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2019年07月27日18:04

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舞台の裏のウラ話 <小劇場のウラの声・その7>

数年前。

そこそこ大きな劇場に出たときのことでした。


私、実は本番前に、

ちょっと変わった発声練習(声出し)をするんです。


とある、超有名劇団さんで使われている、

セリフを全て母音だけでしゃべる、

「母音法」というメソッドがあるのですが、

これを自分流にアレンジしたものを、

本番前の声出しに使います。


例えば「こんにちは」なら「おんいいあ」。

こんな調子で、それも一言ずつ腹筋を使って、

ばかでかい声で、歩きながら、

自分のセリフを最初から最後までしゃべっていきます。

ただ、これ、かなりうるさい上に、

何言ってるか分からないので、

すごく人に迷惑がかかるんですね。

だから、普通はみんな、舞台の上で声を出すのですが、

私は客席でやります。


前に書いたように、舞台上の声は、

マイクを通して楽屋その他、裏に筒抜けなので、

これはいくらなんでも恥ずかしい。

それに、うるさくてとんでもない迷惑になる。



で、また、その時の劇場が、

ゆったりと作られている、とてもいい客席だったので、

最も舞台から遠い、一番後ろの客席スペースで、

「おんいいあ」みたいなのを、やり始めました。


いろんな高さで、いろんな強さで、

繰り返しながら、おあおあやって、

まぁこんなもんかな、という所で楽屋に戻ると、



   ん?



みんなの笑顔が、なんか不思議?



「望子さん、お疲れ様です。すんごい頑張ってましたね」

「え?」

「あの、声出しの・・・」

「うっ、聞こえてたの?」

「はい。しっかりと」

「だ、だって、客席の一番奥でやってたのよ!」

「あー、そうなんですか!

 いや、舞台には見えないし、どこだろうって、みんなで話してたんです」



え? みんなで、私の姿を、探してた?!



  ってことは・・・あせあせ(飛び散る汗)



   <つづく>
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