…正午まで、アルバイト。
その足で、国立映画アーカイブへ行く。
午後1時、木村惠吾監督の「幸福の限界」を。
午後4時、豊田四郎監督の「風ふたゝび」を観てまいりました
1時の回と4時の回の間に、ひさしぶりに新富町の京橋図書館を覗く。…つい映画のDVDを借りてしまった。
☆「幸福の限界」(1948)監督 木村惠吾 出演 原節子、藤田進 小杉勇、田村秋子、市川春代、沢村貞子、斉藤達雄、南部章三、近衛敏明、旗桃太郎、赤木はるみ
『石川達三の同名小説を新藤兼人が脚色し、女性にとっての結婚と幸福を問いかけた作品。
原節子は、参加する劇団の演出家に好意を抱きながらも、「結婚は性生活を伴う女中奉公に過ぎない」と否定する近代的な女性の役。快活に動き回る序盤から葛藤に身動きが取れない終盤まで、これほど喜怒哀楽を豊かに演じ分けるのも珍しい。』
“女性にとっての結婚と幸福”…現代にも十分に通じるテーマであり、これが昭和23年の作品であることに非常な驚きを感じましたッ!
原節子演じる主人公由岐子の生き方、ライフスタイルは、現代の女性のそれの先取りとも言えるでしょう。
…そういう意味では、脚本の新藤兼人って、やはり当時としてはかなり進んでいたんですね。
そう、かなり時代を先取りした作品だったのではないでしょうか。
☆「風ふたゝび」(1952)監督 豊田四郎 出演 原節子、池部良、山村聰、浜田百合子、杉村春子、菅原通済、御橋公、三津田健、龍岡晋、十朱久雄、鴨田清、村上冬樹、三條利喜江、南美江
『離婚した香菜江は叔父夫婦の家に住み、映画館の売店を手伝っている。彼女は大学教授の父の急病をきっかけに知り合った2人の男から好意を寄せられ、異なるタイプの男性の間で揺れる。
原節子は若々しさと落ち着いた色香が混在した魅力を発揮。原節子の実兄・会田吉男が撮影を担当し、多くのクローズアップで美貌を捉えた。』
「文芸映画の巨匠」と呼ばれた名監督、豊田四郎。…彼のわりと初期の作品でありますが、さすがに安定した語り口の恋愛映画に仕立てあげています。
…こんなにも“情熱的な”原節子って、初めて見たかも知れない。
池部良も、山村聰も、2人の男どもがそれぞれに個性的で、そのあたりも巧い。
特に、山村聰の世馴れた男の小狡さや懐の深いところなどいいですねぇ。
…永井龍男の原作で、脚色は植草圭之助でした。
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