先月は萩原麻未さんたちのコンサートへ行って会場で買った堤剛さんとのデュオによる
ベートーヴェンのチェロ・ソナタ４番に、ぞっこんになったと書いた。すると同曲を演奏する
コンサートが告知されていた。これは行きたい。
話をベートーヴェンのチェロ・ソナタに戻すと私は全集を２つ持っている。ゆえに、いつか全曲を
生演奏で聴きたいと願っている。今夜は
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)作曲
チェロ・ソナタ第４番ハ長調Ｏｐ．102-１
チェロソナタ３番イ長調Ｏｐ．69
Ｖｃ：鈴木 秀美
フォルテピアノ：小島 芳子
一昨年12月に神戸市室内管弦楽団を鈴木秀美さんが弾き振りするコンサートが行われ、
その折に買った。鈴木さんはオーケストラ・リベラ・クラシカを主宰する方で、故に本盤も
オリジナル楽器での収録である。モダン楽器とは、こうも違うのか、と啞然とする。
この２曲、遠縁に当たる調。４番はハ長調で始まるが主部に入ってイ短調。３番も主部に入って
イ短調。４番はＯｐ．102-１と後期に当たる為、弾くのを避けていた、と小島さんはジャケットに
書かれている。しかしチェロの開放弦であるハ音から始まる等、チェロという楽器に対する理解
の深まりを私は感じる。
３番はチェロソナタというジャンルの代表作。チェロという楽器をソロにする事はベートーヴェン
が始めた事であった。その意味で本曲の丁々発止ぶりは思わず息を吞む。傑作の森時代の
充実を感じさせる溌剌さと暗さが同居する鮮やかなコントラスト。
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