健康面の問題か、声そのものの問題か。

マスオ、ジャムおじさん声優交代　増岡弘が卒業申し出　後任に田中秀幸と山寺宏一
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「サザエさん」（フジテレビ）のマスオ役、「それいけ！アンパンマン」（日テレ）のジャムおじさん役を務めてきた声優の増岡弘（82歳）が「高齢」を理由に自らの希望により"勇退"ですか。「サザエさん」は18日放送分、「アンパンマン」は9日放送分が最終出演となるようですが、マスオさんが初代の近石真介から引き継いで二代目として41年、ジャムおじさんが昭和63年の放送開始から31年弱の長きに亘りそれぞれの役を務めて来たとのことで、それぞれの役柄の設定に近いと思われる年齢で始めた役柄も、変わることのないアニメのキャラクターの設定年齢との乖離という現実には抗うことができなかったと言うことが、あるのかもしれません。
しかし、声優の世界は野沢雅子のように年齢を超越する側面があるのも確かで、声が理由と言うことではなく、体調そのものに理由があるのかもしれませんが、1960〜80年代など往年に活躍した歌手が現在なおその当時のヒット曲をライブなどで披露しているのを聴き、人によって往年のものとは明らかにパフォーマンスが下がった印象になっていることもあり、そのヒット曲が「一生モノ」の価値を帯びていると言う一面はあるとは言え、いくらか残念に感じるところがありますね。音楽では「音域の変化」と言うことがあるので仕方ない面があり、それが求められない分、声優が専業であるうちは気力と体力が許す限りは続けられますが、アニメ界全体としての今後の懸念を考えると、声優が歌をこなせるのが当然でそれを前提に作られた近年の作品が年数を経て新たなシリーズの制作が続いた場合、歌のパフォーマンススキルが持続できなくなる（特に音域）と言う問題が起きそうな気がしますね。難しい問題が介在しますが、とにかく、"勇退"の決断と長い活躍に敬意を表したいと思います。