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2020年05月10日15:03

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ミッドサマー(Midsommar)

 長編デビュー作「ヘレディタリー 継承」が高い評価を集めたアリ・アスター監督の第2作。不慮の事故により家族を失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人たち5人でスウェーデンを訪れた。彼らの目的は奥地の村で開催される「90年に一度の祝祭」への参加だった。太陽が沈むことがないその村は、美しい花々が咲き誇り、やさしい住人たちが陽気に歌い踊る、楽園としか形容できない幸福な場のように思えた。しかし、そんな幸せな雰囲気に満ちた村に不穏な空気が漂い始め、妄想やトラウマ、不安、そして恐怖により、ダニーの心は次第にかき乱されていく。ダニー役を「ファイティング・ファミリー」のフローレンス・ピューが演じるほか、「トランスフォーマー ロストエイジ」のジャック・レイナー、「パターソン」のウィリアム・ジャクソン・ハーパー、「レヴェナント 蘇えりし者」のウィル・ポールターらが顔をそろえる。(映画.comより)







かなり奇異な作品だとは聞いていたのですが、前作「ヘレディタリー 継承」を見た娘が「ある意味名作だったと思うから、期待できると思うわ。評判もいいよ」と言うので、チャレンジしました。なにより田舎で上映されていたメリットも大きいです。私はさっさと見たので普通バージョン鑑賞でしたが、こんな過疎県で後にディレクターズカット版も上映されていたのです。期間によっては両方上映されていたことになりますね。すごいことです。

 で、内容です。話のプロットは簡単です。主人公ダニーの妹は精神を病んでいたのか、両親を巻き込んで心中を決行し、彼女は独りぼっちになってしまいます。彼氏クリスチャンも人並みに慰めてはくれますが、彼の友人たちの中には「重い女なんか、面倒くさいだけじゃないか。捨てろよ」なんて言う輩もいたりします。クリスチャンも実はちょっとそう思っているのですが、女性に頼られることが心地よく、ついずるずると付き合っているうちに、友人たちと計画した”研究レポートのためのスウェーデン旅行”に誘ってしまいます。「来ないだろう」とタカをくくっていると、「じゃぁ行くわ」との答え。友人たちは「えぇぇ〜」とか言いながらも「迷惑じゃなかったのかしら。ごめんなさいね」「いやいや、来てくれてうれしいよ」などとポリティカル・コレクトネスに終始して話は始まります。

 しかしながら、行った先が、ある思想を信じる人たちだけのコミューンだったから戸惑います。誘ってくれた友人は大学の同じゼミの生徒で、いたって普通の学生。あんまり深く考えずに参加したものの、面食らうことばかりです。で、いろんなことが起きた挙句に、みんなそこのコミューンに取り込まれてしまう、そんな話です。

 かなりのエロ・グロ描写に加えて、意味深な絵画など、普通の人間には読解不可能な伏線、ルーン文字。そりゃルーン文字を読解できる、あるいはグロい絵画を読み解ける人には膝を打つような展開なのかもしれませんが、監督、独自の世界観持ち過ぎです(笑)。コミューンには”歴史資料館”みたいなものがあるのですが、そこの管理人(学者)が「未来を見通せる預言者」と称して障がい者を座らせてあって、「障がい者は特殊な能力を持っている。我々はそのために、近親相姦でわざと障がい者を生み出すのだ」みたいなことを言うんです。監督・・・。

 コミューンを題材にした映画は、今までもゴマンとあったと思うのですが、これほど視点が独特なものはなかったでしょうね。長年生きてきた中で、もっとも奇異で恐ろしいセックスシーンにも閉口しました。それでも、真実を突いていることは確かだと思うので、不安定だったダニーが結局たくましくニヤっと笑ったり、皆で清楚な白い衣装を着ていたり、あるいは花が咲き乱れる村がとてもきれいだったりするのは、すっと入ってきました(変な文章ですね、すみません)。

 細かいところまでよく検証された映画のようなので、凝るとおもしろいと思います。ちなみに話の筋に関係ないのですが、冒頭に死ぬおじいさんが「ベニスに死す」の美少年ビョルン・アンドレセンらしいです。そういえばきれいなおじいさんだった!

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