鼻の手術（二回目）

当初の予定では鼻ポリープを右と左とで一ヶ月くらい間をおいて順番に切除してゆくという二回工程だったのだけれど、術前検査の過程で鼻中隔が歪んでいることがわかったため計画変更。ひとまず今の状態でも実行可能な左鼻ポリープ摘出手術を先に済ませておいて右鼻のほうは鼻中隔の矯正を済ませてから　という三回工程となった。
人間の体って左右対称じゃないだけに左右どっちか片一方へ寄ったりしてるのは普通らしいけど私の鼻中隔の場合は寄りかたが極端すぎて矯正しないと右の鼻の穴に内視鏡が通らないんですって。
という訳で今回は二回目。鼻中隔湾曲症の外科治療。


手術前に剃毛。手術といえば剃毛。
小学三年生の時分に盲腸の手術しかしたことない奴が何言ってんだかｗ
電動鼻毛カッターはじめて使った。これはいいものだ。
帰ったらうちにも配備しよう。そうしよう。

で、手術室へ。
入口そばのカート上にずらり並べられ鈍く銀色に輝く器具類を必死に見ないようにしながらｗたどたどしい足取りで手術台へ向かう。
台にのっかって脚をベルトみたいなのでおさえられて腕とか胸とかに検査器具ぺたぺた取り付けられて口に酸素マスクはめられた直後に意識が飛んでった。

医師「大きく息を吸ってください。眠くなりますよー……


次に意識を取り戻したのは約二時間後。
手術が終わって病室へ戻されたあと一時間くらい眠っていたらしい。もうすぐお昼ごはんですよ、と看護師さん。
ほどなく執刀した先生が登場。ベッドで横になっててぽややん状態抜けきってない私の脇まで来て何やらフィルムケースのようなものを取り出して見せた。
ケースの中身は今回の手術で切り取った鼻の軟骨だそうな。
自分の骨を生で見るなんて初めてだ。ところどころ血っぽいもので濡れてるけどやけに白く透き通っててきれいだなー……ってこの先生こないだ摘出後の左ポリープ見せようとして私に全力で拒否られたからって起き抜けにそうきたかーっ（￣M￣）いやまあ成果の確認って大切ですよねそうですよね。ええ。

で。
目が覚めてしばらくの間は普段の寝起きみたいで特につらくはなくて（写真撮ってるくらいだしなｗ）昼飯食べたあと夕方あたりまではじっと寝てるだけだった……んだけど今回とびきり大変だったのはそこから先。
術後の痛みは前回体験済みなのでまだいいにしても止血と鼻中隔固定のため左右の鼻腔内へみっしりと詰め込まれたガーゼが思いのほかきつい。毛穴まで広がるほどぱつんぱつんな鼻面で「鏡の向こうのこいつはどこの誰？」な案配。
鼻呼吸なんて当然できない。
術前は「鼻で息できないっつったらポリープで鼻づまりしてたここ何年もずっとそうだったし」と余裕ぶっこいてたものの術前説明時の「終わるまではかなりしんどいので覚悟しておいてください」という看護師さんの言葉に嘘偽りはなかった。ていうか嘘偽りなさすぎて涙が止まりません(T-T)両方の涙腺がガーゼで圧迫されて勝手に涙が出続けてる。ああ涙が止まらない。痛いから泣いてるのとちゃうど。そいやあんま関係ないけどウミガメが産卵する時に涙を流すのって痛いとかじゃなくｔ（中略）その後は輸液でお薬と養分もらいながら寝つつ眠れたかと思うと数時間おきに痛さで起こされて鎮痛剤飲んで綿球とっかえて眠ってまた痛さで起こされて……って何度か繰り返してどうにかこうにか持ち直したころには夜が明けていた。

朝いちの処置でガーゼぜんぶ引っこ抜いてもらった。
ちゃんと見てなかったんでよくわかんないけどガーゼっつっても普通の織物じゃなくて棒状のフェルトみたいな硬めのやつ。そいつが患部の上を直にずるずるって抜けてく感触はなかなかきつかった。
抜かれるたび数えてみたら左右五本ずつ入ってた。
抜けたはいいけど鼻の穴広がりっぱなしになったりしないかな。変な心配すんなしｗ
ベッドへ戻ってしばし休んだのち、身のまわり片付けて支度整えてからお薬もらって一時退院。

夜中に目を覚まして手当てをしていた何回目の最中だったかな、喉が渇いたので水を飲もうとするも鼻が塞がりきってるせいでうまく飲み込めず苦しむ自分の様子を鑑みて、ふと「もしも今回の手術もあきらめてこのまま十年二十年って逃げ続けてたらやがて"あなたの年齢ではもう手術を受けるのは無理でしょう"ってなっちゃってその後は毎日こんな不便を素で味わうことになってたかもしれないな」と考えた途端に気分が軽くなった。
次に備えよう。

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♪輝いた / シギ
https://www.youtube.com/watch?v=TMlFu8MsCvc

「つらい時は進んでいる証拠　そう思えばいい」