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2020年01月30日00:32

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日曜は……

 日曜は、雨。
 体調は回復したけど、今日は無理せず午前中は部屋でのんびり。
 午後からブルク13で映画2本。

 今日の1本目は、
 「キャッツ」。
 これは、1981年のロンドン初演以来、今なお世界中で繰り返し公演が続く同題ミュージカルを「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー監督が映画化したもの。

 満月が輝く夜、白猫ヴィクトリアは街の片隅のゴミ捨て場に捨てられる。そこでヴィクトリアは、個性豊かな野良猫たち“ジュリクルキャッツ”に出会う。
 今晩は彼らにとって特別な日。自身の人生を語る歌を競い、選ばれた1匹が新たに生まれ変わる事が出来るのだ……

 この映画、それこそ「ライオンキング」のように本物と見紛うような猫が歌って踊るものにも出来たのでしょうが、トム・フーバーが選択したのは舞台劇そのまま、人が猫を演じる、と言うもの。
 しかし、クローズアップのある映画故、メイクではなく、CG処理で人間の顔に毛を生やしたビジュアルには本国では非難も浴び、ネットではちょっとした騒ぎとなっていた。
 
 原作ならびに舞台版は未見だったが、猫による一夜の歌合戦を描く、この物語自体は大して面白いものではなく、見せ場としてはやはり歌と踊り。
 その中で、本来は脇役だったヴィクトリアを狂言回しとし、観客の感情移入をさせながら、一夜の歌合戦の案内をさせる、と言う映画版の改変はまぁ、妥当なものではないか?
 そして、ヴィクトリアを演じたのは、英国王立バレエ団のプリンシパル、フランチェスカ・ヘイワード。
 他のダンサーとは別もののバレエダンサーの動き、ピタリと決まるポーズに、見事な身体表現……素人の自分でもはっきりと違いが判る。なるほど、英国一のバレリーナとはこう言うものか……まぁ、さすがにヴィクトリアの歌は吹き替えだろうけど。
 (しかし、アフリカ系の彼女が“白猫”を演じる事には批判もあったと言う)
 ただ、物語が希薄なのはやはり乗れず、冒頭30分で眠くなり、しばしうとうとしてしまった。
 
 だが、さすがに舞台の幕が上がるとピリっと締まる。
 まず、名優、イアン・マッケランが口火を切り、圧巻のパフォーマンスが続く。
 そして、あの「メモリー」には思わず涙……これが音楽の魔法と言うものか……

 そんな感動もあって、終わった後の印象は悪いものではなかった。

 2本目は、
 「ロマンス・ドール」
 これは、「百万円と苦虫女」、「ふがいない僕は空を見た」のタナダユキ監督が、自身初のオリジナル小説を自ら映画化したラブストーリー。

 ラブドール職人の哲雄は、「医療用人工乳房の製作」をする、と嘘をついて造形モデルに起用した美術モデルの園子に一目惚れしてしまう。
 告白して、園子と結婚した哲雄だが、結婚後も、自身の仕事について園子に説明する事が出来ずにいた。
 やがて、ふたりの気持ちはすれ違うようになり、園子がついたひとつの嘘から、ふたりの関係は変わっていく……

 この映画だが、ここまでラブドールを描いた映画は今までなかったのではないか?
 (思いつくのは「空気人形」、「ラースとその彼女」くらいか……)
 業界最大手のオリエント工業の協力により、空気式から始まり、かつてはダッチワイフと呼ばれた日本のラブドールの歴史を説明。
 原型製作からフレーム組み立て、鋳込みから仕上げに至る工程を描くのも興味深い。
 そして、最後、「そのこ」を作ったのはLEVEL−Dか……うん、確かにあそこなら蒼井優そのままの人形を作れるだろう。

 物語は、これは意外にも真っ直ぐなラブロマンス。
 一目惚れからままごとのような夫婦生活を始めた不器用な青年が、本物の愛と夫婦関係を築いて行く物語だ。
 哲雄と園子、2人の結婚についての想いがぶつかるシーンは、この映画の見せ場のひとつだろう。

 最後、哲雄は一目惚れした園子の美貌に恋をし、その魂を愛した、と言う事に気づくのがクライマックスで、これは美しくも哀しいシーンだった。
 惜しいのは、この後のエピローグがやや冗長なこと。
 完成した「そのこ」を前に、「魂のない、これはただの人形だ」と締めくくってもよかったように思う。

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