2020年08月29日19:00開演
出演者(敬称略)
Ｖｎ：小林 加奈
Ｐｆ：山田 千愛
後半のコンサート、実は先日、神戸市立博物館で行われたPREMIUM CLASSICAL
CONCERTと同じ出演者である。立て続けのコンサート故、曲目が重なる。
今回は小磯美術館の絵画学習室で収録された。背景にデッサン人形が映る。
曲目
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685〜1750)作曲
アウグスト・ウィルヘルミ(1845〜1908)編曲
Ｇ線上のアリア
ドイツ３Ｂの一人、大バッハの有名な作品であるが、原曲は管弦楽組曲第３番ニ長調
BWV1068の第２楽章アリア、つまりオーケストラのための作品であった。
それをウィルヘルミがピアノ伴奏付きヴァイオリン独奏曲に編曲したのが本曲である。
編曲の際、ニ長調からハ長調への移調が行われたのであるが、その結果ヴァイオリンの
4本ある弦の内の最低音の弦、G線のみで演奏できる事となった。ゆえに本曲が、この名
で知られるようになったのであるが、G線のみで演奏する事はヴァイオリニストに高い
負担を強いる事になる為、小林さんのみならず複数の方が原調のニ長調で演奏されて
いる。BWV1068は1730年代ライプツィヒ時代の作曲とされている。
サー・エドワード・エルガー(1857〜1934)作曲
愛の挨拶ホ長調Ｏｐ．12
エルガーの代表作、と言うよりもポピュラーな作品として世に定着している。
今回のヴァイオリンとピアノピアノが最も演奏機会が多いが小磯美術館マンスリー
コンサートのチャンネルにはフルート版もアップロードされているし、ピアノソロ版
を弾かれるピアニストにも出会った事がある。
私自身は近年、定期的にエルガーを聴く機会があり、勉強している所であるが、
40歳を過ぎてから評価されるようになった作曲家である。今ではエルガーは
イギリスを代表する作曲家と評される。それまでは妻の内助の功。
後に結婚して妻になる、その人へ宛てて書かれたのが本曲。テンポはAndantinoと
されている。最近の傾向としては結構速い。展開部から再現部へ戻る手前にピアノが
８小節、旋律を奏でるがカメラが山田さんを捉えていた。
ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685〜1759)作曲
Largo
同じドイツ生まれのバロックの巨匠で同年齢であるがヘンデルと大バッハは対照的な
生涯であった。ヘンデルはイギリス国王の先遣で渡英し、そのまま帰化した。
原曲はオペラ「セルセ」ＨＷＶ40の「オンブラ・マイ・フ」。
渡英の理由はオペラがイギリスで隆盛になる、と見込んでであったとも言われる。
本来は管弦楽をバックに歌手が歌う曲なので残念ながら電子ピアノだと、しんどい。
特に長い前奏を弾かねばならないから。加えて収録場所の音響が先日の博物館より
悪かったらしい。正直、悪条件の中での敢闘。しかしながら出来る範囲で精一杯の
事を、という精神は伝わった。心動かされる演奏であった。(終演)
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