昨夜の続きで
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)作曲
チェロ・ソナタ第３番イ長調Ｏｐ．69
Ｖc：ルイス・クラレット(1951〜)
Ｐｆ：岡田 将
久しぶりに聴くと、こちらも悪くない。歳を重ねないと出ない渋いチェロ。
であるけれども衰えは全く感じない。共演を重なる岡田さんのお話しによると年々進化
を続けている、との事。多数の盤を出している、との事であるが、ベートーヴェンの
チェロ・ソナタは未収録であった。折角だから残そう、と岡田さんが誘って全集が実現
した。
Ｏｐ．で言えば67が「運命」、68が「田園」。つまりベートーヴェンがロマン
ローランの云う「傑作の森」時代を迎えた時期の作品。溌剌。37〜38歳の作品。
元々ヴァイオリンソナタとして構想されていた。そう言えば９番「クロイツェル」は
同じイ長調。似ている所もあるがチェロがタタタタンと「運命の動機」を奏でる。
第３楽章Adagio cantabileではピアノの旋律にチェロのロングトーンがオブリガード
になる。
ピアノソナタ第26番変ホ長調「告別」Ｏｐ．81a
Ｐｆ：仲道郁代
今回、曲目に本曲が入っている。ベートーヴェンがウィーンを離れるルドルフ大公に
別れを告げる意味で作曲された。離れる理由がナポレオンのウィーン侵攻であった
ので、まかり間違うと永久の別れになってしまうかもしれない、そういう思いが
伝わってくる。終楽章「再会」で、それらは飛び去り、只々再会の喜びが表現される。
先程のチェロ・ソナタ第３番は仲道さんのピアノで生演奏を聴いた。ゆえに今夜は本盤
を選んだ。
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