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2020年12月05日01:58

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たまてばこ温泉

旅行二日目

 朝起きると日の出前だった。
 窓の外に上ってくる朝日を見て感動。

 朝日が出たのを見てから、朝食会場へ。
 ビュッフェ形式の朝食。各自にポリエチレンの手袋が用意されていて、感染症対策は最大限されていると感じた。ただ、手袋をしてない方の手でハンドリングする人は多い。それは意味ないのでは? 
 ビュッフェでは基本的に洋食を食べるのが私の習慣。今朝はパンケーキにメイプルシロップを掛けて食べる。
 おかずは品数が多く、ソーセージ・ハム・ベーコンなどの肉類のほか、目玉焼き・温泉卵などの卵料理も充実している。フルーツは一人分ずつカップに入っていて、自分の好きな果物を選んで食べる、ということが出来なかったのは残念だが、コロナ禍の中では致し方なかろう。デザートにはプリンをいただいた。
 
 食事を楽しんだのち、路線バスを使って「たまてばこ温泉」に向かった。開聞岳を望むインフィニティー温泉で九州でも一番の人気温泉だとか。宿からは路線バス一本でアクセスできる。小一時間のバス旅でバス停を降りると、そこで作業していた地元のおじさんに、
 「温泉は休みだよ」
 と衝撃の事実を告げられる。(ちゃらりーん、鼻から牛乳♪)
 何と配管工事のため臨時休業しているとか。しかも今日だけではなく、私の滞在期間中ずっと休み。酷い・酷すぎる。とは言え、事情が事情なので仕方なかろう。隣接する砂蒸し風呂はやっているらしい、おじさんが電話で問い合わせてくれて、バス停まで迎えの車を出してくれるという話で落ち着いた。

 気を取り直して、伏目海岸にある、「山川砂蒸し温泉 砂湯里」に行く。
 この辺りは、海岸に温泉が湧き出ていて、砂浜が天然の砂蒸し風呂として機能している。お客は少なく、閑散としていた。海を眺めながらの砂蒸し風呂は最高の気分。波打ち際で、ひいては打ち寄せる波の音しか聞こえない。晴れていて太陽はまぶしかったが日よけの傘を展開してもらい顔は日陰になる。
 ここの砂風呂は、(別府のように)砂かけ婆が砂を掛けてくれるのではなく、イケメンの砂かけ師がやってくれる。通常15分ほどの入浴時間が標準的なようだが、砂の温度は快適で30分ほどじっくりと汗を流した。
 砂から出たのち、シャワーで砂を流してから湯船で入浴。ぬるめのお湯でこちらも良かった。泉質は硫黄臭の少ない塩味のするお湯。開聞岳も近く、腐食性の温泉が湧いている。こんな土地なので、配管が腐食して時々工事が必要なのも頷ける。
 入浴後、路線バスの時刻が迫っているのでバス停に向かう。ふたたび路線バスにゆられて長崎鼻へ向かう。長崎鼻は海に突き出た岬で、浦島太郎の像や乙姫様を祭った竜宮神社がある。行ってみて初めて知ったのだが、浦島太郎と乙姫は、神武天皇のおじいさんとおばあさんらしい。(作り話なんだろうけど)
 長崎鼻周辺の砂浜にはアカウミガメが産卵に来るらしい。いや、温泉湧いているんだよね、下手な場所に産卵すると、全部ゆで卵になっちゃうのでは? 残念ながらこの疑問に答えてくれる人はいない。
 長崎鼻には灯台があって、その先溶岩が広がっている。潮が引いているとかなり沖合まで溶岩の上を歩いて行くことができるので、灯台から300mぐらい先まで歩いてみた。海に近づくと海水が溜まっているプールがいくつもある。水は透き通っていて、ここで泳いだら最高だろう。水着を持ってこなかったのが残念でならない。実際の所、泳げるほど暖かいとは考えてもみなかった。(つくばにいた時には12月初旬までプールで泳いでいたので、暖かい日なら12月でも泳げるのは当り前)
 ひとしきり散策した後、お土産屋さんに入る、試食したり焼酎を試飲したりして、なま節と焼酎を購入する。買ったのは「さつま竜宮」という限定品。この売店でしか売ってないらしい。現実的には、ラベルだけが限定で、おそらく他の銘柄と同じ焼酎が入っているのだろうが、鹿児島の芋焼酎は銘柄が数えきれないほどあって、どれと同じものなのか自分の舌で確認するのは至難の業だと感じる。芋の香りがある鹿児島らしい一品。1800円でした。
 長崎鼻からの開聞岳は素晴らしい眺めです。開聞岳は薩摩富士とも呼ばれる成層火山で、そのフォルムは本当に美しい。海に突き出た場所にそびえているので、長崎鼻からは何も遮るものがないから、全貌が美しく海の上に山が突き出ている。
 
 お土産も買えたので、路線バスを利用して、その開聞岳の方に向かう。JRの開聞駅でバスを下車。ここから汽車に乗って帰るつもりなんだけど、次の16時45分の汽車までは1時間半ほど時間がある。そこで、開聞駅周辺を散策することにした。
 駅から出て、開聞小学校の方に向かう。下校中の小学生は全員はきはきとあいさつして来る。とても気持ちが良い。道すがら、松月堂、という和菓子屋さんを見つける。ここで売られている「きんかん最中」は絶品。白あんに煮詰めた金柑を混ぜたあんを使っていて金柑のさわやかな香りが口いっぱいに広がる。お土産屋に出荷するほどの生産量ではない様子で、恐らくこの店舗でしか購入できない。後に鹿児島のお土産屋さんで「きんかん最中」の有無を尋ねてみたが「ない」とのこと。なかなかの貴重品。一個120円。
 さらに歩みを進めて、「牧聞神社」まで行く。背に開聞岳をたたえるこの神社は是非行ってみたい場所。社殿には様々な装飾が施されていて、去年訪れたプサンの寺院と共通するものがある。文化的に大陸とまじりあう地域なので、そういう目で見ると面白い。シーサーのような飾りもあり、琉球の文化も入っている。様々な地域を旅して来ると、人の往来を感じさせるものが見られるのでとても分かり易くなる。旅は津々浦々に行うのが吉。
 そろそろ汽車の時間が近づいたので駅に戻ることにする。開聞駅にはプラットホームは一つ。過去には行き違いの線路があったことが分かる構造だが、現在はポイントも外され単線のみ。駅には券売機はなく、飲み物の自販機もない。もちろん改札のない無人駅。配電設備がないので、列車の遅れが生じても乗客に知らせるすべがない、指宿駅の電話番号が書かれていて、電話で問い合わせ、とのこと。ローカル線の情緒が味わえる。駅前には車が迎えに来れるような広い場所がある。しかし、汽車が来ない時には閑散としていて、子ども一人いない。汽車が到着する3分ほど前になって何台か車が入ってきた、多分お迎えの車。ほどなく汽車が到着する。乗り込んでみるとほとんどが下校中の高校生。3駅行ったところに鹿児島県立頴娃(えい)高校があるのでそこの生徒だろうか?あるいは枕崎の県立枕崎高校か、いずれにせよ、下校に適した時間帯に1本しか汽車がないのはとても不便だろう。ローカル線沿線の不便さは信じがたいほどだが、逆に考えると「居残り」とかないんだろうね。
 列車は指宿方面鹿児島中央行の普通列車。現在この枕崎線の指宿から先には普通列車しか設定がない。単線でディーゼル車のみの運転だが、線路わきの植物を伐採する費用も十分にないのだろう、植物が生い茂っており、汽車にぶつかる・ぶつかる。窓開けてたら、確実に色々飛び込んできそう。東開聞、薩摩川尻と停車して、日本最南端の駅(だった)西大山に停車する。かつてはここが日本最南端の鉄道駅だったが、那覇にモノレールが開通したのでその地位は簡単に失われてしまった。幸せの黄色いポスト、が駅のシンボル。ここから手紙を出す人も多いのだろう。(てか、乗客はほとんどいないので、おそらく多くの観光客は鉄道ではなくレンタカーで来るんだよね。JR九州は苦境だな、、、)

 汽車は続いて大山、山川と停車する。山川駅付近は鉄道からでも絶景の景色が広がる。そして峠越え。エンジンをうならせながらのろのろと上り坂を登り、ピークを過ぎると速度を上げて快調に走り、指宿駅に滑り込む。運賃は380円。
 駅からはまた路線バスで宿に戻る。バス停でバスを待って乗りこむ。運転手さんはさっき乗ったときと同じ人でした。
 少し時間があるので、入浴して身体を温める。二階にある展望風呂「松雲」へ行くと、他には一人しか入ってなかった。元禄風呂と砂蒸し風呂が売りの宿なので、展望風呂に行くほど皆さん時間はないらしい。泊まっている客の多くは団体旅行で、朝から晩まで観光して、夜だけ宿に寝に来るイメージ。大英博物館で走ってミロのビーナスだけ見に来る観光客と同じスタイル。
 夕食は今夜も和食の懐石料理。晩酌は「大和桜」(芋焼酎)を注文した。昨日すべての皿をきれいに平らげたイメージがあったのか、今夜は大きな器に鯛のあら煮を一尾分入れてきた。あら煮とは言え元の鯛がでかい、結構な量がある。まじめに全部平らげたが、後半で出されたてっちりを食べるころには既にお腹いっぱい、それでも貴重なてっちりを味わわないわけにはいかない。最後の揚げ物はほとんど食べられず。お食事も赤だしは味を見ただけ、ご飯は3分の1ほど食べてギブアップ。デザートにメロンとケーキが出てきたが、メロンはそもそも美味しくないものだった。ケーキも何とか半分食べただけ。
 お腹はち切れそうな感じで部屋に戻る。夜もひと風呂浴びようと思っていたが、動くことも出来ずに夜が深まった。

 おやすみなさい
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