【大前研一のニュース時評】伊藤忠、コンビニ海外展開で能力不足露呈
2020.8.23
日経新聞に「ファミマ、アジアで苦境」と題する記事が載っていた。ファミリーマートがタイの合弁会社の出資を引き揚げたことに加え、中国では現地のパートナーとの訴訟が続いて撤退の可能性も浮上しており、ファミマの完全子会社化を目指す親会社の伊藤忠商事が反転攻勢のカギを握るとしている。
しかし、私は逆に、伊藤忠が関わっているからファミマの海外コンビニ事業が混乱しているのではないかと思っている。
伊藤忠はコンビニ以外の分野で中国のシティック(CITIC)グループ、タイのチャルーン・ポーカパン(CP)グループという、それぞれの国の最大のコングロマリットと組んで、いろいろな事業をやろうとした。しかし、CPグループはタイではセブン−イレブンと組んで、約1万2000店も展開、大成功している。
一方、ファミマは、タイの小売り最大手のセントラル・リテール・グループとの合弁会社を設立したものの、結局、その運営会社の持ち分49%を手放した。
中国でも台湾の食品会社の頂新グループと合弁会社を設立して展開してきたが、関係は悪化し、合弁会社を売却するよう訴訟を起こした。ファミマ側は「利益相反取引に関する情報が開示されず、長期にわたるライセンス使用料の未払いもあった」と主張している。頂新はインスタントラーメンの康師傅などの販売網が中国最大のネットワークとなっており、20%の株式を持つ伊藤忠を介してアサヒなど日本企業との関係も深い。
タイも中国もうまくいかない。これ、伊藤忠の能力不足が露呈したものだ。中国のCITICグループ、タイのCPグループと1兆円単位のファンドで何か共通なことをやっていこうと派手にアドバルーンを上げておきながら、めぼしい成果は上がっていないし、少なくともCPはその重要な分野をセブン−イレブンと組んでいる。
伊藤忠がファミマにTOB(株式公開買い付け)を実施して完全子会社化するというのは、ニュース的には面白いかもしれないが、それ以前に伊藤忠は能力的にコンビニの海外展開には向いていないのではないか。
コンビニの海外展開の話をもうひとつ。セブン&アイ・ホールディングス(HD)が、米石油精製大手マラソン・ペトロリアム傘下でコンビニを併設するガソリンスタンド部門「スピードウェイ」を買収すると発表した。買収額は約2兆2000億円。新型コロナ感染拡大後では世界最大とみられる。これについては、私は使い道を間違わなければうまくいくと思う。
セブン&アイHDは、2005年には米国のセブン−イレブンを完全子会社化して米国に約9000店展開している。これにスピードウェイの約4000店を合わせると1万3000店と拡大してダントツ1位になる。ここをリアル空間とサイバー空間の接合拠点にし、サイバーで頼んだものをリアルでピックアップする…などいろいろ工夫すれば、1万3000店は大きなパワーになると思う。世界最大の小売業ウォルマートもリアルとサイバーを組み合わせてようやくうまくいき始めている。
ガソリンの需要は、今後、電気自動車の普及でどんどん少なくなっていく。その分、顧客のリクエストに応えるコンシェルジュサービスやeコマース(電子商取引)の補完は必要になってくる。これをうまく生かす上で、全米で1万3000の拠点を持つというのはプラスになる。日本でダントツのセブンが海外コンビニをさらに伸ばしていくのは、間違った戦略ではない。
https://www.zakzak.co.jp/eco/news/200823/ecn2008230001-n1.html
伊藤忠は、中共高官との太いパイプで、業績を上げてきました。
中共から急速に離れている台湾がらみでつまずいて、不協和音が生じているようです。
伊藤忠の強みがむしろあだになったみたいです。
中共経済の悪化と共に、中共に傾倒していた伊藤忠は沈みゆく運命のようですw
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