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2020年03月26日09:17

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現代の AD Player から「お奨め」なのは…? その3

前回の続き。
 
先に記した事情と基準にて私が「感覚的」に選んだ、現代の AD Player で「お奨め」な製品の続編である。
TEAC 製の “TN-570” に続いて「お奨め」の AD Player を紹介したい。
 

フォト

続いては、これっ! 
またも TEAC 製の “TN-4D” である。
某量販店でのお値段は税込み ¥67,600 とのこと。
その概ねの仕様は下記のとおりである。
 
Turn Table
 操作方式:手動(Full Manual)
 駆動方式:Direct Drive
 Motor:Brushless DC Motor
 Platter:直径 300mm, Al Die Casting 製, 重量は不明
 起動 Torque:不明
 Wow/Flutter:0.1%
 S/N 比:67dB 以上
Tone Arm
 Type:Static Balance, S字型
 Arm 有効長:223mm
 Arm 高さ調整:不可
 Anti Skating 調整:可能
 針圧調整範囲:0〜5.0g
 適用 Cartridge 重量:14〜23g(Head Shell 含む)
 Pick Up Cartridge: SUMIKO 製の “Oyster”
本体
 Cabinet:高密度 MDF
 Phono Equalizer:有り
 Digital 出力:有り(USB:PCM 最大48kHz)
 外形寸法:W420 × D356 × H117mm
 重量:6.1kg
 消費電力:2.0W
 価格:¥71,280(TEAC Store 税込み価格)
 

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私がこの “TN-4D” をお奨めする理由とは…? 
その仕様や見た目から想像される「良いかも?」な美点は下記のとおりである。
 
良いかも? その1:
Tone Arm はなんと SAEC 製の Knife Edge Type を採用! 
繰り返す、SAEC の Knife Edge だぞ。
Knife Edge な Tone Arm を採用した AD Player としては、これぞ至上「最安価」であろう。
まさかこの価格帯で、しかも SAEC の Knife Edge とは本当に驚いた。
加えて SAEC の Knife Edge とは思えない「安っぽい見た目」にも驚いたぞ。
Knife Edge の美点は初動感度の良さ、鋭さ、これに尽きる。
同じくKnife Edge を採用した TRIO(KENWOOD)の D.S. Arm の素晴らしさは今さら私が語る話ではなかろう。
Knife Edge の難点は「ガタつき」が発生しやすく、ガタつかせない為の調整も難しいので初心者には厄介な Tone Arm であった。
ガタつかせたままだと Knife Edge をどんどん傷めてしまう。
TRIO の D.S. Arm は「1 Knife & 2 Pivot」という画期的な構造により「Knife Edge の素晴らしさ」と「使い勝手と耐久性の向上」の両立に成功した素晴らしい Tone Arm だった。
一方、この “TN-4D” の Knife Edge Arm はどうなのだろう? 
因みに SAEC 製の最新 Tone Arm である “WE-4700” のお値段は100万円以上である。
Tone Arm だけで100万円もする SAEC 製である、と考えると、どこまで安く仕上げればこの価格帯の AD Player に装着可能なんだ…? 
現物を目にしていないので定かではないけれど、写真では Arm Base が合成樹脂製のようにも見える。
ん〜、どうなんだろ? 
Knife Edge とあらば、僅か 1g という針圧の High Compliance な Pick Up Cartridge の能力も余すこと無く引き出してくれるのでは…? 
初心者向けの価格帯なのだから「使い勝手と耐久性」も考慮された構造なのではないか。
それと引き換えに Knife Edge の美点を少々失っていた、としても…? 
どれだけ安っぽい造りであろうと、その切れ味は「あぁ〜、やっぱり SAEC の Knife Edge だ!」な音を期待したい私である。
 

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良いかも? その2:
Platter の駆動はD.D.(Direct Drive)である。
Comeback な方で「もう Belt Drive なのは嫌だ!」とお嘆きのご同輩や先輩殿にはやっぱり D.D. でないと…? 
既存品を流用ではなく、新開発の Motor を採用したという “TN-4D” の謳い文句は…
 Brushless DC Motor を非常に薄型で実現
 Micro Computer による Feedback 制御で水晶精度の速度偏差
 Direct Drive ならではの Low Wow/Flutter による AD 再生
 薄型で Stylish な筐体をも両立 
…とのこと。
つまりは Quartz Lock D.D. ではなくて、技術的には ’70年代後半の D.D. Player が現代に蘇った、という感じ? 
起動 Torque も大きくはなかろう。
なので Al Die Casting 製の Platter もそれ相応の軽量なものと想像する。
この Motor による Cogging(コギング)現象の程度は不明。
使いこなしとしては Platter の「抑振性」向上と「慣性質量」増加の両方を狙い、粘着 Sheet の薄い鉛を Platter の内面に Balance 良く貼り付ける。
その間に Butyl Rubber を挟めば更に効果的! 
感性の高い方ならば、この処置だけでその違い(音質の向上)に驚かれるであろう。
AD Player にとって最大の敵は振動である。
上記の処置にて Platter の鳴きを抑えると共に、慣性質量の増加は Cogging を抑制して回転精度を更に向上させるのである。
もちろん、こういった処置(改造)が自己責任であるのは言うまでもないので、意味が解らない初心者はそのままで楽しむべし。
Belt Drive と比べ Direct Drive であることの最大の美点は…
 安定した回転精度
 Belt という消耗品が無い 
…であり「永遠に Belt の寿命を気にしない」で楽しめるのは素晴らしいと思う。
Comeback な方で「もう Belt Drive なのは嫌だ!」とお嘆きの貴兄にはやっぱり Direct Drive でないと…、だね。
 

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良いかも? その3:
ADC(Analog/Digital Converter)も内蔵し、USB にて PCM で最大48kHz の Digital 出力にも対応している。
もちろん Phono Equalizer も内蔵。
ただし ADC Chip が何なのかは不明。
先に紹介した “TN-570” と比べると(本体価格も安いので?) Phono Equalizer も ADC も Grade Down のようである。
そんな “TN-4D” でも、手持ちの AD の音を PC などへ保存したいとあらば、これ1台で全て(の機材)が揃ってしまうのである。
今までは自宅でしか聴けなかった AD という「資産」からの音楽を、My Car や外出先でも楽しめちゃうのだから素晴らしいではないか。
この価格帯で All In One なのだから、各々の機構の品位もそれ相応であろうけれど…? 
この価格帯で求められるのは「高品位」ではなく「多様性」と「手軽さ」であると私は思う。
私がお奨めするのは「金に糸目も付けない最上級な…」ではないのだから…。
 
私が TEAC 製の “TN-4D” をお奨めする理由とまとめると…
 Tone Arm はなんと SAEC 製の Knife Edge Type を採用
 Direct Drive Turn Table である
 ADC を搭載し USB 接続で PC に AD の Library を保存も可能
…である。
 
残念(?)なところは…
 D.D. なのだけれど Quartz Lock ではないところ
 本体重量が 6.1kg と軽量級なところ
…が、個人的にはちょいと残念だけれども? 
使いこなすと面白みが増す雰囲気を秘めていると思うよ、この “TN-4D” は! 
なんせ SAEC の Knife Edge だからねぇ〜。
 
価格に関して:
この “TN-4D” が ’80〜’82年頃の新製品だったらば…? 
これも現代の装備や機能は抜きで考えてみる。
Direct Drive と言えど、いかんせんこれは ‘70年代な Full Manual の D.D. Player である。
ん〜、¥29,800 かな? 
これに SAEC の Knife Edge Arm を搭載となると…? 
当時だったらば Maker の希望小売価格は ¥34,800 ってところか。
それを 20% Off の ¥28,000 が当時の実勢価格のように思える。
これに現代の…
 Phono Equalizer 付きで +¥8,000
 A/D Converter 付きで +¥7,000
 Pick Up Cartridge 付きで +¥10,000
を加えると、あの当時の Maker 希望小売価格に +¥25,000 で ¥59,800 となる。
それを 20% Off の ¥48,000 が当時の実勢価格を基準に考えると妥当なのではないか? 
あれから40年後、この “AT-LP7” の実勢価格は ¥67,600 なり。
1.41倍でおよそ ¥20,000 ほど高いのが現代の価格である。
おぉ、意外に高くない! …のかも? 
 
お次は ONKYO 製の “CP-1050” をお奨めしたいのだけれど…? 
話は長くなるので次回に続く。
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