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2020年11月17日15:30

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死者の怨念は存在するのか?−秩父貯水槽殺人事件に思う

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憲さんの好きな古典落語に「野ざらし」という噺がある。

憲さん、やはり志ん朝師匠の「野ざらし」が好きだった。

志ん朝師匠の「サイサイ節」は、艶があって本当にうまかった。

最近聴いた小遊三師匠の「野ざらし」も楽しい。

この「野ざらし」という噺はこうだ。

以下、引用。

三遊亭円遊の噺、「野ざらし」によると・・・。

独り者の”八っぁん”が、朝一番で同じ独り者の隣の隠居の家に訪ねてくる。夜中に女の声がするので壁越しに覗くと16〜19歳のいい娘がいた。そのいい娘はどうしたのだというと、向島三囲神社の土手下で釣りをしていると、雑魚一つ掛からない。帰ろうとすると、烏が三羽飛び立ったので見ると人骨野ざらし、ドクロが転がっていた。回向を施し酒を掛けると気のせいか赤みをさした。夜中目を覚ますと、向島からお嬢さんが訪ねてきた。聞くとこれで浮かばれますので、今宵一晩お身体をさすりましょうと言うわけで、あれは幽霊がお礼に来たのだ。と聞いて、釣り嫌いの八っぁんは無理矢理竿を 借り出し、向島へ。
隠居の所に来た娘より年増の方が良いな、とか釣り人を見てどんな女を釣るんだ〜、と怒鳴り、大勢の釣り人をかき分け、餌も付けずに竿を出すので注意をすると、餌なんかいらない、鐘が鳴れば良いので・・、と川面をかき回す。注意をすると、かき回すとはこうするのだ!と、本気でかき回してしまう。釣り人たちはあきれて、ただ見ているだけで、八っぁんの一人舞台。置き忘れた弁当を食べてしまうし、「これで弁当と女が付いて毎日来ても良い」と言う。そこにムクドリが飛び立ち、今晩の色事をああでもないとか、こうでもないとか想像していると、自分のアゴを釣ってしまう。

以上、引用終わり。

参考

http://ginjo.fc2web.com/32nozarasi/nozarasi.htm

という憲さんの大好きな妄想全開落語である。

この噺、滑稽噺ではあるが、幽霊が出てくる。

こんな色っぽい幽霊なら是非とも出てきてほしいものであるが、幽霊などいるわけはないと、唯物論者で無神論者の憲さんは確信しているのだが、その確信が揺らぐ話を耳にした。

落語「野ざらし」の幽霊が出てくる楽しい話から一転してここから、陰鬱な話となる。

先日、テレビを何気なくみていたら「警察業界ミステリーSP・警察業界を騒然とさせたミステリー事件」という番組を放送していた。

その中の最後のエピソードが大変印象深かったので紹介しよう。
その、エピソードのタイトルがこちらである。

「警察VS不審な目撃者…不審人物は死者!今も語り継がれる、背筋も凍る怪事件」

はじめはテレビ局の作ったオカルト系の与太話かと思っていたが、そうでもなさそうであり最後までみてしまった。

その、中身はこうである。

埼玉県の田舎町で、夜道、黒髪に黒い服を着た女性が何やらブツブツ言いながら立っている。目撃者が何人もいる。

すると、後日その目撃現場の近くの浄化槽から女性の死体が発見された。それが黒髪で黒い衣服を身に付けていてあの目撃情報とそっくりなのだ。

状況から殺人事件として調べると被害者の身元が特定され、犯人もあっさり捕ったのだが、何と幽霊騒ぎが起こり始めたのと、死体が捨てられた時期が一致しているというのだ。
すなわち、殺された被害者が幽霊となって「早くアタシを発見して」とつぶやいてあらわれたのではないかというのだ。

にわかには信じられないことである。

実は憲さん心霊スポットマニアである。

しかし、それは霊の存在を信じてそのような場所に興味を抱いているのではない。

大きな事故が起こった場所や殺人現場などでは、後に「幽霊が出る」と噂になる場所は多い。しかし、それらは目撃者の先入観から来る見間違いであることは、心理学的に容易に証明されるであろう。

よって憲さんの興味は、なぜそこで「幽霊話」がおこるのか地域史学的、民俗学的にアプローチする意味で興味がわくのであるが、今回の話しはそれらとは様相が全く違う。

殺人事件の事実を土地の人が知る前からその幽霊の目撃談が相次いでいるのである。

これは科学的にはいささか証明しづらいのではないか?

そこで憲さん調べてみた。

テレビ番組では「埼玉県の田舎町」とされていたが、何とそこは以前憲さんも通った事があるかもしれない場所だった!

・・・

1884年11月、埼玉県秩父地方で秩父困民党の武装蜂起が起きた。11月1日の夜、椋神社を出発した困民党は11月2日には、札所23番音楽寺の鐘を乱打し、竹の鼻の渡しで荒川を渡り、大宮郷(現在の秩父市)へと進出した。
 
竹の鼻の渡しは、この付近では荒川が一番浅くなっている部分であり、渡渉しやすかったのである。

この竹の鼻の渡しは今は当然廃止されており、現在は武の鼻橋が架橋されている。

この武の鼻橋の西側にある地区が寺尾地区である。

かの幽霊事件はこの埼玉県秩父市寺尾地区で起こった。

この寺尾地区に秩父霊場二十二番札所としても知られている永福寺(童子堂)がある。

殺人事件はこの永福寺の近辺で起こった。まさに困民党が荒川を渡渉した竹の鼻の渡しの渡渉地点で起こったのである!

そして、実は憲さん以前にこの場所に困民党フィールドワークで訪れていたのだ!

怖い〜((( ;゚Д゚)))

事件の詳細はこうである。

以下、引用。

1976年(昭和51年)ごろから、この近辺に幽霊が出るという噂が広まり始めた。あるタクシー運転手が、深夜にこの辺りを走っていた時、道端にうずくまっている女を見つけ、具合でも悪いのかと車を停めて近寄ってみると、女の顔が腐ったようにドロドロに溶けており、びっくりして逃げ出すという事件があった。
同じような時期、このタクシー運転手だけではなく、実際に幽霊らしきものを見た、という人が何人も現れている。
翌年の1977年(昭和52年)になると、騒ぎはますます拡大し、「自分も顔が溶けた女を見た」という人が後を立たなかった。寺であるから確かに墓場はあるし、幽霊話が出ても不思議ではないのだが、顔が溶けた女という具体的な証言が多いのが不思議な共通点であった。
1977年(昭和52年)12月1日、永福寺の門の近くの山道で「おばけがでる」とチョークで書かれた30cmくらいの石が発見された。しかもこの石は誰もいじってないのに、いつの間にか移動しており、毎日、場所が変わっていたという。
そしてその一週間後である12月7日、事件が発覚した。
この石の近くには、防火用の貯水槽があるのだが、地元の消防団の男性がたまたま消防の業務の一環で、この防火用貯水槽のフタを開けてみた。
その瞬間、異様な臭(にお)いが貯水槽の中から漂ってきた。
中を見てみると、水の中に人間の背中が浮いている。
「死体だ!」と大変な騒ぎになった。
引き上げて地面に横たえてみると、顔は腐ってドロドロに溶けており、この近辺で起こっていた「顔が溶けた幽霊」の証言にまさにピッタリであった。
検視の結果、奥歯の治療跡から身元が判明し、以前から行方不明になっていた21歳の女性「Yさん」だということが分かった。彼女は妊娠していた。
この貯水槽が、最後に点検されたのは、約一年前であり、死体は点検の直後に捨てられたものとみられた。また、幽霊騒ぎが起こり始めたのも、死体が捨てられた時期と一致していた。
すぐに殺人事件として捜査が開始されたが、捜査開始から3日後、この女性と付き合っていた男性が判明し、問い詰めたところ、犯行を自供したために即座に逮捕された。
捜査開始当初は、手がかりの乏(とぼ)しい事件として難航が予想されていたのだが、わずか3日で解決するという、予想外の展開となった。地元の人たちは、これも幽霊の仕業ではないかと噂した。

以上、引用終わり

参考

http://ww5.tiki.ne.jp/~qyoshida/sinrei/105chichibu.html

しかし、これだけならよくある幽霊与太話だが、この事件に信憑性を持たせているのが当時の毎日新聞埼玉版に「『幽霊のウワサ』やはり・・・ 女性の無残死体発見の秩父」とデカデカと取り上げられたのだ。

それが、画像の記事である。

記事には当然ながらその防火用貯水槽のあった住所も書かれている。

それが「秩父市寺尾川端3459-3」(毎日新聞より)である。

憲さん、新聞の情報は信じちゃう人ハート

それも毎日新聞となれば・・・。

それにしても、本当にこんなことがあるのかね〜?

にわかには信じられませんが、地域の人が嘘を言ってるとも思えないし・・・。

憲さんこの話聞いて「怖い〜」と思うより、「人間の怨念とは、本当にあるのかな〜?」と感心してしまいました。

憲さんも「野ざらし」のような幽霊なら会ってみたいと思いますが・・・。

この被害者の女性の冥福を心から祈らないではいられませんでした。

合掌。

どーよっ

どーなのよっ?
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