Gスピリッツ最新号は、来日50周年のミル・マスカラス特集。清水勉氏が渾身のロングインタビューを構成している。
注目は「マスカラスが巻いた主要4大王座」という記事におけるIWA世界ヘビー級王座に関する詳述。
かつて大人気を博した梶原一騎原作のマンガ「プロレススーパースター列伝」、マスカラスの回で大きく割かれたエピソードと重なるからだ。マンガでは往年の世界王者ルー・テーズが旗揚げし、マスカラスをエースに招いたものの、客足が伸びず崩壊。テーズは満足なファイトマネーを払えない代わりに王者のレスリング技術を伝授するというストーリー。
GスピリッツによればIWAは1975年1月に、テレビネットワークの社長エディ・アイホーンをオーナーに旗揚げ、アメリカとスペインをまたにかけて興行を行ったが、同年9月には崩壊と書いている。マスカラスとテーズが看板だった以外、全国区のスターはいなかったようで、7月のメキシコシティ大会では王者マスカラスがテーズの挑戦を退けている。
ざっくり言うとマンガは7割くらい正しかったと言える。
本来、歴史の湾曲は咎められるが、プロレスにおける梶原史観は芸術だ。梶原世代のファンはこんな形で、プロレスを倍以上に楽しんでいる。
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