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2020年07月14日20:16

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別府温泉巡り

旅行六日目(1)

 別府も今日が最終日。
 朝食は昨日とは違う品が出てきている。この辺、連泊客への配慮がある。とはいえ、どうも3連泊以上は想定範囲外、とうかがえることもあった。最初の宿に本当は4連泊で予約しようとしたが、初めにコンタクトを取ったときには空いているはずだったのに、いざ予約を入れる段階で2連泊までしか空いていなかった。安いプランなので、より多くの人に利用してもらう、そんな趣旨があるのかもしれない。
 屋上の展望露天風呂も最後になった。今日は梅雨らしく雨が降っている。かすんでいて四国は見えない。豊後水道を行きかう船なんかを眺めながら温泉を楽しむ。
 部屋に戻って、荷物をまとめ、フロントで清算してから荷物を預ける。

 今日は、別府の中心街で温泉巡りをしてみよう、と考えた。
 ホテルを出たら真っすぐ西へ歩く。別府タワーの横を抜ける。国道10号線を渡って、さらに西に。傘をさしたまま、ポケストップを回って、まだ回していないところを回していく。ついでにポケモンをつかまえる。そうやってうろうろしているうちに、「海門寺温泉」に到着。一昨日はこの公園で将棋を指している人たちが沢山いたけど、今日はあいにくの雨。既にジャージャー振りになっている。勿論、将棋を指している人はいない。
 温泉に行く。番台で110円を払う。番台のおばちゃんが、

 「おにいいちゃん、雨男やな」「おにいちゃんが来たら雨が土砂降りになった。」と

 「いや、昨日は晴れていたので、高崎山なんかにも行きましたよ。」

 と、たわいもない会話。

 男風呂へ行く。入浴中の人は数名いる。
 脱衣場からは湯船が見えていて、湯船から自分の荷物や衣類は見える構造なのだが、そうは言っても現金とカードとかは持っていてうっかり盗まれても困る。100円投じて貴重品はコインロッカーにいれておく。
 服を脱いで、いざ湯船へ。
 
 お湯は透き通った単純泉。そして熱い。
 宿で温泉には入ってきているので、ここで身体を洗ったり洗髪したりという必要はない。湯船につかってのんびりお湯を楽しむ。雨の中歩いてきていたので、少し体は冷えていた、ちょうど良い。しっかり身体を温める。

 「海門寺温泉」を楽しんだ後、商店街のジムへ行ってポケモンを一体配置。商店街の入り口でステーキ屋を見つけたので、昼ご飯を食べようかと行ってみたがまだ準備中だった。そこで、先日通りがかりにチェックしていた「パフェ」のお店に行ってみることにした。建物に大きく「日本一のパフェ屋さん」と書かれている。日本一って、想像するにものすごく大きなパフェってことだろうか?
 梅田の地下に、30分以内に食べたら「タダ」っていう、ものすごく大きなパフェのお店があって(今もやっているかどうかは分かりません)、学生時代にチャレンジした友人もいたが、ほぼ玉砕していた。そんな感じだろうか?
 店に入ってみると、お客は二組。家族連れと女子二人組。時刻はちょうど12時なので、その時間帯としては閑散としている。本来なら街の中心部、ビジネスパーソンが列をなして昼食、となるような立地なのだ。「本来なら」というべき人々も、仕事を休んでいたり、そもそも外食も控えている可能性が高い。
 日本一、という意味はお品書きを見て分かった。宮崎産のマンゴーを使った限定パフェが5000円、目が飛び出る価格で出ている。さすがにそんなにお金は出せないので、1000円のメロンのパフェにすることにした。食事はローストビーフのプレートがあったので、一番量の少ない60グラムで。
 ローストビーフも、パフェもとても美味しかったです。食べている間に、他に女子二人組が二組やってきた。なんか圧倒的に女性客ばかりがお客の店らしい。いや、男だって甘いものやデザートは好きなんだよ。ちなみに店員は割とイケメンの男性二人。なんかプリキュアのお店というイメージだろうか。

 お昼ご飯に満足して、次の温泉を目指す。東へ歩いて「梅園温泉」に。
 ここの入浴料は300円。細かいお金をもっていない。番台に人がいないので、しばらく待ってみた。お昼時だし、受付の人だってお昼ご飯食べるよね。
 5分・10分と待ってみたが誰も来ない。100円玉が3枚あれば、置いてある箱にお金入れて入浴すれば良いのだが、あいにくそれがない。15分ほど待ってみたが、人が来ないようなので、梅園温泉は後回しにすることにした。
 次に「竹瓦温泉」にいく。とても大きな建築物の中に温泉があるとても風情のある場所。入り口にいくと女性から「入浴ですか」と聞かれる。「シャワーも無くて湯船だけですけど、大丈夫ですか?」と。
 500円玉で、「おつりはありますか」と聞くと、「自動販売機だから大丈夫です。」だって。いや、自動販売機だってつり銭切れってことはあるよね。ここも入浴料は110円。中途半端な金額は消費税が上乗せされているからだろうと察するが、100円でないのは微妙に扱いにくいだろう。毎日入る人は回数券とか定期券を持っているのかもしれない。
 広いロビーを抜けて暖簾をくぐると、地階に当たる高さに湯船が作ってある。脱衣場からは見下ろす位置だが、脱衣場から湯船は丸見えで、逆もしかり。このような構造が別府温泉に広く採用されているようで、先日明礬温泉で驚いたことに納得がいく事実が明らかになる。
 脱衣場で服を脱いで、階段を下りて湯船のところまで行く。他に入っている人は一人だけだった。
 かけ湯をしてからゆっくり湯船に入る。めちゃめちゃ熱い。こんな熱い湯に長くはつかってられない。先に入っていたおっちゃんは、既に湯船から出てストレッチをやっている。まあ、そうなるよね。
 個人的に多少熱いお湯でも入れるが「熱いお風呂が好き」という訳ではない。東京の銭湯は熱いので有名だったりするが、現実には開店時の熱いお湯に無事に入っている人はそういない。水で薄めたりして、温度を下げる努力を多くの人がやっている。
 この温泉にも水が出る蛇口はあるのだが、それはたぶん水道水だよね。温泉は恐らく水道水ではないので、いわゆる銭湯とはちょっと違う。しばらくつかって、身体から汗がたっぷり出てきたので上がることにした。雨の中歩いてきていて、びしょびしになっていたので、さっぱりした。湯上りは広いロビーでしばらく休んでから次へ行くことにした。


 「竹瓦温泉」を後にして、また商店街へ戻る。その戻る路地には、「ヘルス」などのエッチな風俗店が多数あった。一度、呼び込みに声を掛けられるが断って先へ進む。商店街のアーケードは南北方向に長く続いていて、このアーケードを南へ進んでいる。しばらく歩いていくと右手に「ソープランド」があった。
 「こんな場所に看板出して営業するの?」
 と、思わないでもない。ソープランドって、吉原でも福原でも、「どこにあるのかわからない」と私は思っている。行ったことはないのだけど、吉原だと上野駅、福原だと三ノ宮駅なんかが待ち合わせポイントで、黒塗りの高級車が迎えに来てくれるらしい。
 高校の現代文の授業で、「温泉マーク」→ いい気分(温泉) これ、はセックスを意味している、と教わった。つまり温泉に行く、イコール、セックスをする、ってことで、夫婦とかカップルで行けば二人で、そうでない人は宿にセックスワーカーを呼んだり、ソープランドなどのお店に行ったりすることになる。古い温泉街だと宿の従業員が相手をする、という風習がないわけではない。(それ故、古来、温泉宿の女中は、売春婦、とみられることがあった。)が、それ自体は違法行為、看板に書いてあったりするものではない。ただ、現代でもそんな噂はちらほらと聞く。
 とは言え、商店街に看板出てるのって「ダメじゃん」って思う。流川通りを越えて南側では、商店街といっても開いているお店はほとんどなく、多くは「廃屋」に近い感じになっている。相当すたれている。
 さらに進んで行った先に、「松原温泉」があるので立ち寄る。ちょうど15時、開業の時間。
 「松原温泉」はガイドブックなどでも余り記載はない。本当に地元の「銭湯」感覚の温泉。ここも入湯料は110円。リーズナブルに温泉を楽しめるのは本当に素晴らしい。
 男湯に進むと、誰もいない。
 建物の入り口から湯船までの間に、扉などはなく、入り口から入ると右側が男湯・左側が女湯、廊下を進んだ突き当りで靴を脱いだら、脱衣場と湯船が一体になった部屋になっている。なんとも素朴な温泉。女湯に入っていった人はいたが、男湯には誰もいない、ここは貸切状態で使えた。
 脱衣箱に服を脱いで入れ、湯船に入る。一応、真ん中に仕切りがあり、温泉が注がれている側が「あつ湯」、仕切りのこっち側が「ぬる湯」ってことらしいが、誰も入ってなくて湯が注がれている状態で温度の差があるとも思えない。けれど「ぬる湯」の方に入る。雨に濡れながら歩いてきているので、じっくり温まる。温泉独り占めして、改めて「温泉に来た」と実感が沸く。

 「松原温泉」を楽しんだのち、また商店街の道へ戻るが、その先はアーケードはない。営業している店舗はいくつかあるが、雨もあって通行人はほとんどいない。
 南へ進んで、住吉神社の横を通る。「住吉温泉」があるのだけど、残り時間が少なくなっているのでここはスルー。浅見川を渡って「浜脇温泉」へ行く。

 「浜脇温泉」は、別府市街地の南端の方にあって、別府温泉発祥の地、とされている。かつては、海岸線に沿って多数の温泉が湧いていたらしいのだが、海岸線沿いの温泉は次々に枯れた歴史がある。鶴見岳の火山活動と大きな関連はあるのだけど、詳細が研究されているかどうかは知らない。温泉が枯渇する要因の中に、開発との関連が言われることがある。掘って汲み上げたら湯量が減っていずれ枯渇する、みたいなストーリーだなのだけど、マグマが十分熱を持っていて、地下水が供給されるのなら簡単に枯渇はしないだろう。どっちかと言うと、マグマが移動することによって、活動的な泉源も移動する、と考える方が分かり易い。マグマそのものは地震波の反射などを使って研究されることがあるが、それほど古くからデータが収拾されているのではないので、江戸時代の様相と現代を比較するというのは難しかろう。
 「浜脇温泉」は市営の浴場になっていて、鉄筋コンクリートの立派な建物に入っている。入湯料はここも110円。
 脱衣場と湯船の作りは「竹瓦温泉」と同じく、脱衣場から湯船を見下ろす感じ。自分の脱いだ服が見える状態で温泉に入るので、気を抜かなければうっかり盗難にあることはない。今日入ってきた数々の温泉よろしく、かけ湯をしてから、じっくり湯船に入る。しかし、めちゃめちゃ熱い。一方から熱湯が注ぎ込まれていて、もう一方で水道水で埋めているのだが、水道水蛇口側には先客のおっちゃん二人がいて、熱い側しか空いていない。辛抱して熱い湯につかる。おっちゃんたちは山に出たイノシシの話で盛り上がっている。
 雨に濡れながらここまで来たので、温泉で身体を温められるのは嬉しい。とはいっても、結局長い時間は入れない。身体が熱々になって上がることになる。

 別府八湯、と呼ばれる八か所の温泉のうち六ヶ所に入った訳だが、その結果として大体の傾向が分かった。噴火口に近い山側の明礬温泉では泉質が濃いが、海側に移動するにつれ温泉成分が薄くなっていき、恐らく海岸線ではほとんど単純泉のようなものになってしまっている。マグマの活動はともかく、地下から湧き上がってくる成分は火口近くの方が多い傾向があるのだろう。そうだとすれば、今回は足を延ばせなかった、「塚原温泉 火口の湯」にはがぜん興味がわく。近々、機会を作ってもう一度訪れてみたい。なんと言っても、今なら温泉に入れるが、噴火してしまったら温泉なんて跡形もなく吹き飛んでしまう可能性が高い。数年前に御嶽山のふもとの温泉(濁川温泉 市営露天風呂)に行った折に、火山の猛威を間近で見てきたので、切実に感じる点である。

 お湯から上がり、持ってきた水道水を詰めたペットボトルの水で喉を潤す。外に出るとまだ、雨が降り続いている。何度も風呂につかってきたので、持ってきたバスタオルは、もう濡れてしまっていて本来の機能ではなくなっている。
 近くに日豊本線の東別府駅があるはずだと思って行ってみたが、駅が見当たらない、「崇福寺」、というお寺の前まで行き、ポケストップを回しておく。実は、駅はその先にあったのだが、今日はずいぶん歩いてきていて、もう残り時間もなくなってきたので、バス停に向かうことにした。
 「浜脇」のバス停から大分交通のバスに乗る。10分ほどでデパートの前まで行く。そこから歩いて、ホテルへ戻る。時計を見ると、ちょうど17時。船は19時半に港を出る。預けていた荷物を回収して、別部温泉旅行は終盤を迎える。あとはサンフラワーで無事に帰宅できれば旅は完了する。

 つづく

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