クリスマスも近いので、かねてから作ってみたいと思っていたローストビーフに初チャレンジ。
ローストビーフは既に加工されたものを買ってくると簡単だが、値段がバカ高いのが難点。一方で、牛のもも肉のブロックは元々そんなに高価な肉ではない。自分で作れるなら割と安価になる。
とは分かっていても、すっごく問題なのか、そもそもブロック肉を手に入れるのが困難。関西には「肉のハナマサ」のようなお店がない!
ネットで調べてみると、確かに皆さんお困りで、なんで肉のハナマサが関西にはないのか? という問題にぶち当たる。恐らく、関東の人口と関西の人口の違いではないか、と勝手に推察するが、一つの意見として、「大阪では売れないものをいつまでも店頭に並べておかない」という話がある。
要は、牛肉も薄切りとかミンチなどは一定の需要があるし、ステーキ肉もしかりなのだが、ブロックのまま買っていく人はまれにしかいない。店頭に並べても売れ残ったら結局次の日にミンチにして売るとか価格は低下する。それより、売れる形状でどんどん捌いていくってことだろう。
まだ、薄切りにされる前に(つまり朝に)スーパーで交渉してブロックで売ってもらう、という方法があるらしい。やったことはないので本当にできるのかは不明。通常の肉屋なら当然可能だが、肉屋とスーパーでは販売価格が違うからスーパーで買っているのである。
前振りはそんな感じで、とにかく今日は牛モモ肉があるかどうか、を見に行くことにした。そしたら、おあつらえ向きにブロックが店頭に並んでいた。
なるほど、クリスマスシーズンで、自分でローストビーフを作る、という需要のある季節になったので、店頭に並べて見た、というところだろう。100g200円のブロックを購入した。一塊400g程度のもの。
ローストビーフにするときには、肉をしばらく室温放置して、温まったほうが良い、という事らしいので、家に帰ったらまず塩コショウで味を付けてから、しばらく室温で放置した、大体1時間弱。
その後、大きな鍋で湯を沸かしながら、隣のコンロで肉を焼いていく、この段階で中まで火が通ちゃうとだめなので、基本的に表面に焦げ目が付くぐらいの感じで強火で焼いていく。
フライパンの上で、転がしながらすべての面を焼いたら、火からおろし、アルミホイルで包む。気温の高い時期だとそのまま放置でも余熱で中まで火通る説、があるのだが、それはちょっと無理筋のように感じる。
アルミホイルで包んだものをさらにラップでぐるぐる巻いて、お湯につけても中まで水がしみないようにする。これを鍋に放り込む。(作ってみてから思ったのだが、ジプロックを使った方が良かったのかも)
鍋のお湯は一度沸騰させてあるので、90℃以上はあろうか、時間の加減とか微妙に分からないのだけど、一時間以上放置することにした。待っている間は外でポケモンをつかまえていた。
常識的に考えれば、1時間も放置すると中まで(お湯と)同じ温度になりそうだが、お湯の温度も下がっていくから、一体何度で平衡になるのかわからない。
そんな意味で低温調理器があれば確かに便利なのかもしれないが、本当に「使うの?」これはやはり疑問に思う。いや、関東に住んでいれば「肉のハナマサ」でしょっちゅうブロック肉を手に入れて、ローストビーフを作って楽しむ、となるのかも。
というか、元々ローストビーフは「手抜き料理」の定番みたいなもので、日曜に作っておき、月曜から土曜までそれを切って食べる、みたいなものだからそういう生活すらいるがあっている人には良いのだろう。
作ったものを早速試食してみたけど、割とうまくできました。ソースは日本食研の「ステーキソース」を使ってみた。自分でソースも作ればいいのだろうけどね、それはまた結構面倒。
できてみると、やっぱり低温調理器はいらんか、とも思う。
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■肉料理だけじゃない! 「低温調理器」冬の使いこなし術
(AERA dot. - 11月26日 11:35)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=6320291
「低温調理器」をご存じだろうか? その名のとおり食材を低温で加熱するもので、フランス発祥の調理方法だ。実はこれ、一台あればいろんな料理が作れるスグレモノ。冬の“おうちごはん”の強い味方になるはず!
【家電ライター・コヤマタカヒロさんおすすめの低温調理器はこちら】
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「家で本格的なローストビーフやサラダチキンが作れる!」と話題の低温調理器。焼く、煮る、蒸すという調理法が基本だが、低温調理は“第四の調理法”と言われている。
低温調理とは、食材や調味料を密閉袋に入れ、沸騰させない低温の湯で時間をかけて食材を加熱していくというもの。肉や魚に含まれるタンパク質は加熱されると硬くなり、水分が抜けてしまう。低温でじっくり加熱すれば、食材が硬くならず、ジューシーに仕上げることができるのだ。
かつてはプロ用の厨房機器がないと低温調理ができなかったが、家庭用のものが開発され、日本でも数年前から広がりを見せている。
「以前はアメリカ製の『ANOVA(アノーバ)』が並行輸入で入ってきていましたが、2017年に日本製の『BONIQ(ボニーク)』が発売され、一気に注目度が高まりました。BONIQはデザイン的にも優れており、日本の低温調理器の代表格になりました」
そう話すのはデジタル&家電ライターのコヤマタカヒロさん。自ら台所に立ち、低温調理器の魅力を実感しているという。
「低温調理器で作る人気料理はローストビーフなのですが、これをホームパーティーで出すと確実によろこばれます!時間と温度を間違わなければ失敗しないので、料理が苦手でもローストビーフが作れてしまうんです。また、コロナの影響で外食を控えるようになったのも追い風になり、低温調理器も売れています」(コヤマさん)
昨年10月に低温調理器を発売したアイリスオーヤマでも、今年9月には、3月と比べて約5倍の売り上げを記録したという。
「コロナの影響で自宅で食事をする機会が増え、電気圧力鍋やホットプレートなど、調理家電全体の売り上げが好調です」(アイリスオーヤマ広報室)
現在、さまざまな種類の低温調理器が販売されているが、価格帯は1万円以下から3万円を超えるものまでと幅広い。
「低温調理器は、タイマーで時間を設定し、鍋の中の水を温め、循環させて一定の温度に保つというシンプルな機能。なので実は機能面ではそんなに大差はありません。設定温度まで温度を上げる加熱速度が速い、0.1度単位で温度が設定できるといった性能の差や、スマートフォンと連動して操作できるといった付加価値はありますが、1万円台のものでも十分力を発揮してくれます」(コヤマさん)
コヤマさんにおすすめの機種を挙げてもらった。いずれも手頃な価格で、日本のメーカーが販売しているので、購入後のフォローも安心だろう。
とはいえ、「低温調理器を購入し、はじめは物珍しさからローストビーフなどを作っても、結局使わなくなりそう」と思う人がいるかもしれない。しかし、料理研究家でシェフの川上文代さんによると、むしろ料理の幅が広がり、食卓が豊かになると断言する。
「一定の温度での調理が可能な低温調理は、料理が苦手な人でもプロをしのぐ料理ができる、家庭料理の大革命ともいえる調理方法です。食材に均一に、確実に火入れできるので、『焼きすぎた』といった心配もなく、誰でも自信を持っておいしい料理を作れます」
低温真空調理の料理本を執筆し、主宰する料理教室でもレッスンを行っている川上さんに、低温調理器を使った料理の基礎を教えてもらった。
まずは低温調理器のほかに、耐熱性のある密閉袋と深さのある鍋を準備する。密閉袋に食材や調味料などを入れて、鍋の湯に沈めるだけだが、袋の中の空気を抜いて真空状態にする必要がある。
「真空にするのは、熱を均一に素材に伝えるため。密閉すると食材の味や香り、栄養素が逃げず、食材に調味料が浸透しやすくなります。真空パック機があれば便利ですが、なくてもお湯に沈めるときに水圧で空気を抜き、しっかり閉じれば大丈夫」(川上さん)
温度や時間の設定は、食材や料理によって異なるが、同じ温度であれば、密閉袋に入った複数の食材を同時に加熱することができる。一方、低温で加熱するため、細菌を死滅させることができず、食中毒を心配する人もいるという。
「正しく衛生管理された、新鮮な食材を使うことが第一。細菌がいちばん繁殖しやすいのは35度前後で、75度以上は安全と言われていますが、高温で加熱すると食材がパサついてしまいます。厚生労働省の加熱食肉製品の規格基準では、『中心部が63度で30分以上加熱もしくは同等の加熱殺菌をした食肉製品』とありますので、それを目安に加熱しましょう」(川上さん)
肉や魚、卵などに多く含まれるタンパク質は、加熱温度を上げると変性する性質がある。55度以下なら肉汁を保てるが、それ以上の温度になると水分が抜けてパサついてしまうという。
「加熱用の肉や魚などは安全策を取ってゾロ目で覚えやすい値の66度未満を保って調理すればタンパク質を極力壊さずに調理でき、しっとりとおいしく仕上げることができます」(川上さん)
厚みのある食材を加熱するときは、加熱時間を長めにするか、薄く切って加熱したほうがいいという。
加熱後はすみやかに食べたほうがいいが、すぐに食べない場合は袋ごと氷水につけて急速冷却し、しっかり冷ましておけば冷凍、冷蔵保存できる。
川上さんに低温調理器を使って簡単にできる料理を4品教えてもらった。肉料理のイメージが強いが、魚や野菜料理にも活用でき、失敗せずに温泉卵も作れる。
「生で食べられる刺し身用の魚や帆立などを低温調理器で加熱すると、生臭さが消え、ねっとりととろけるような食感が味わえます。火加減が難しい煮魚も、少ない煮汁で焦げ付かせることなく仕上げることができます。野菜はピクルスや浅漬けを短時間で作れますし、果物ならコンポートやフルーツソースが簡単に作れますよ」(川上さん)
取材を進めた記者は居てもたってもいられなくなって低温調理器を買ってしまった。真っ先に作ったのは憧れのローストビーフ。厚さ約1センチのステーキ肉でも、低温調理なら中身はミディアムレアという絶妙な火入れが簡単にできる。
肉にフォークで穴を開けて塩コショウをすり込んで下味をつけ、ハーブと一緒に密閉袋に入れる。55度で50分加熱したら肉を袋から取り出し、バターを溶かしたフライパンでさっと表面に焼き色をつけたら完成だ。
ナイフでカットすると、肉の内側はほんのりロゼ色。スーパーで買った100グラム398円の外国産牛肉とは思えない、柔らかくてジューシーな仕上がりに大満足だった。
食材や調味料を袋に入れるだけという手軽さに加え、調理中は何もしなくてもよくて、後片付けも楽。しかも失敗なく、おいしくできるなんて最高だ。年末年始の食卓を彩ること間違いなし。この冬、ぜひ挑戦してみてほしい。(ライター・吉川明子)
※週刊朝日 2020年12月4日号
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