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2019年08月06日22:57

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野口久光さんと映画と音楽と♪

野口久光さんは、ジャズ評論家として的確な分析と流麗な文体でみんなの尊敬を集めた、すごい先生。1994年に亡くなっています。息子さんのピアニスト作編曲家・野口久和さんと僕は親交があります。
その野口久光氏、実はジャズ評論家だけでない、もうひとつの偉大な側面がありました。

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9/14に、鎌倉の「川喜多映画記念館」で「旅と映画と音楽と」というイベントライブをやり、僕と、アキと松下恵美が出演します。
一昨日、そのイベントの打ち合わせに行ってきました。

川喜多さんという方は「東和映画」「東宝東和」の創立者で、戦前から戦後にかけ、洋画の名作を多数輸入し日本に紹介してくれた人。この館内には川喜多さんの関わった多くの洋画のポスターや、貴重な写真などの展示スペースがあり、せっかくなのでこれらを見学しましたが、ここで驚きの事実を知りました。展示されている名作映画のポスターの多くが実は野口久光さんの手によるものだったのです。

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野口久光氏は、グラフィックデザイナーとして多くの映画ポスターを制作されていて、その数、実に1000点以上!!
美大(今の芸大)を卒業して「東和映画」に1933年に画才を買われて入社。ここからポスター制作が始まります。戦争の開始とともに一旦途切れるものの、終戦後「東宝東和」が設立されて再び入社、『天井桟敷の人々』『第三の男』『禁じられた遊び』『大人は判ってくれない』など欧州映画の傑作映画ポスターを多数制作。
特に1960年に描かれた『大人は判ってくれない』のポスターは監督のフランソワ・トリュフォーが絶賛したそうです。

野口さんの制作するポスターは、いずれも手描きの絵、そして手描きの字。物語の世界を彼のフィルターを通して美しく表現しています。
絵は、写真よりもはるかに味わいと印象が強く、アートとしてすごいです。
そして、字がまたすごいのです。オリジナルなレタリングで、見る者のハートをグイっとつかむ強さと味わいがあり、活字が到底太刀打ちできるものではありません。

そんな野口さんの作品の展覧会が何度も催されています。ただ、今年はもう終わってしまったそうで残念。また開催されたらぜひ見に行きたいと思います。
久和さんもすごいミュージシャン。人柄もとても明るくてオーラがあります。お父さんのDNA、健在です。

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