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2020年04月21日06:47

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在米韓国人たちの運動

現在、韓国総選挙で、元従軍慰安婦を支援する市民団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」前代表の尹美香(ユン・ミヒャン)氏が比例代表で当選しました。慰安婦問題の最終的解決をうたった2015年日韓合意の破棄を訴えていました。

慰安婦が深刻な問題になっていますが、その追及の激しさを比べてみると、韓国国内よりもアメリカでのほうが激しいのです。アメリカでは、訴訟になって話題になったカリフォルニア州のグランデールほか各地に慰安婦像が建てられています。

それは、韓国にも帰らず、また韓国語よりも英語のほうが上手になり、子供たちもアメリカ社会に同化させようと思っている在米韓国人たちがやっている運動です。ふるさとの韓国で、その歴史について勉強したこともなかった韓国で、こんなことが行われていたのだ。

と聞いて、自分たちの心の祖国を大事にしたいという、ナショナリズム論でいうとことの「遠隔地ナショナリズム」が働いているのです。ナショナリズム論のベネディクト・アンダーソンは、こう言っています。

「このナショナリズムは、生真面目なものではあるが、しかし根本的には無責任であるような政治活動を生み出す。遠くの力を政治に割り込む人々は、活動の舞台としている国に税を支払うことはまずないし、その国の司法制度から責任を問われることはない。別の国の市民であるから、おそらく選挙の不在者投票さえしない。」

「本人自身もその肉親も刑務所や拷問、死刑を恐れる必要がない。彼らは第1世界の中で安楽で安全な場所に身を置き、金や銃を送り出し、プロパガンダを流布させ、コンピューターを使って大陸間の情報ネットワークを築く。これらのすべての行為によって、最終目的地となる地域では、予想のできない結果を引き起こしてしまうかもしれないのだ」

「彼らはよくわかっているのだ。自分たちのエグザイルは自ら選択したものであること、そして、住み続けることを決心した国民国家がエスニック化している中で、自分たちが電子メールで主張するナショナリズムは、防壁に守られたエスニック・アイデンティナィを形成すための基盤にもなるということを。」

「遠距離ナショナリズムの政治活動は、このような意識に深く根差しているのである。彼らを社会の周辺に追いやり、彼らに負の烙印を押す当の国民国家が同時に、地球の反対側では一瞬にして、彼らに国民的英雄を演じる力を授けているのである」

この遠隔地ナショナリズムに、かつてのアメリカは非常に苦しめられました。アメリカとアイルランドは友好国であるにもかかわらず、そしてアメリカとイギリスは同盟国であるにもかかわらず、北アイルランドでイギリスと武装闘争をするIRAに、ニューヨークで成功したアイルランド人が闘争資金を送る、ということがあったからです。

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