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2019年11月15日00:27

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「強健術」案内73

今回は、『心身強健術』の「第五練修法 (大胸筋)」の型を見ていきます。この型は、『心身強健術』に初めて登場したものでこれ以前の第一作目『実験 簡易強健術』にも第二作目の『腹力体育法』にもありません。この理由については、次回(備考)に触れていく際に見ていきたいと思います。

イ、柱の一尺ばかり前へ直立、
ロ、全身には力を入れずして、自然本体の姿勢。
ハ、右手を軽く柱に当つ(肩の高さの部分に)(運動前の姿勢)

右手は、柱の右側面に軽く当てます。

ニ、右足を一歩、右真横に踏み出し、直に、左足をこれに引き着けるや否(いな)や身体の重みを、悉(ことごと)く左脚に託し、右脚を伸ばして高く側方にあぐ(以上準備姿勢)
ホ、同時に、左足爪先にて左方に回転し右脚は膝を曲げて、劇(はげ)しく左方に踏み込む。

まず、柱の30センチばかり前に立ち右手を柱の右側面に軽く触れている状態のまま、右へ一歩踏み出し左足とともに移動します。ちょうど、柱の右斜め前に立った状態となります。次に、左脚を軸にして、右脚をのばし振り子のようにして、反時計回りに回転します。右脚は柱のそばを通過して始めに立っていた位置より左側に踏み込みます。その時の脚の形は、右脚は膝を曲げ、左脚は膝をのばしてちょうど「第三練修法 (三角筋)」の時と同様の形となります。空手の前屈立ち、中国拳法の弓歩と似ています。手は、柱に触れたままで離しません。

ヘ、其の際、上体は全く左方に向き、右腕は肘を曲げて掌を開きて、柱を前方に押す。
ト、勢いを利用したる上体は、前に出んとし、而(しか)も腕にて、柱に支えられたるを以(も)って、大胸筋は、痛みを覚ゆる程自ら極度の大緊張をなすべし。

この状態が、型が決まった形です。ちょうど、柱を右手で前方に押すような形となります。こうして胸を広げて「大胸筋」を鍛えます。

チ、左脚を右脚に引き着けて直立し、身体全部の筋肉を弛緩せしめ、自然体に復す。
リ、以上、右大胸筋一回の運動。
ヌ、左脚を前方に伸ばし、右足を爪立ち。
ル、其れを軸として、右に転回しながら左足を右に踏み込み、左大胸筋を緊張せしむる順序は前に同じ。
ヲ、但(ただ)し柱に当てたる右手は、転回の際に左手に持ち換うべし。

これは、左大胸筋を鍛える方法ですが、始めの右側が90度の回転だったのに対して、こちらは180度の回転となります。

ワ、『胸壁に霊動す、満身の力』の概を以(も)って、此(こ)の運動を終始せよ。
カ、左右交互、回数は、各二回、双方併(あわ)せて四。(心身強健術 P.155〜157)

以上見てきましたように、「大胸筋」の型の足の運び方は、以前に見ました「第三練修法 (三角筋)」の型の運足法によく似ていて、片足を軸に回転して、脚を強く踏み込みます。これも、回転の勢いを利用した「利動力」の応用です。次回は(備考)を見ていきます。

(写真は、「第五練修法 (大胸筋)」の型を行う春充)
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