mixiユーザー(id:8729247)

2019年06月04日12:44

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映画「ドライビング・ミス・デイジー」

見たいみたいと思っていて、中古のDVDを買った。

ミス・デイジーは学校の先生だったので「ミス」なんだね。
夫の工場が成功してお金持ちになったユダヤ人の未亡人で、
工場を継いだ息子と「自分とは合わない(キリスト教徒)」の嫁がいる。
1948年の映画始まりのシーンでは60代なのかな。
運転を間違って生垣につっこみ、息子に運転禁止を宣言される。
通いのメイドがいても基本ひとり暮らしの母親のために
息子は黒人の運転手、ホークを雇う。

映画のはじめに壊れた車の代わりに来た新車から、3台目の車まで。
1台10年は乗らないだろうな、と思っていた。
突然認知症を起こして入院になるのは、1971年なんだって。
ラストシーンは老人ホームでいろいろなことがわからなくなったミス・デイジーが
「あなたはお友達」とホークに言い、
ホークが感謝祭のパンプキンパイを食べさせてあげる。

もとが戯曲なので、シーンが変わるごとに年代が変わる。
字幕解説とかなくても、ミス・デイジーの年取り方とか(80歳の女優さんだけど)、
ホーク(モーガン・フリーマン)の服装やめがねの分厚さや、
息子(なかなか名演技)の白髪とハゲ具合で時の流れがわかる。

サスペンスでもなくアクションも大きな事件もないが、
ジョージア州に住むドイツから移住したユダヤ人と聞けば
「ホロコーストから逃れた」ことがわかる。
成功した夫を持つお金持ちだが、隠されたユダヤ人差別はないわけでなく、
ミス・デイジーが「目立ちたくない」と繰り返して言うのはそういう事情もありそうだ。
物語後半で、通っていたユダヤ教寺院がクー・クラックス・クランに放火される。

その時代のジョージア州なら黒人差別はかなりのものだったはず。
隣のアラバマ州に、ミス・デイジーの兄の90歳誕生日祝いに出かけたとき、
ドライブインのトイレをホークは使わない。
「黒人はああいうトイレは使えないんです、ご存じでしょう」と言うシーンがあり、
先日見た「グリーンブック」の背景と重なる。
道端でサンドイッチでランチしていると、パトロールの警官にとがめられる。
クリーンブックでは黒人の主人と腕っぷしの強い運転手の組み合わせで、
運転手が警官の失礼な言動についぶん殴ってしまうのだが、
(そして主人はケネディ司法長官に電話して解放される。)
今回は運転手が黒人でも主人は白人の強気の老婦人なのでなんとか切り抜ける。
でも、走り去る車の後ろに警官が捨て台詞を言う。
「黒人じじぃとユダヤばばぁか、いい組み合わせだよ」。

ミス・デイジーはこれをきっかけに、ホークに読み書きを教え、
キング牧師の夕食会にも出席し、
メイドを亡くしたあと最初に「あなたはお友達よ」とホークの手を握る。

人間は何歳になっても何かを学び、先に進むことができる。
いっしょに何か学べた友達は、一生の友達になれる。

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