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2019年08月14日21:32

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遊びの流儀@サントリー美術館

今はサントリー美術館は東京ミッドタウンの中にある。
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2019_3/
今日は無論電車だ。汗だくの人間が美術館で隣に居てもいいと言う人もあまりいないだろうし、台風の影響で風や雨の可能性もあったし。

さて、今回の展覧会は「遊び」をテーマとした日本絵画と工芸品を展示している。
名の知れた作者による作品を主体としているタイプの展覧会でないためか、金券ショップなどで扱う入場券も、会期末が近い(18日まで)せいもあるが下がりっぱなしで、あまり話題にもなってないのは明らかだ。実際、会場は混んでるとは言えない状況だった。
一般の日本美術の展覧会よりは若い女性が多い。それも高校生くらいの客層がわりといるのは珍しい。もちろん多いのは男女ともに高齢者だが、カップルがいたり、西洋人がいたりする。まあ、リッツカールトンが同じ敷地内と言うのもあるだろうけど。

しかし、実際にはかなり充実した展示内容だった。踊りや音曲、行楽やスポーツ(蹴鞠とか)などのフィールド系の遊びと、室内でのテーブルゲーム、双六やかるた、花札類やバックギャモンなど自体のハイレベルの工芸品(重文もある)としての展示と、それらに興じる人々の姿を絵画にしたもの、屏風類等が数多くある。それぞれが、細密な描写で遊びを描いている。
無論、当時の感覚で遊びというと女遊び、つまり遊女遊郭などの風情も含まれる。
しかし、遊びという切り口から風俗を写し取ってみると、子供の遊びとは違って…子供の遊びも含まれないわけでは無いのだが扱いは小さい…スケールの大きな遊びの伝統をみることができる。
遊びとは、学びに近いのか労働に近いのか…いずれにもある日常の中の楽しい心地よい一瞬を取り出して楽しむものという原初の姿が垣間見える。
例えば釣りは漁師にとっては仕事だが、それ以外の人には遊びで投網や潮干狩りなんかも…あまり辛い労働を伴わないのを遊びとしてるのか…料理や絵を描く矢を射る、などというコトは普段やっていても遊びになるのか…などと考えてみる。
なにしろ登場人物が楽しそうなのがいい。

他に…誰が袖図屏風という作品があって、コレがとてもしゃれていた。室内に多くの着物が掛けてある。人物は無いが生活感があっていい感じだ。
細かく描かれた絵が多いコト、点数がそもそもかなりあることなどから、かなり見ごたえのある展示となっている。おすすめである。もっとももう日にちが無いけれど…


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