ハクビシン確認

二階の北側の窓をそっと開ける　一階の北側の小屋根を小動物が歩く音が一階の居間にいて聞こえたからだ　小さい頭と細く黒い胴体が見えた　尻尾も黒くて、身体と同じくらいの長さ　問題はその顔だ　何か月もその小動物をネコだと思っていた　しかし、ネコにしては機敏過ぎることに気がついた時、半年前のハクビシンの目撃情報を思い出した

「お宅の伯父さんの家から出て来るのを見たわよ」
近所の人に言われて従妹に連絡したが、従妹夫婦が家の中を調べてみても、特にそれらしい証拠はなく、その時はそれで一件落着となった
ところが年も押し詰まって、夜になると我が家の小屋根を走り抜ける小動物の足音が頻繁になってきた
「寒いからネコもどっかあったかい所を探してるんだろうな」
とのんびり構えていると、やがて一階の天井裏を走り回るようになってきて、その音で睡眠を邪魔されるようになった
「おかしいな　この辺はそれほどノラネコいないのに」

しかし、ついに見てしまったのだ　ある夜、私が作った１ｍ以上の高さの障害物をなんなくその小動物が飛び越えて行く姿を！　
「ありゃ、あれはネコではないぞ」
そう、二階の窓から見えた顔の中央に白い太い線が縦にくっきり入っていた　紛れもなくハクビシンだった