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2020年04月18日15:48

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医師が虚空を見つめてた。

私は、ここ20年ほど、ずっと同じ大学病院の脳神経外科(頭痛外来)に通院している。ずっと同じ脳外科医にかかっているのだが。今は、3ヶ月に1度の定期検診になっていて、その時に、脳内のホルモンを安定させる薬や、精神安定剤をもらうのだが。

昨日その病院に行ったら、妙にものものしい雰囲気。救急外来の前にはテントが2つ。「あ、コロナ対策だ!」と気付いた。おそらく、このテント内で防護服を着用したりするのだろう。救急外来なので、コロナ以外の患者も来るから、患者を分ける意味合いもあるのか。

病院内に入ると、『マスクの着用をお願いします。熱、咳のある人は、まずは、総合受付へ』のアナウンスがずっと流れる。貼り紙には『院内には、診察の人以外は入るな!』と。ようは、付添で行った場合でも、入れない。
因みに、病院の所謂診察室等がある場所に行く為には、病院内に入り(最初に総合受付がある。お見舞いの場合は、ここでビジターと書かれたプレートをもらう。)、更に2枚の自動ドアを通らねば入れないのだが、付添の人は、ここは通れなという意味。その外側(とはいえ、病院内ではある)には、コンビニや休憩スペースがあり、そこまでは行ける。診察室に入る前には、検温して、コロナ関連の問診票も書く。脳外科という無関係そうな科でもそれをやっていた。

「うわぁ…何か凄いな」と思って、診察室に入ったら…。私の担当医、疲れきって虚空を見ていた。通院して20年。こんなに疲れ切ったこの医師を見たコトがなかったので驚いた。そもそも、脳外科医は第一級の腕を持つ医師なので、体力や集中力は人並み以上にあるはずなのに。
話を聞いたら、「都心の病院がパンクして、それ(コロナ患者)が、こっちに来てる。練馬や新宿、世田谷…遠いところからばかり来る。だってコロナだもん。感染症だもん。入院しても面会には来られないから、(入院する)病院の遠さは関係ないでしょ?」と。どうやら地元のコロナ患者はほぼおらず、都心から患者が来てるらしい。担当医は脳外科で内科ではないのだが、おそらく、人手が足りず専門外でも駆り出されているのだろう。てか、専門外のコトを多くやってるから、気を遣って余計疲れちゃったのかな?と。

コロナの現状も色々教えてもらった。ネットじゃ書けないコトもあるケド。医師は「これ(煙草を吸う真似)がなぁ〜…。重篤になっちゃうんだよなぁ。」と。まだ、煙草との因果関係はハッキリしてないが、どうやら重篤者には喫煙者が多いと。以前ミクシィニュースで重篤者の7割が男性とあったが、亡くなる人は高齢者が多く、その年代だと若い頃煙草を吸ってた人は多いだろうな…と。私の父も吸っていた。というか、当時は吸ってない男性の方が珍しかった。それくらい当たり前のように皆煙草を吸ってた。
「あと、糖尿病だなぁ〜…。免疫が落ちちゃうんだよぉ。」と、免疫諸々の話もしてくれた。
私の兄は、おデブちんで、高血圧の薬を飲んでるし、尿酸値も高いので、心配になって俯いたら、医師は「あなたは大丈夫だよ。なっても軽症者の8割。煙草も吸わないし、暴飲暴食もしないでしょ?太ってないんだし。」と。きっと元気づけようとしてくれたんだろう。ただ、最後に「その軽症者が気を付けないとダメなんだケドね。」と。そうね。
世田谷はおそらく海外旅行者が多く(お金持ち多いもんね)、それで広がった可能性があると。港区は満員電車。「マスクして換気して喋らないって言っても、皆何処かしら触るもん。それを全部防げないんだよ。」と。「接触を8割減らせと言っても難しいでしょ?リモートワーク出来ない人もいるし。」と。「私の友人も会社に行ってます。」と言ったら、「可哀想だよね…。」と。
そういえば、この医師から、20年で初めて愚痴っぽいコト聞いた気がする。普段は難しい治療を常とする外科医らしく楽観的な部分が多い医師なのに。

「なるべく家にいてね。都心に出かけないでね。」とその医師は悲しそうに言っていた。別れ際、「先生も気を付けてね。」と言ったら、虚空を見つめたまま力なく「あーい。」と返事をしていた。

とにかく思ったのは、言うてもここ、きちんとした大学病院だったんだな…と。それなりの設備はきちんとあったのか。だから、患者も来るのだもんね。人工呼吸器や、人工肺は足りてるんだろうか?防護服や医療マスクは?
そういえば、いつもはある、受付前の消毒液は今日はなかったな。消毒液、節約してるのかな?

スゲエ余談だが。この担当医は『MRI室長』という謎の肩書がある。MRIの責任者ってコトらしい。

私は政治の政策については、今はとやかく言いたくないし、今はそんなコト言ってる場合ではないじゃん!それは後で、選挙の時に有権者が今のコトを判断して決めれば良いじゃん!と思う人間ではあるが、正直な気持ちを言えば「10万円もマスクも確かに大事だけれど、現場にたって働いてる人達に、優先してお金を使ってね。私は我慢するからサ。別に私など、野垂れ死んでも誰も悲しんだりしないしね。」と。(看護師協会は、危険手当的なの出してと要望書を提出してたケドね)

帰り際。院内のカフェ的な店は営業中だったので、スープが半額だったから買って飲んだ。いつもは洒落たカップで出て来るが、今は使い捨ての紙容器(コロナ対策だね)。それでも、飲んだ温かいきのこのクリームスープは美味しかった。
カフェの周りは厚いビニールで覆われていたけれど。
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