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2019年08月22日13:48

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エッセイ集569:「経済の主客転倒の風景化」

<経済の主客転倒の風景化>
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消費増税が近づいていますが、それに伴う各種の軽減税率の適用における混乱も見受けられる昨今です。

消費増税を含め、経済や金融で本来の「理念」に対して「主客転倒」の現象が常態化・風景化しているような気がしています。


[消費増税]
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理念:
消費税を増税することで社会保障が充実し、国民は将来への不安なく生活や消費活動を行うことができる。

主客転倒:
消費税を増税することで消費が落ち込むので、その対応に財政出動をおこなう。その結果としての政府の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の黒字化がどんどん先送りされている。それは直接には目に留まらないが国民に漠然とした不安を与えている。


[金利]
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理念:
金利というものは、その時点で現金を借りて商売をすれば今後いくら利益を生み出すかということで、各時点での経済活動・経済状況に従属して決まるべきものである。

主客転倒:
政府が直接的あるいは間接的に金利を操作することで経済活動を操作する。また金利を下げて貨幣価値を落とすことで輸出競争力を増強する。


[為替]
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理念:
為替相場は、グローバルな経済競争力に従属した輸出入バランスにより決定されるものである。

主客転倒:
主に金利操作により貨幣価値を落とすことで為替安を生み出し輸出競争力を増強する。


[株式]
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理念:
企業に出資して、その企業の経済活動が生み出す価値の一部を配当として受け取る。元本を回収したい場合のみ市場でその株式を転売する。

主客転倒:
株式の転売価格(株価)を投機の対象として株式を売買する。


[まとめ]
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上記した「理念」がいつの間にか忘れ去られてむしろ荒唐無稽と感じられ、逆に「主客転倒」が「主客転倒」だと気が付かないくらいに「風景化」しているように思われます。

特に、それ自身は付加価値を生みださず(=ゼロサムであり)経済活動に従属すべきである「金利」「為替」「株式」が投資・投機の対象として所得の再配分に利用されていることは、「資源の枯渇」や「市場の飽和」の証左であると同時に、「格差の拡大」の源泉でもあるように思います。

ただそれらが「風景化」しているため、そういった簡単なことにも気が付かないというわけです。(おわり)
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