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2021年02月25日17:18

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【映画】『ヤクザと家族 The Family』

1999年、覚せい剤が原因で父親を亡くした山本賢治(綾野剛さま)は、柴咲組組長の柴咲博(舘ひろし御大)の危機を救ったことからヤクザの世界に足を踏み入れる。2005年、ヤクザとして名を上げていく賢治は、自分と似た境遇で育った女性の工藤由香(尾野真千子姐さん)と出会い、家族を守るための決断をする。それから時は流れ、2019年、14年間の刑務所暮らしを終えた賢治だったが、柴咲組は暴力団対策法の影響で激変していた。

正直な話、藤井道人監督の『新聞記者』は世評程評価していないのですが、本作は良かったです。一にも二にも意外にも本作がヤクザ役が初めてだと言う綾野剛さまが演じている山本賢治と言う青年の20年と言う歳月と彼の事を実の息子の様に寵愛する柴咲組組長の柴咲博(舘ひろし御大)の二人が抜群に良く、脇を固める柴崎組若頭の中村を北村有起哉さまが演じて、山本の弟分である細野を市原隼人さまが演じているのですが、余計な台詞が無くても上下関係が解ってくる佇まいが素晴らしい。だからこそ短い台詞でもズシンと刺さってくるのであります。
これも因縁と言うものでしょうか。同じ日に西川美和監督の『すばらしき世界』をハシゴしたのですが、両方共にヤクザ者から足を洗って更生しようと言う男の姿を描いていてそれぞれに共通するのが親鸞上人の『歎異抄』第三章に書かれた余りにも有名な一節「善人なおもって往生を遂ぐ、いわんや悪人をや。」であり、この映画における「善人」とは1999年と2005年迄の「自力におぼれている人」の山本の姿だと自分は感じたのであります。

自分が思うにほんとうはこの人、とても弱くて誰かを頼りたくて堪らないけれども、それを人に見せるのが嫌でそれが故に必要以上に「強さ」や「男らしさ」と言う鎧で身を固めているのですがあの名作『スリー・ビルボード』でサム・ロックウェルさまが心血を注いで演じた保安官補のディクソンと表裏一体のキャラクターでありまして、それが故にとても愛おしく感じたのでありました。


それにしても何の為の暴力団対策法だったのでしょうか?受け皿を用意していないまま「反社」で一括りにして、臭い物には蓋をして無かったことにしてしまう。組を抜けて5年間はスマートフォンも契約出来ず、まともな職にも就けず、更に生活保護の対象外にされてしまう。本当にあくどい連中は益々地下に潜って合法化を装い、映画の後半で描かれていたように磯村勇斗さま演じていた木村翼がサラリーマンを脅してコンビニのATM迄連れていく描写がありましたが、これでは何の解決にもなっていないのであります。



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