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2020年03月18日19:43

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ゲノムが語る生命像  <読書メモ>

本庶佑 (著)  (ブルーバックス) 新書 2013年刊

ノーベル賞を受賞した吉野彰博士が若い時に読んで感動したという「ロウソクの科学 (岩波文庫)」は昔から書名は知っていたが昔の科学書と読む気がおきなかった。ノーベル賞受賞の若き時代の愛読書とということで読み始めたが言われるほど面白くなく途中で読むのをやめてしまった。そんな時にノーベル賞を前年受賞した本庶博士の著書が書店で目に入り最近気になっている「ゲノム」とう言葉に惹かれて購入したのが本書である。

前半はゲノム工学に至るまでの生物学についての概説が書かれているが、一つの節でも1冊の書になるようなことが1〜2ページになっているのでとても理解できない。以前同じブルーバックス版の「アメリカ版 大学生物学の教科書」や「進化の教科書」の前半は読んではいたので書かれていることについて少しは分かるが、内容を完全に理解できていないので字面を追っていくしかなかった。

後半は著者の生命科学を研究する立場からの生命観などが展開されいるが、科学者として穏当な考え方で特に目新しい内容ではない。ただ、東日本大震災の福島原発事故による放射性物質の大気中拡散について100ミリシーベルト以下なら安全という説に同調するような文脈や狂牛病についての考えは科学者としては当然の帰結なのかもしれないが、「原子力発電がそれほどまで安全ならどうして一番の需要地の東京都、それも丸の内や皇居に原発を作らないのか」というくだらない疑問を呈する凡人からすると果たしてそんなに簡単に割り切って良いのかという疑問を感じた。

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