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2019年07月29日08:46

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映画「アルキメデスの大戦」

イオン映画館の「6作品みたら1作品タダ」がたまった。
これがたまったら、自分ではお金を出してまで見ないだろうな、という作品を見ることにしている。
この間見た「ダイナー」が候補だったが、ニナガワ作品なのでついお金払ってみてしまった。
(まだお父さんの影響がっつりでこちらとしてはそこがいいです)
で、今回見たのは「アルキメデスの大戦」。
戦争もの好きなワシとしてはお金出しても見たい作品、にいれてよかったが、
主演が菅田将暉(すだまさきと読むのも知らなかった)っていうのがどうもね。
顔はきれいだけど戦争ものに出るにはちょっと線が細くないか?

結果は「これで正解」だった。
この人、頭いいのね。
戦艦大和の建造をやめさせるために「いかに大金がかかるか」を証明させられる
もと帝大数学科学生、湯川秀樹以来の100年にひとりの天才、という役柄だが、
映画中に出てくる計算式、教わったものとはいえ
きちんと全部覚えて理解して書いている、ってのがすごい。
理解しているからこそ「ここはこうなってこれはこうで」と説明しながら式が書ける。

ワシは頭のいい男が好き、だから以後は菅田将暉のファンになることにした(爆笑)。

それにしても、菅田将暉に対抗する「大和を作りたい側」がなんで田中泯?とは思った。
ご存じだとは思うが、田中泯は全地球規模で評価されている舞踏家、
だから身体のキレがすごくて、武士の役をするときれいで強そうだった。
(「たそがれ清兵衛」「隠し剣、鬼の爪」など)
本人は「自分は俳優としてはシロウト」というけど、多くの人を前に自分を見せてきたので
舞台俳優さんのような迫力がある、目の表情に力がある。

今回は軍人ではあるが戦闘シーンなし、設計専門の文系軍人だ。
空母建造を主張する相手方に対して巨大戦艦建造を主張し、
相手方が「予算低すぎ」を不正とつきとめようとするのを、
あの手この手を使って邪魔しまくる、でもこれは部下にやらせて自分は動かない黒幕。
確かに最近「じいさん俳優」が減ってたってのはあるけど、なぜ田中泯?
…と思ったら、最後のほうでわかった。

菅田将暉の計算により相手方の予算不正があばかれ、
さらに計算上「大きな嵐で沈没する」危険がわかる。
田中泯は「設計者として気づいていなかった」ことを恥じて戦艦設計図をひっこめるのだが、
その後「指摘された欠点を修正」したいから計算式がほしい、と菅田将暉を呼び出す。
せっかく自分の努力でつぶした計画の復活に協力するわけがない、と菅田将暉が言うと、
田中泯は答える。
「この戦艦ができようとできまいと、日本とアメリカの戦争は必ず起きる」
「日本は負け方を知らない、いまだ日露戦争の勝利に酔っている」
「間違った負け方をすれば最後のひとりまで日本人は闘い続け、この国は滅亡する」
「この巨大な美しい戦艦に国民は熱狂するだろうが、これが沈めば日本人も目が覚めるかもしれない」
「そのためには、戦艦はより巨大でより美しくなくてはいけない」
「だからわたしはこの戦艦を、大和、と名付けた。」

このセリフを迫力を保ったまま最期まで言い続けるために
田中泯だったんですね。
菅田将暉はそれこそ天賦の才のある演技上手ですが、
このシーンでは田中泯の迫力受け止めていっぱいいっぱいでした。
普通の若手(ジャニーズとか)には無理だったと思われる。

それにしても、大和の造形は見事ですね。
海にうかぶ姿、静かに出航する姿、攻撃を受けて傷つき、沈んでいく姿。
一回は大スクリーンで見るべき映画でした。
いろんな意味で見て正解でしたよ。
33度まで上がった中で、自宅で熱中症になるのを予防する意味でも。


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