mixiユーザー(id:4535387)

2020年11月23日01:26

51 view

名曲は時を超えて〜NHKドラマ『こもりびと』をみる。

フォト


※画像はドラマ『こもりびと』の1シーン

高校生のころブルーハーツをよく聴いた。

憲さんは『青空』が、好きだった。

https://youtu.be/d7yQHNntX4I

♪生まれたところや皮膚や目の色で、いったいこの僕の何がわかるというのだろう♪

このサビの部分に、ガツンと頭を殴られたような衝撃を受けた。

30年以上前の歌だが、未だに色褪せない名曲ではないだろうか?

というか、アメリカの現状をみると悲しいことに世界が30年前と余り変わっていない、いや、もっと悪くなっているということか?

このドラマにはこの30年前に歌われたブルーハーツの曲と歌詞が「キーソング」として登場する。

この令和の時代に昭和のパンクロックの名曲が流れたのは意外であった。

その歌詞の全文がこれだ。

『チェインギャング』

作詞・作曲: 真島昌利

僕の話を聞いてくれ 
笑い飛ばしてもいいから
ブルースにとりつかれたら
チェインギャングは歌いだす
仮面をつけて生きるのは 
息苦しくてしょうがない
どこでもいつも誰とでも  
笑顔でなんていられない

人をだましたりするのは  
とってもいけないことです
モノを盗んだりするのは 
とってもいけないことです
それでも僕はだましたり 
モノを盗んだりしてきた
世界が歪んでいるのは 
僕のしわざかもしれない

過ぎていく時間の中で 
ピーターパンにもなれずに
一人ぼっちがこわいから  
ハンパに成長してきた
なんだかとても苦しいよ 
一人ぼっちでかまわない
キリストを殺したものは 
そんな僕の罪のせいだ

生きているっていうことは 
カッコ悪いかもしれない
死んでしまうという事は 
とってもみじめなものだろう
だから親愛なる人よ 
そのあいだにほんの少し
人を愛するってことを 
しっかりとつかまえるんだ

『チェインギャング』
https://youtu.be/o2R9oVqOksA

ちなみに、「チェインギャング」とは、英語で「Chain Gang」と記述してアメリカのスラングで、脱走などしないように互いを鎖でつないだ囚人との意味になるのだそうだ。

歌詞の意味は今聴いても難解だが、高校生の時はよくわからなかったが、何か深い哲学的な匂いだけは感じ取った。

で、この曲はじめ、ブルーハーツの曲がいわゆる「キーソング」となっているドラマが、今日NHKで放送した「こもりびと」である。

そのあらすじはこうだ。

以下、Wikipediaより引用。

元教師の倉田一夫(武田鉄矢)は地域から尊敬を集める存在だが、彼には世間にひた隠しにする秘密があった。重度のストレスを抱えて働けなくなった息子の雅夫(松山ケンイチ)が10年以上にわたり自室にひきこもりっているのだ。過去に何度も息子を立ち直らせようと試みたが雅夫はひきこもりから抜け出すことが出来ず、現在では立ち直らせることを諦めてしまった。しかし一夫は余命宣告受けたことを契機に、最後にもう一度雅夫と向き合うことを決意する。一方の雅夫は、閉ざされた自室の中で人知れず、ひきこもりから抜け出そうとひとりもがき苦しんでいた。

以上

参考

『こもりびと』
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%81%93%E3%82%82%E3%82%8A%E3%81%B3%E3%81%A8

このドラマのNHKの制作意図は、かつては若者に特有のものとされた「ひきこもり」が、内閣府の2017年の調査により「中高年のひきこもり」が61万人に上ることが明らかとなり、世代を問わず多くの人にとって身近なテーマとなっていることを受け、NHKが多方面から改めて考える機会を提供するため「#こもりびと」と名付けたプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトの企画の一つとして、高齢の親が中高年となったひきこもりの当事者と共に社会から孤立してしまう「8050問題」の実態に迫るドラマとして本作が制作されたそうだ。

参考

【8050問題】
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/8050%E5%95%8F%E9%A1%8C

「こもりびと」という言葉も神奈川県大和市が「ひきこもり」よりも温かみのある呼び方をと名付けた呼称であるり実際に使われているそうである。

憲さんの周囲にはいわゆる「引きこもり」の人がいないので、余り関心がなかったテーマであったことは否めないが、このドラマをみて、いわゆる「8050」問題が現代社会の病理と深く関わっていることを再確認させられた。

そして、いわゆる「こもりびと」の心情を代弁しているのが、このブルーハーツの歌う「チェインギャング」の

「仮面をつけて生きるのは 
息苦しくてしょうがない
どこでもいつも誰とでも  
笑顔でなんていられない」

であり

「世界が歪んでいるのは 
僕のしわざかもしれない」

であり

「一人ぼっちがこわいから  
ハンパに成長してきた
なんだかとても苦しいよ 
一人ぼっちでかまわない
キリストを殺したものは 
そんな僕の罪のせいだ」

という歌詞なのだ。

このドラマは現在を舞台にしており、「こもりびと」の主人公は40歳の設定。憲さんと一回り違いブルーハーツをリアルタイムでは聴いていない世代ではないだろうか?

しかし、名曲とは時代を超えて普遍性を持つことを再確認させられた。

そして、このドラマは「家族」というもの、「働く」ということ、そして「生きる」ということを、登場人物の「生と死」を通して静かにみるものに語りかけて来る。

松山ケンイチと武田鉄矢のいぶし銀の演技も相まって極めて感情移入させられる秀逸なドラマであった。

まさに、「5080」当事者世代であり、このコロナ禍において、「にわかこもりびと」の憲さんにとってはズッシリと腹に響く骨太なドラマでした。

悔しいですがNHK、いい仕事しています。

どーよっ!

どーなのよっ?
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する