E9%99%BA%E5%8C%BB%E8%BE%9E%E9%80%80/

この闘い、憲さん当然知らない。

しかし、朝日新聞の4コマ漫画「サザエさん」のネタになっているので、子供の頃から単行本を読んでいた憲さんは「保険医辞退」という言葉を知っていた。(画像参照)

※この漫画はその10年後の昭和46年、医師会が再度、抜本的な医療制度改革を要求して、1ヶ月にわたる保険医総辞退を行ったときのものである。

この「保険医総辞退」という伝家の宝刀が抜かれたのはこの2回だけである。

参考

(「保険医総辞退」という伝家の宝刀は我々の切り札となり得るのか)
http://medg.jp/mt/?p=930

ちなみに、なぜその闘いを指導した武見太郎が「悪名」が高いかというと…。

武見太郎は国民への理解を求めようとしなかった。記者会見で「一斉休診日に病気になるやつが悪い」と発言し、この自分の正当性を主張する発言に、武見太郎は国民から傲慢な医師のイメージを持たれることになる。

武見太郎はマスコミ嫌いだった。「吉田茂のほかに、カメラマンに水をかける者がいるとすれば、それは武見太郎だろう」といわれていた。そのため医師と国民の間に溝を作り、医師が尊敬される立場から、権威を振りかざす者として、次第に国民の悪感情を買うことになった。

だからだそうである。

しかし、国民感情は別として、世界で類をみない国民皆保険制度を目前に控え、医師たちが全国一斉休診、保険医総辞退を行ったことは、医師たちの最大の闘争として日本医師会史上に明記すべき出来事である。

おっと!ほとんど引用だが、またもや前ぶりが長くなってしまった。

いま、このような医師や医療関係者による歴史的闘いがまさに必要になっている。

ご存知のように、創立1900年の「日本で唯一の女子医科大学」の東京女子医大で、このコロナ禍において、夏の賞与のゼロ回答を巡り、看護師400人が退職を希望する事態になっているのだ。

参考

「東京女子医大 看護師400人超退職希望か」
https://www.news24.jp/sp/articles/2020/07/16/07681745.html

※現時点で大学側はゼロ回答を撤回し、支給の方向で労使話し合いをしているようだ。

このコロナ禍にあって、医療現場の関係者の献身と疲弊ぶりは語り尽くされているので、ここでは触れない。

しかし、その対価がこの「賞与ゼロ」なのだ。

では、それは東京女子医大の経営者が強欲で極悪人だからなのか?

それは、違う。

このコロナ禍において医療機関は受診控えによる患者減に加え、マスクなどの医療資源の高騰が病院経営に影響を及ぼしているのだ。

小泉構造改革による、医療切り捨てと、コロナ禍の追い打ちのせいで全国の多くの医療機関がたちいかなくなってしまっているのだ。

コロナによる、患者増による医療崩壊より先に、病院の経営悪化による医療崩壊が起ころうとしているのだ。

それも、コロナ患者を受け入れている病院ほど財政が圧迫され、危機的なのだ。

コロナ禍において、資本の論理によって経営危機に陥っている飲食店なとと同じ理由で、病院などの医療機関が崩壊の危機に直面しているのだ!

夏の賞与過去最低に対して、支払日にストライキを決行した船橋二和病院の飯田江美執行委員長はこう語る。

「病院に独立採算を求めるのは誤りで、国の社会保障制度の中で維持されるべきだ。医療従事者が犠牲をしいられてはいけない。」

もっともである。

参考

「医療従事者の賞与カット相次ぐ 新型コロナで病院収支悪化―離職検討やストライキも」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020072100802&g=soc

人の命や健康をあずかる医療機関に資本の論理や競争原理をあてはめること自体が正気の沙汰ではないのだ。

全医療機関の公有化

医療費全額無料

これか、あるべき姿ではないのか?

医者が暇でこしたことはない。

しかし、医者や医療関係者はこの社会に必要不可欠な存在でもあるのだ。

それに、そもそも病者や高齢者という、社会的弱者から治療費名目で金をとること自体、極めて野蛮な体制ではないか?

それこそ、医療保険制度で相互扶助でまかなうべきである。

いま、求められるのは1971年に闘った、医療従事者全体が団結した闘いではないのか?

今こそ伝家の宝刀を抜くときではないのか?

いや、もうそれだけではすまされないだろう。

この野蛮で醜い現体制を打倒する全労働者階級の「革命」しか、その根本的な打開策はないのではないだろうか?

「医療費全額無料!」

病人から金をとるな!

これこそ正義である。

憲さんはそう考える。

どーよっ?

どーなのよっ!

でも、憲さんやっばり

病院きらーいがまん顔

注射もきらーいがまん顔

(´艸`)くすくす
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