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2020年04月19日23:04

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コロナ19

 今の時点で自分がどう感じていたのか、後になってわかるようにしておくとネット上に書いていた人がいて、なるほどと思ったので自分もそれに倣うことにする。

 まず、先行する事態としてSARSやMERSというものがあって、これらについては騒いでいる人もいたけど、「付き合いのいい人もいるもんだな」と思うだけで、自分はなにも対処しなかった。幸い、これらは日本にさしたる影響を及ぼすこともなかった。
 そして、今回もどうせそんなもんだろうとたかをくくっていたら、そうではなかった。

 年が明けたころから、武漢でなにやら妙なことが起こっているという情報は少しづつ出ていたけれど、ことネットにおける中国と韓国についての論調は結論ありきなものばかりで、目を通すだけでも時間の無駄なことが多いので、さほど注意を払わずにいた。

 そうこうしているうちに2月になり、横浜に入港していたダイヤモンド・プリンセスで集団感染が発生し、急に身近な話題となった。これと前後して日本でも感染者が確認されたが、このころに「潜伏期間の長さからしても水際で防ぐのはもう無理なので、検査にリソースを割くことはせず、症状が出たところへの対処に注力していく」という記事を読んだ。その時は、そんなものかと思っただけだったけど、今になって思い返してみると、その後の日本政府の対応は一貫してこの方針に沿ってなされている。しかも、それは世界的には、マイナーな手法でもあって、すでに初期の段階から独自の対策を講じることがはっきり決まっていたらしいことに驚かされる。

 それが正しかったのか、判断する知識は私にはないし、まだまだ専門家でも見解の別れるところだと思う。何年後かに検証して、次に同様のことが起こった場合、より的確に対処できればいいのであって、まさにこの渦中で是非を論じても仕方がなく、当面はそれぞれのスタンスで処理する以外にないはずである。
 ざっくりいえば、各国は調べすぎだったろうけど、日本は絞りすぎで、その間のいい按配のガイドラインを定めるのが、一段落した後の作業の一つになると思う。

 さて、実をいうとここに及んでも、個人的には事態をさほど重くは見ていなかった。センセーショナルな取り上げられ方をしていたけれど、感染率や死亡率などの数字はさほどのものとも思えなかったし、なまじ実はインフルエンザによる死者が毎年けっこう数になるのを知っていたので、新しくできた派生型の一つぐらいに思っていた。
 実際、日本の他に韓国や台湾、シンガポールなど中国の周囲の国や地域でも感染が確認されていたが、大騒ぎするほどのものではなさそうだったし、このころはWHOも、「パンデミックではなく、インフォデミック」という言い方をしていて、感染の拡大より、それへの過剰な対応の方に警告を発していた。武漢の状況についても、初めての事態への対応にありがちな過誤によるもの、特別なケースと片付ける論調が多かった。

 そうこうしているうちに、ヨーロッパでも感染が見つかるようになる。距離的にも人の移動の頻度としても、順当な感じだったので、まあ、そんなものだろうと眺めていたら、これが大爆発をしてそれまでの見方がすっかり覆ってしまった。特にイタリア、ついでスペインの惨状はすさまじく、またたくまに医療崩壊が起こって感染者と死者はうなぎのぼりとなり、おそらく集計が追いつかなくて数字そのものも怪しい状況がしばらく続いた。

 そして、さらにアメリカへと飛び火していったわけだけど、これがいくばくかの猶予もあったはずなのに、ヨーロッパ以上の感染爆発が生じて大惨事へと至ったのだった。
 その間、日本はヨーロッパやアメリカの事例からするとかなり進展は遅かったものの、さりとて収まる気配もなくゆっくりとではあるけれど着実に数字は積み上がっている状況が続き、ついには4月7日の緊急事態宣言となる。その後も拡大は休まず続いている。
 昨日、初めて関連の特別番組を見たのだけれど、すでに医療現場の余力はかつかつになっているらしい。アメリカやヨーロッパと比較すると、かなり低いままで推移してきているので、なんとなく余裕のあるような気がしていたのだけど、普段に無駄の生じないよう合理化すると、たしかにちょっとなにかあっただけでもう限界に達しているようである。
 そう考えると、遺体袋が廊下に並びだす情景というのも、そんなに遠くないことなのかもしれない。

 とはいえ、アメリカやヨーロッパと東アジアの状況が違いすぎるのも事実で、これについても諸説入り乱れているが、個人的にはどれも決め手に欠ける気がする。というか、進行中の事態について正確な分析をすることはほぼ不可能だと思う。なにが判断を託すにたる材料で、なにが予断にすぎないかを慎重に吟味しながら、暫定的な決定を下していくしかないはずだけれど、ネットで活発に発言する層にとって「まだ、わからない」は絶対のタブーらしく、とにかく性急すぎる結論に乗っかってはその上に議論を積み重ねた挙句、後で見返して唖然とするぐらい的外れなことになっている場合が多い。

 現状で言えるのは、とにかくアメリカ・ヨーロッパと東アジアでコロナ・ウィルスの威力に、相当な差があるということだけだと思う。そして、前述の積極的に検査すべきかどうかでいえば、かなり検査件数の多い韓国も総じて日本と状況は変わらないので、そこから判断しても、どうとも言いかねるというのが実際のところだろう。
 ウィルスが欧米なみに猛威を振るった場合、たしかに韓国の方が先に医療崩壊を引き起こしただろうけれども、先送りにできただけで結局は日本も同じ轍を踏んだであろうから、ここで両者の優劣を論じることは難しい。
 一方、韓国はリスクを負って早期に状況を確定させた分だけ、感染拡大については小康状態まで持ちこめたといえるだろうけれども、日本はピークを遅らせただけなので、これからその峠を越えられるかの試練にさらされているとはいえそうではある。

 個人的に、日本のやり方はクラスター追跡偏重に思える。そもそも、それまでいなかったところに感染者が発見されれば、その付近にクラスターが存在するとはいえそうだけれども、もう水際を諦めた時点でどこに感染者がいるやら判然としないわけである。
 専門家会議によれば、満員の通勤電車は会話をしていないから、三密ではないという。感染拡大と経済活動を秤にかけなければならない以上、政治的・経済的な配慮を排除できないのは理解できるけれども、これはさすがに曲学阿世の誹りを免れないと思う。
 そんな状況で、感染者がライブハウスに行っていたから、そっちがクラスターといったところで、納得しがたい。いや、当方にライブハウスを擁護しなきゃいけない義理はないけれども、それ以外の場所で感染した可能性はいくらでもあって、それを排除することはできないはずである。

 現時点で自分が思っているのはそんなところである。意外とゴールデンウィーク明けにはなにもかもがすっかり片付いているかもしれないし、遺体袋に入って病院の通路に並んでいるかもしれない。それは誰にもわからない。

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